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2015-6-10

「女子サッカーワールドカップ開幕」 「男子ハンド」「男子バレー」

女子サッカー:ワールドカップ開幕、優勝候補のドイツはコートジボワールに大勝

 先月末に汚職の容疑で幹部14人が起訴され、その直後に行われた会長選挙でも5度目の当選を果たしたジョゼップ・ブラッター会長がその数日後に辞任を表明するなど現在揺れに揺れているFIFA(国際サッカー連盟)の主催する第7回女子サッカーW杯が6日、カナダのエドモントンで開幕した。
 参加国が前回のドイツ大会の16ヶ国から24ヶ国まで大幅に増加されたことで、初出場国もスペインやオランダをはじめ8ヶ国と過去最高の数字となった今大会、女子サッカーの頂点を決める熱い52試合が30日間かけて繰り広げられることとなる。
<主将シンクレアの決勝点で中国を下し白星スタートを切ったカナダ> 約5万3000人の観衆で埋め尽くされたコモンウェルス・スタジアムで行われた開幕戦では地元カナダが中国と対戦。女子W杯の開幕戦において4番目となる観客動員数を記録した試合は、後半ロスタイムに得たPKを主将のシンクレアが決め、苦しみながらもカナダが初戦を白星で飾った。
 またAグループのもう一試合では、33分にマルテンスのゴールで初出場のオランダがニュージーランドを1-0で下している。
 7日に行われたグループBの2試合では、ノルウェーが初出場のタイを5-0で下し、優勝候補筆頭のドイツも、同じく初出場のコートジボワールを10-0の大差で退け格の違いを見せ付けた。

<W杯カナダ大会、賞金総額は1500万ドル>
 FIFAの発表によるとW杯カナダ大会の賞金総額は約1500万ドル(約19億円)と見られており、前回のドイツ大会よりも50%増額されている。優勝賞金の200万ドル(1億5000万円)をはじめ、予選グループで敗退となった8チーム(17位から24位)にもそれぞれ37万5000ドル(約4700万円)が賞金として与えられることとなる。
 また個人賞も4つ用意されており、今大会MVPに贈られるゴールデンボール賞、最多得点を記録した選手に贈られるゴールデンブーツ賞、ベストGKに贈られるゴールデングローブ賞、そして最も活躍した若手に贈られるベストヤングプレーヤー賞は1995年1月1日以降に生まれた選手の中から選ばれ、今大会では現在バイエルン・ミュンヘンで活躍する日本代表の岩渕真奈(22歳)などわずか54選手のみが対象となる。

<日本の初陣は8日、相手は初出場のスイス>
<2連覇を狙う日本は8日にカナダと対戦> 2連覇を目指す日本は、いずれも初出場のスイス、カメルーン、エクアドルと同組のグループCに入っている。8日のスイス戦を皮切りに12日にカメルーン戦、16日にエクアドル戦と続き、最初の2試合はバンクーバーのBCプレイス・スタジアム、そしてグループリーグ最終節のエクアドル戦はウィニペグで行われる。
 なお今回のカナダ大会がデビューとなるその他の初出場国は、開催国カナダと同組のオランダ(グループA)、3度目の優勝を狙う世界ランキング1位のドイツと同組のタイとコートジボワール(グループB)、悲願の初優勝を狙う強豪ブラジルと同組に入ったスペインとコスタリカ(グループE)の5ヶ国。また、前回準優勝の米国と3位のスウェーデン、アフリカ選手権優勝のナイジェリア、そしてアジアカップ準優勝のオーストリアと強豪が肩を並べる今大会最高の激戦区グループDは8日にウィニペグで初戦が行われ、それぞれスウェーデンとナイジェリア、米国とオーストリアが対戦する。

<カナダW杯での活躍が期待される注目選手>
 2015年に女子部門のFIFAバロンドール(世界年間最優秀選手賞)を受賞したナディネ・ケスラーは最終的にドイツ代表の登録メンバーから外れたものの、今回のW杯カナダ大会には、過去に同賞を獲得している日本代表の澤穂希を筆頭に、ブラジル代表のマルタ、米国代表のアビー・ワンバックなど過去のW杯でその足跡を残した選手たちが名を連ねている。今回はグループA、B、Cに入った12ヶ国の中から注目の選手を紹介していきたい。

グループB
ナディネ・アンゲラー(ドイツ)/GK
ニュルンベルグ、バイエルン・ミュンヘン、ポツダム、フランクフルトなどドイツのクラブを渡り歩き、現在は米国のポートランドでプレー。2007年の中国W杯では、無失点記録を達成しチームの優勝に大きく貢献した他、2014年にはFIFAバロンドールも受賞している。すでに36歳で迎える今回のカナダ大会を最後にドイツ代表からの引退を表明しており、主将としてドイツを3度目の世界王者に導く。

