元気で前向きな 「良き福島」を発信したい
3月10日、今季のJFLが開幕しました。東日本大震災から2年。福島ユナイテッドFCは、初戦を1-0、続くホーム開幕戦を2-0と連勝し、開幕を盛り上げています。その戦いぶりは新聞やテレビで大きく報じられましたが、JFL18チームの中でも特にメディアで取り上げられることが多い福島ユナイテッドFCでメディア対応を担当しているのが、広報の高橋美奈子さんです。飯坂温泉にある事務所でお話を伺いました。
<広報の仕事について>
Q : 福島ユナイテッドFCはコンスタントに多くのメディアで取り上げられています。対応は大変だと思うのですがいかがですか?
広報 高橋美奈子さん |
A:この仕事に就いてまだ1年半なんですが、マニュアルもないので、最初はどのように対応していいか全くわかりませんでした。でも実際にメディアの方々にお会いするうち、それぞれのメディアがそれぞれのイメージを持って取材にいらしていることがわかってきたんです。テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、それぞれ全然違います。決してワンパターンじゃないんですよね。ですから、すべての取材を勉強だと思って、一つ一つ対応するようにしています。ただ、初対面の方にも対応できているのは、この仕事に就く前に接客の仕事をしていたことが活きているかもしれませんね。
Q : 広報を担当されていて、嬉しかったこと、辛かったことは?
A:もう毎日「やっちゃった!」って感じです(笑)仕事で外に出ることが多いので、たまったデスクワークに追われて、取材の方をお待たせしたり。メディアの方は取材を掛け持ちされていることもあるので、ご迷惑をおかけして落ち込むこともあります。
でも落ち込んでいる時、上司や同僚のみなさんが相談に乗ってくれるんです。色々お話を伺ったり、自分のことを話しているうちに元気になります。いつも見守ってくれて、のびのびやらせてもらっています。広報物もチェックしてもらっていますが、そんな細かいことの積み重ねで、何とかやってこられていると思っています。感謝しています。
ただ私、すごくいじられるんですよ(笑) うちのチームは、FM-POCO(福島市のコミュニティFM)で「ユナポコ」という番組を持たせていただいていたのですが、毎回選手に帯同していたら先輩たちから「ミナポコ」(注:名前が美奈子さん)と呼ばれて、よくからかわれました。番組はもう終わってしまいましたが、バージョン2、やりたいですね。スポンサーさん、よろしくお願いします(笑)
Q : 広報の仕事は、チームとの連携が重要ですが、特に心がけていることはありますか?
A:やっぱりコミュニケーションですよね。「ほうれんそう」は忘れないようにしています。ただ、この(飯坂温泉の)事務所は、トップもアカデミーもフロントもみんな一緒なんですよ。ですからすぐに情報共有できますし、私自身について言うと、他の部署との連絡や調整を必要とすることが多いのですが、知りたいこともすぐに教えてもらえます。チームとフロントの連携という意味でも、非常に良い環境だと思います。
<福島への思い>
Q : 震災から2年経ちました。震災と原発事故、
風評被害で福島は大きな打撃を受けましたが、チームにはどのような影響がありましたか?
ホーム開幕戦より。対横河武蔵野FC |
A:(東北社会人リーグの)開幕直前でしたので、まず、試合が本当にできるのかという不安がありました。結局、福島県での開催は難しいので、相手チームのスタジアムでのホームゲーム開催にOKがいただけたので開幕できましたけど。
ただ練習する場所がなかったんですよね、除染作業で。ですから現場スタッフもフロントも毎日練習場を探しまわっていました。会津や猪苗代や、宮城県の白石で練習したこともありますし、他の団体と一緒にやったこともあるんです。本当にサッカーを続けていくこと自体が大変でした。でも、ここで立ち止まったらダメだ、続けなければいけないという気持ちで乗り切りました。みな、サッカーがしたくて集まっていますから。
Q : 地域の支援活動を続けていらっしゃいますが、具体的にはどのようなものですか?
A:震災直後は、あづま陸上競技場などのサッカー場で炊き出しをしましたが、昨年は福島県内の小学校でサッカー教室をやりました。子供たちがすごく喜んでくれます。天皇杯で勝ってからは特に。うちのチームが何かを起こすかもしれない!という期待で見てくれています。この巡回指導はずっと続けていますし、今季もさまざまな活動の準備をしているところです。福島は良くも悪くも注目されているので、私たちは、笑顔の絶えない元気な、いい意味での福島を発信していきたいです。
でも選手の出身地はさまざまで、スタッフも半分が宮城出身で、私もそうなんです。ですが、鈴木勇人社長は福島市出身ですから、福島にもチームにもものすごく愛情があります。とにかく熱い方で、試合中もサポーターのように本気で喜ぶし、本気で悔しがるんです。そんな方がトップにいること、お手本にできることは幸せだと思います。
Part2では、福島ユナイテッドFCの今そしてこれから、高橋さんのプライベートのお話を掲載致します。
☆福島ユナイテッドフットボールクラブ 公式サイト http://fukushimaunited.com