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2014-9-9

「男子バスケットボール:世界選手権スペイン大会」 「男子バレーボール:世界選手権ポーランド大会」 「女子バスケットボール:世界選手権を目前に控える日本代表がヨーロッパ遠征」など

男子バスケットボール:世界選手権スペイン大会、決勝トーナメントに突入

 <地元優勝の期待がかかるスペイン代表>  スペインで開催されている男子バスケットボールの世界選手権は4日にグループステージの全試合が終了し、決勝トーナメントに駒を進めた16ヶ国が出揃った。

 グループA、グループB、グループCでは、地元優勝の期待を背負うスペイン、パナシナイコスやオリンピアコスなどの強豪クラブを持つ世界ランキング5位のギリシャ、優勝候補筆頭の米国がそれぞれが全勝で危なげなく首位通過を決めた。大会直前に右足を骨折し負傷離脱したポール・ジョージを始め、多数の有力選手が出場を辞退している米国だが、グループリーグ全試合で常に95ポイント以上を獲得し、20ポイント以上の差をつけて勝利するなど依然として圧倒的な強さを見せつけ、7月にシカゴブルズへの移籍が決まったパウ・ガソルを中心に安定したパフォーマンスを見せているスペイン以上のインパクトを残している。一方、最終節までもつれ込んだグループDでは、2013年のユーロバスケで準優勝のリトアニアがスロベニアとの直接対決を制し、4勝1敗の成績でグループ首位の座を掴み取った。

 また、2013年アジア選手権の上位3ヶ国として同大会に出場したイラン(グループA)、フィリピン(グループB)、韓国(グループD)だが依然として世界の壁は高く、いずれもグループリーグで敗退し、2010年大会で決勝トーナメント1回戦まで勝ち進んだ中国を上回るには至らなかった。

<決勝トーナメント1回戦の組み合わせと結果>

スペイン(グループA1位)-セネガル(グループB4位): 89-56

クロアチア(グループB2位)-フランス(グループA3位): 64-69

ギリシャ(グループB1位)-セルビア(グループA4位): 72-90

ブラジル(グループA2位)-アルゼンチン(グループB3位): 85-65

米国(グループC1位)-メキシコ(グループD4位): 86-63

スロベニア(グループD2位)-ドミニカ(グループC3位): 71-61

リトアニア(グループD1位)-ニュージーランド(グループC4位): 76-71

トルコ(グループC2位)-オーストラリア(グループD3位): 65-64

 グループリーグ終了から一日あけてスタートした決勝トーナメント1回戦は、9月6日と7日にマドリードとバルセロナの2会場で行われた。優勝候補のスペインと米国が順当に勝ちあがった他、フランスがクロアチア(69-64)、セルビアがギリシャ(90-72)をそれぞれ下したことで、グループAから勝ち上がった4チームがいずれも決勝トーナメント2回戦に進出する結果となった。

<決勝トーナメント2回戦の組み合わせ>

スペイン(グループA1位)-フランス(グループA3位)

ブラジル(グループA2位)-セルビア(グループA4位)

米国(グループC1位)-スロベニア(グループD2位)

リトアニア(グループD1位)-トルコ(グループC2位)

男子バスケットボール:世界選手権スペイン大会、ニュージーランド代表のハカに対するトルコ代表の態度に批判の声

<ニュージーランド代表のハカを見守る米国代表> オールブラックスこと、ラグビーのニュージーランド代表が試合前に踊ることで有名なダンス「ハカ」は、現在スペインで行われている男子バスケットボール世界選手権でも同国代表によって披露され多くの人を魅了している。

 その一方で、8月30日に行われたグループCの第一節でニュージーランドと対戦したトルコは、このマオリ族の伝統民族舞踊「ハカ」が始まっても特に注意を払うわけでもなく、踊りの終了を待たずに早々と自陣ベンチに引き上げてしまった。

 同試合終了後、ニュージーランドのカセイ・フランクは、「彼らは、われわれの国、文化、伝統そしてチームの象徴であるハカを無視し、侮辱することを選んだ」と、トルコの態度に不快感をあらわにした。これに対し、トルコのアタマン監督は、「選手たちに集中した状態で試合にのぞんでほしかっただけだ。ニュージーランド代表にとって、ハカがどれほど重要であるかはよく理解しているつもりだ」と述べ、文化軽視との批判の声をきっぱりと否定している。

 なお、9月2日にニュージーランドと対戦した米国は、ハカが始まるとウォーミングアップを中断し、コートで相手のパフォーマンスを厳粛に見守るなど3日前のトルコとは対照的な姿勢を見せた。

男子バスケットボール:世界選手権スペイン大会、世界各地で高視聴率を獲得

<今回の世界選手権は、ヨーロッパでのサッカーに劣らない視聴率を獲得し、注目の高さがうかがえる> スペインの4都市(ビルバオ、ラス・パルマス、セビージャ、グラナダ)で行われた男子バスケットボール世界選手権のグループリーグでは、連日繰り広げられる熱い戦いを一目見ようと数多くの観客が会場へと足を運んだ。

 FIBA(国際バスケットボール連盟)の発表によると、8月30日から9月4日の6日間で開催された60試合の平均観客動員数は7960人と高い数字を残している。なお最高観客動員数は9月4日の木曜日に行われたフィンランド対ニュージーランド戦の15483人で、会場となったビルバオのパビリオン収容能力が15414人であることを考えれば満員御礼の中で行われた同試合が65-67という白熱した展開になったのも不思議ではないだろう。