セリア・サリッチ(ドイツ)/FW
前回のドイツW杯でもドイツ代表としてメンバー入りをするなど、次世代のドイツ代表を担う存在と言われている26歳のサリッチは、2013年より日本代表MF安藤梢も所属するフランクフルトでプレーし、今シーズンのチャンピオンズリーグ決勝では先制点を決めるなど優勝に大きく貢献した。7日に行われたW杯初戦のコートジボワール戦では前半のみの出場となったものの3ゴールを記録している。

ジェニファー・マロジャン(ドイツ)/MF
14歳でプロデビューを果たし、ブンデスリーガ最年少出場記録を更新するなど早くから頭角を現したマロジャンは、次世代のドイツ代表を担う存在として注目を集めている。今大会でも23歳の若さで代表の10番を背負うなど、強豪国にあってもその実力は高く評価されている。初戦のコートジボワール戦には出場しなかったものの、今後の活躍に注目が集まる。現在はサリッチ同様フランクフルトでプレーしている。

グループC
<6度目のW杯に挑む澤>澤穂希(日本)/MF
前回のドイツ大会では、得点王(5点)とMVPの2冠を達成するなど日本代表の主将としての優勝の原動力となった。2012年にFIFAバロンドールを受賞するなど現代の女子サッカー界を代表する存在である澤にとって、36歳で迎える今回のカナダ大会は6度目のW杯となる。

男子ハンド:セルダルシッチがPSGの監督へ就任 カラバティッチと再会か

 ここ近年豊富な資金で積極的な補強を続け、国内外の大会で徐々に結果を出し始めているフランスのPSGは、来シーズンに向け早くもボスニア・ヘルツェゴビナ出身のズボニミール・セルダルシッチ新監督の就任を5日に発表した。64歳のセルダルシッチ監督は、現在のハンドボール界で最も優れた監督の一人として高い評価を受けており、1993年から2008年までの16年間指揮したドイツのTHWキールではブンデスリーガを11回、06-07シーズンのEHFチャンピオンズリーグを制している。
<セルダシッチ監督とカラバティッチがPSGで再会する可能性が浮上> また、まだ正式な発表はされていないものの、バルセロナのニコラ・カラバティッチも来シーズンからはPSGに活躍の場を移す可能性が濃厚だと見られている。現在31歳のカラバティッチは、バルセロナに来る以前にモンペリエ(フランス)とTHWキール(ドイツ)でプレーしており、モンペリエでは02-03シーズン、THWキールでは06-07シーズンにそれぞれチャンピオンズリーグ優勝を果たすなど、異なる3クラブで同大会を制した輝かしい経歴を持っている。そして仮にカラバティッチのPSG移籍が現実となった場合には、THWキール時代に指導を受けたセルダルシッチ監督と7年振りの再会を果たすこととなる。

<バルセロナが7冠を達成 リベラ監督時代のドリームチームの記録に並ぶ>
 7日に行われた国王杯決勝でグラノジェルスを27-26で下したバルセロナが、1シーズンで獲得できる最高のタイトル数である7冠(国内リーグ、国王杯、チャンピオンズリーグ、ASOBAL杯、スペイン・スーパー杯、欧州スーパー杯、クラブW杯)を達成し、現在カタール代表を指揮するバレロ・リベラ監督が1999-2000シーズンにバルセロナを率いて成し遂げた記録に並んだ。
 なお今シーズンは、男子サッカーと男子ハンドボールのチャンピオンズリーグをバルセロナが、男子バスケットのユーロリーグをレアル・マドリードが制すなど、史上初めて3つのスポーツにおいて欧州タイトルがスペインのクラブに独占される結果となった。

男子バレー:ワールドリーグ、プールAではブラジルが単独首位

 開幕から2週目を迎えた男子バレーボールのワールドリーグは、世界各地でグループラウンドの第3節と第4節が行われた。
 世界ランキング上位8チームがプールA(ブラジル、イタリア、セルビア、オーストラリア)とプールB(米国、ポーランド、イラン、ロシア)の2ブロックに分けて戦うグループ1では、世界ランキング1位のブラジルがホームでオーストリアとの2連戦を制し、プールAで4戦全勝の単独首位に立った。一方、プールBではポーランドがイランに、米国がロシアにそれぞれ合計スコア2-0で連勝し4戦全勝で首位の座を競っている。昨年の世界選手権で6位に入るなど近年力をつけてきているイランだが、米国とポーランドに連敗し、ロシアと共に4戦全敗と苦しいスタートを切っている。

<日本はフランスに2連敗>
<フランスに連敗を喫した日本、次戦はアウェーで韓国と対戦> フランス、チェコ、韓国と同組のプールDに入っている日本は、世界ランキング12位の強豪フランスと対決。ホームでの2連戦で勝ち星を稼ぎたかった日本だが、2試合とも力の差を見せ付けられ3-0のストレート負けを喫している。戦績を1勝3敗としプールD最下位に沈んでいる日本は、13日と14日にアウェーで韓国との2連戦を迎える。