2011-11-29

ボールであそぼうマイスター養成講習会 開催報告

2011/11/29


 日本トップリーグ連携機構(JTL)は11月21日(月)、神奈川スポーツセンター(神奈川県横浜市)にて、ボールであそぼうマイスター養成講習会を開催いたしました。

 「ボールであそぼう」は、ボールを使った運動プログラムで、JTLが平成19年度から開発に取り組み、平成21年11月に完成しました。今回で、5回目となるボールであそぼうマイスター養成講習会は、「ボールであそぼう」を全国的に普及・指導するための「ボールであそぼうマイスター」を養成し、今回を含め163名のマイスターが修了しました。

 講習会には、各リーグから推薦された31名の参加者が神奈川スポーツセンターに集い、バレーボールやテニスボールを使った「ボールであそぼう」のプログラムを受講しました。参加者の中には、ボール競技で活躍したアスリートだけではなく、朝原宣治さんや荒川大輔さんといった陸上競技アスリートの参加もありました。講習会終了後は参加者全員が、「ボールであそぼうマイスター」として認定され、今後「ボールであそぼう」の全国普及にご協力を頂きます。

 午前中の講義は、プロジェクトリーダーで山梨大学人間科学部教授の中村和彦先生が行いました。講義では、子どもの体力低下や幼少年期の動作の発達、睡眠・食事・運動の生活習慣など、子どもたちを取り巻く環境の変化について、現状の問題を考えさせる内容でした。現在、小学校の体育科教育の低学年において「運動遊び」が明記され、遊びの重要性が認識されるようになり、子どもたちが、遊びを通して、単一ではなくさまざまなスポーツに親しむことが求められています。


 午後の実技プログラムでは、「ボールであそぼう!」のDVDにも出演し、全国各地で開催されるボールであそぼうや指導者講習会の講師を多数務めてきた、中川善雄さんと岩屋睦子さんが実技を展開しました。ボールであそぼうの構成は、基礎的なプレー、連携的なプレー、ゲーム的なプレーの3本柱で作られており、対象に合わせて、遊びを組み合わせて展開することができます。両講師は、参加者に見本を見せながらプログラムを展開し、参加者からは遊びの中で、動きや競い合いを楽しむ姿が多く見られました。

 プログラムの終盤に行われたゲーム的なプレーでは、参加者の出身競技や所属をクロスオーバーした6グループに分かれ、ボール運びゲームとプレルボールを行いました。相手や対戦チームと競い合う場面では、参加者は目の色が変わり、大きな声や動作で感情をあらわにしていました。プレルボールは、1チーム5ゲーム行い、藪内夏美さん(富士通レッドウェーブ)、荒川大輔さん(日本陸上連盟NOBY T&F CLUB)らが所属するFチームが全勝しました。全プログラム終了後、同チームの金氏眞氏(日本社会人アメリカンフットボールXリーグ専務理事)が参加者を代表して、中村先生から認定証を授与されました。その後、修了者全員に、認定書と合わせて、プログラムが収録されたDVD「ボールであそぼう!」と講習会資料CD-Rが手渡されました。今後、修了者は、「ボールであそぼうマイスター」として全国でのプログラムの普及・展開が期待されます。




講師紹介


中村和彦(山梨大学人間科学部教授)

山梨県生まれ。山梨大学教育学部卒業。筑波大学大学院体育研究科修了。筑波大学体育センター準研究員、山梨大学教育学部助手を経て、現在山梨大学人間科学部教授。専門は、発育発達学、運動発達学、健康教育学。文部科学省中央教育審議会スポーツ・青少年分科会スポーツ振興に関する特別委員会委員、文部科学省小学校学習指導要領解説体育編作成協力者、日本体育協会ジュニアスポーツ指導員部会部会長、日本オリンピック委員会(JOC)ゴールドプラン専門委員会委員、NHK教育テレビ番組「からだであそぼ」「あさだ!からだ!」監修など。「子どものからだが危ない!」(日本標準)など著書多数。


岩屋睦子(WJBL)

