一般社団法人 日本トップリーグ連携機構

日本トップリーグ連携機構は、ボールゲーム9競技の日本の最高峰12リーグの競技力の向上と運営の活性化を目指した活動を行っています。

あそビバ!

「あそビバ!」プログラム開発の背景

4.諸外国と日本との国際比較
〔活動的な身体活動の国際比較〕
「活動的な身体活動」週2回以上実施者の国際比較(11歳)

ユネスコがバックアップして実施した調査があります。これは、スポーツ、健康、レクリエーションに関する調査で、日本では笹川スポーツ財団が調査をしました。この表は、世界各国の子ども(11歳を対象)の活動的な身体活動に対する国際比較です。「活動的な身体活動」の定義は「1回30分以上、心拍数(脈拍)が120拍以上」というのを一つの基準にしています。週2回というのは、学校から帰った後、月曜日から金曜日までの平日に、週2回以上やっている子という意味です。
 週2回以上スポーツを実施しているかどうかといった質問に対して、オーストリアは男子89%、女子83%です。全体で、20ヵ国で比較した中で、日本は男子37%、女子27%となっています。日本は、この調査を行った国々の中で最下位となり深刻な状況です。
 これは5年前くらいのデータですが、一位がオーストリア、二位がドイツ、三位はアメリカ、四位はフランスです。この調査は、適当な調査ではなくて、大都市、中都市、小都市、都心、都会、郊外、農村、漁村といった、あらゆる子どもたちを網羅できるようにデータを取っています。
 日本では、北海道から沖縄まで、様々な都市でデータを取って、日本の平均的なデータを取っています。日本の子どもたちは、男の子が37%、女の子が27%。他の国からみると、圧倒的に少ない値になっています。このグラフでは、フランスの隣に日本のグラフが載っていますが、フランスと日本の間にいくつかの国が入ります。日本は、世界で最も運動をしていない小学校高学年がいる国ということになります。

〔日本における運動習慣の調査〕

今、話題の事業仕分けでは、文部科学省の事業も削減の方向になっているものがあります。「全国体力・運動能力、運動習慣等の調査」です。これは、平成20年から始めているものです。
 体力テストは、第1回目で紹介した体力テストに加えて体力調査(運動習慣、生活習慣の調査)を実施しています。対象は、小学校5年生と中学校2年生で、約210万人の子どもたちのデータが集めています。全データを取った子どもたちに対しては、どんなふうに運動をしているかなど細かなデータを含め、一人一人にすべてのデータをフィードバックしています。
 この2年間の調査の結果からわかったことは、今の小学校5年生の男の子の25%、女の子の30%は学校から帰ったあと、それから土日を含めて全く運動をしていないということです。少年団もクラブもスイミングも何もやっていませんし、子ども同士で遊ぶこともなく、全く体を動かしていないという子どもが25%〜30%います。
 中学校になると、もっと割合が増えることもわかりました。中学校2年生の女子においては、放課後、土日を含めて6割は運動をしない危機的な状況です。学校の女の子は男の子に比べてスポーツを行うのに選択する種目が少ないという議論もありますが、日本の子どもたちは、今、運動をしている子どもが少なくなっています。