 一方、2013年のユーロバスケ準決勝の再現となったスペイン対フランスの一戦は、グループリーグ全試合の中で最高となる約400万もの人が視聴したと報告されおり、地元優勝に向けた国民の期待と関心の高さがうかがえる。また、2連覇を目指す米国でも同大会への注目度は高く、初戦となった8月30日のフィンランド戦は約100万、31日のトルコ戦は約130万の人が視聴しており、同時期に行われたテニスの全米オープンの2倍、同国の国民的スポーツである野球の平均視聴者数(約109万)をもしのぐ数字となっている。更に、依然としてサッカーの人気が高いヨーロッパにおいても今回の世界選手権の注目度の高さが視聴率に現れている。トルコでは人気番組「100%フットボール」を上回る約100万の人が同国代表の試合を視聴した他、ギリシャでも同国代表の試合で平均35%の視聴率を獲得しており、これは今年5月24日に行われたサッカーのチャンピオンズリーグ決勝(アトレティコ・マドリード対レアル・マドリード)、6月12日に行われたサッカーのワールドカップの開幕戦(ブラジル対クロアチア)の視聴率を上回る数字となっている。

男子バレーボール:世界選手権ポーランド大会、1次ラウンドでイランがイタリアと米国に勝利

<1次ラウンドで優勝候補のイタリアと米国を下す大金星をあげたイラン> 現在ポーランドで行われている第18回男子バレーボール世界選手権は7日に1次ラウンドが終了し、2次ラウンドに進む各プールの上位4ヶ国、合計16ヶ国が決定した。

 地元ポーランド、ブラジル、ロシアなど世界ランキング上位国が5戦全勝と好調を維持する一方、プールDでは同組となった米国とイタリアが揃って不安定な戦いに終止し、同グループ1位の座をフランス、2位をイランに譲り渡し、最終的にはそれぞれ3位と4位で辛くも2次ラウンドへの進出を決めるサプライズが起こった。

 そのグループDでジャイアントキラーの番狂わせを演じたのがイランだ。2011年のワールドカップでヨーロッパの強豪ポーランドやセルビアを下すなど、近年着々と力をつけ、今年からセルビア出身のスロボダン・コバチ監督に率いられるイランは、初戦でいきなりイタリアを3-1で下すと、その勢いで次の米国もフルセットの末に3-2で勝利を収めるなど、早くも優勝候補の2ヶ国に土をつけることに成功した。4勝1敗の2位でグループDを通過し、2次ラウンドに進出したイランは、9月10日にプールAを2勝3敗の4位で終えたオーストラリアと対戦する。

男子バレーボール:世界選手権ポーランド大会、新記録となる61500人が開幕戦を観戦

<58145人収容のワルシャワスタジアムは、地元優勝を願う61500人のポーランドサポーターによって埋め尽くされた> 今回、男女を通じて初めて世界選手権のホスト国を務めるポーランドだが、バレーボールの歴史は古く、FIVB(国際バレーボール連盟)創設時からの加盟国であり、東欧の強豪国として国際舞台でも広く知られている。

 2000年に自国リーグがプロ化されるなど、バレーボール人気はヨーロッパ諸国の中でも屈指で、今回の世界選手権も地元優勝に向けサポーターの応援にも一段と熱が入っている様子だ。その証拠に、8月30日のオープニングセレモニー、およびポーランド対セルビアの開幕戦は、特別に本来サッカー専門スタジアムとして使用されているワルシャワ国立競技場で行われ、61500人もの観客で埋め尽くされた。これは、1952年にモスクワで行われた第2回世界選手権で記録された50000人を大きく上回り、バレーボールの国際大会において62年振りに過去最高の観客動員数を達成した。

女子バスケットボール:世界選手権を目前に控える日本代表がヨーロッパ遠征

 ハヤブサジャパンこと、バスケットボール女子日本代表は、9月27日にトルコでスタートする世界選手権を見据え、現在ヨーロッパで強豪国とのマッチアップを続けている。

 まず遠征最初の大会となったトルコのアンカラ国際トーナメントでは、世界ランキング17位の日本よりも上位に位置する3ヶ国と対戦。トルコ(世界ランキング13位)とチェコ(世界ランキング5位)には敗れたものの、最後の試合でベラルーシ(世界ランキング10位)に64-48で競り勝ち、チームは良い形でトルコの地を後にした。

 続いてスペインのムルシア国際トーナメントに出場したハヤブサジャパンは5日、世界選手権でも同じAグループに入っているスペインと対戦。世界ランキング6位の強豪を相手に、第1ピリオドでは互角の戦いを演じるものの、徐々に高さとスピードを兼ね備えたスペインに主導権を握られ、一時は47-28と19ポイントまで差を広げられてしまう。その後、反撃に転じたハヤブサジャパンは、最終ピリオドで57-51と6ポイント差まで詰め寄るが、最後は力及ばず68-55での13ポイント差を付けられてスペインの前に力尽きた。また同大会では、スペインの後にセルビア(世界ランキング29位)、アンゴラ(20位)とも対戦し、それぞれ85-64、77-41で快勝し、2勝1敗の成績を残している。