愛知県生まれ。星城高等学校(愛知県)卒業後シャンソン化粧品入社。1996年アトランタオリンピック7位、1999年アジア選手権(静岡)後、現役引退。日本リーグ(現 Wリーグ) 優勝9回、MVP3回,ベスト5 7回、全日本総合選手権優勝5回など活躍。シャンソン化粧品のポイントガードとして、前人未到の10連覇に大きく貢献し、日本代表としても20年ぶりに出場したアトランタオリンピックで7位入賞の原動力となった。現役時代は、小柄ながらスピードのあるドリブルとクレバーなゲームコントロールでチームを引っ張った。引退後に結婚、コメンテーターやバスケットボールクリニックの講師として活躍している。


中川善雄(スポーツ&ワークス代表)

熊本県生まれ。九州学院高等学校卒業。中央大学卒業後山陽商会に入社。2001年休部とともに大崎電気工業に移籍。日本初のプロ契約選手として日本リーグ、全日本で活躍。日本リーグ ベストセブン賞3回,シュート率賞1回。2001年東アジア選手権、2002年世界選手権アジア予選2002年釜山アジア大会など国際大会での活躍。2003年アテネオリンピックアジア予選より主将を務め、2005年世界選手権にも出場。大崎オーソル主将、2008年北京オリンピックアジア予選に向けての全日本チームの主将を務めた。2009/2010年シーズン後引退。解説やハンドボール教室の講師として活躍している。



スケジュール

時間 講習内容 会場
9:15 開講式 トップリーグとは(紹介用DVD上演)
講 習「ジュニア期のスポーツの考え方」
「ボールであそぼう」の内容について講義
講 師 中村 和彦(山梨大学人間科学部教授)
研修室
12:00 昼食休憩
13:00 実 習「ボールであそぼう」実技指導
基礎的なプレー、連携的なプレー、ゲーム的なプレー
講 師 岩屋 睦子(WJB)
    中川 善雄(NPO法人シュータススポーツラボラトリ理事長)
第一体育室
16:00 閉講式

参加者(修了者)名簿

No リーグ名 氏名 所属
1 なでしこリーグ 北川 詩織 スペランツァF.C.高槻
2 宮下 靖 INAC神戸レオネッサ INAC多摩川レオネッサ
3 藤田 晃徳 INAC神戸レオネッサ INAC多摩川レオネッサ
4 バスケットボール
女子日本リーグ
藪内 夏美 富士通レッドウエーブ
5 矢代 直美 日本航空
6 日本ソフトボールリーグ 森岡 輝男 日本ソフトボール協会
7 日本社会人
アメリカン
フットボール
Xリーグ
大松澤 嗣幸 NFA役員
8 金氏 眞 NFA役員
9 寺田 隆将 オービックシーガルズ
10 吉田 卓也 オービックシーガルズ
11 日本トップリーグ
連携機構
佐藤 江身子 (公財)横浜市体育協会 神奈川スポーツセンター
12 小川 宏樹 (公財)横浜市体育協会 神奈川スポーツセンター
13 磯崎 裕子 (公財)横浜市体育協会 神奈川スポーツセンター
14 加藤 祥子 神奈川区スポーツ推進委員 (旧体育指導委員)
15 宝来 麻紀子 スポーツ&ワークス
16 向井 久子 スポーツ&ワークス
17 綱島 文郎 スポーツ&ワークス
18 向山 昌利 スポーツ&ワークス
19 鈴木 隼人 スポーツ&ワークス
20 深澤 勇太郎 セレスポ
21 森野 裕仁 セレスポ
22 田中 清香 セレスポ
23 朝原 宣治 日本陸上競技連盟 NOBY T&F CLUB
24 荒川 大輔 日本陸上競技連盟 NOBY T&F CLUB
25 半谷 真一 特定非営利活動法人FCゴール
26 下崎 将一 特定非営利活動法人FCゴール
27 丹羽 昭由 山梨大学教育人間科学部
28 宮本 麻央 山梨大学教育人間科学部
29 田邉 献 山梨大学教育人間科学部
30 清水 翔子 山梨大学教育人間科学部
31 川村 美沙季 山梨大学教育人間科学部

講習会スナップ