ヨーロッパニュース一覧

2015-3-25

「男女ラグビーシックスネイションズ」「男子ハンド」 「ハンド:ハンガリーのトップリーグで活躍する日本人選手」 「女子サッカー」「ハンブルクが2024年五輪招致へ名乗」

ラグビーシックスネイションズ:アイルランドが連覇、イングランドは1トライ差で涙

<イングランドの試合後、優勝が決定したアイルランドの選手たち> ラグビーのシックスネイションズは、イングランド、アイルランド、ウェールズがともに3勝1敗で並び最終節を迎えたが、最後に勝ち点差で上回ったアイルランドが優勝を決め、昨年の大会に続く連覇を果たした。

 最後の最後まで目が離せない、近年まれに見るドラマチックな展開だった。最終節を前に得失点差37で首位に立っていたのはイングランドだったが、最終戦の相手は難敵フランス。しかも2位アイルランドとの点差はわずか4点だ。さらに、3位ウェールズとは25点差の開きがあったが、相手がイタリアであることを考えると十分逆転可能な数字だ。

 こうした中、行われた21日の最終節の口火を切ったのはイタリア対ウェールズ戦だった。優勝するためには大量得点差での勝利が必要なウェールズは、ノースの3トライをはじめ合計8トライの猛攻で61-20と41点差をつけてイタリアを撃破する。この時点でウェールズは得失点差を53に伸ばし、イングランドを16点上回る。ところが、続いて行われたアイルランド対スコットランド戦でアイルランドが40-10と30点の差をつけて勝利したため、今度は得失点差64のアイルランドが首位に立つ。ウェールズ、アイルランドがいずれも大勝しプレッシャーがかかる中、最終戦となるイングランド対フランスの一戦が始まる。26点差以上で勝てば優勝が決まるイングランドは序盤から果敢にトライを狙うが、フランスもこれに応戦。終わってみれば両チーム合わせて12トライが飛び交う乱戦となったが、最後は55-35でタイムアップ。イングランドは20点差で勝利したものの、アイルランドに1トライ(+1コンバージョン)及ばず、土壇場で涙を飲んだ。

<2015年シックスネイションズ最終順位>

1.アイルランド(4勝1敗) 2.イングランド(4勝1敗) 3.ウェールズ(4勝1敗) 

4.フランス(2勝3敗) 5.イタリア(1勝4敗) 6.スコットランド(5敗)

女子ラグビーシックスネイションズ:アイルランドが優勝し男女2冠達成

europe273_02 男子と並行して行われていた女子ラグビーのシックスネイションズは21日、22日に最終節が行われたが、アイルランド女子が4勝1敗の成績で優勝し、男子とあわせて2冠を達成した。男子と同様、女子も最後まで混戦となった。最終節を前にアイルランドとフランスが4勝1敗で並ぶ展開となったが、得失点差でフランスがリードしていた。しかし、最終戦でアイルランドがスコットランドを73-3の大差で下し、得失点差でフランスを逆転して優勝を決めた。

<イタリア女子が初の3位>

 今大会の最大のサプライズは3位に入ったイタリア女子だ。2007年に同大会に参戦して以来、最下位と5位が常連席だったイタリア女子だが、昨年の大会で初めて4位になり、今年はさらに順位を一つ上げた。初戦でアイルランド、続くイングランドに連敗したものの、次戦でスコットランドを破ると、第4節ではフランスから歴史的な勝利を挙げ、最終戦でもウェールズを破って破竹の3連勝で幕を閉じた。一方、優勝を逃したフランスはイタリア戦でのこの1敗が最後まで尾を引くことになった。

<女子シックスネイションズ最終順位>

1.アイルランド 2.フランス 3.イタリア 4.イングランド 5.ウェールズ 6.スコットランド

男子ハンド:欧州CL決勝ラウンド、ベスト8にハンガリー勢が2チーム進出

<ヴェスプレームCL初優勝なるか>” /> 男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグ(CL)はベスト16ラウンドのセカンドレグが行われ、初戦で20点差をつけて快勝したバルセロナ(スペイン)、ドイツ勢同士の対戦に連勝したTHWキール(ドイツ)、PSG(フランス)らが順当にベスト8に残った。だが、これまでCL決勝ラウンド常連だったドイツ、スペインから今季のベスト8に残ったのはそれぞれ1チームのみで、代わって台頭してきたのが、最近のCLで躍進著しい東欧勢だ。</p>
<p> 中でもハンガリー勢は、CL初優勝を狙うヴェスプレ―ムに加え、国内2位のゼゲドもドイツのライン=ネッカーを下し、2チームがベスト8入りを果たした。その他、ポーランドのキェルツェ、マケドニアのヴァルダール、クロアチアのザグレブも勝ち上がり、今季のベスト8のうち東欧勢が5チームを占めることとなった。だが、東欧勢のチームといっても、以前のように自国選手だけで構成されているわけではなく、多国籍化が進んでいる。</p>
<p> 昨シーズンのCLでは準決勝で惜敗したものの今季も優勝候補に挙げられるヴェスプレームは早くから国外から積極的な補強を行っており、現在は3人のスペイン人選手をはじめ、クロアチア、セルビア、スロベニア、ボスニア、ドイツ、スウェーデン、イランの国籍を持つ選手がプレーしている。同じくハンガリーのゼゲドにも4人のスペイン人選手を筆頭に、チーム全体で12人の外国人選手を擁している。また、マケドニアのヴァルダールに至っては、登録メンバー20人のうちマケドニア国籍の選手は4人しかいないという「逆転現象」が起こっている。</p>
<p><span class=男子ハンド:ハンガリーのトップリーグで活躍する日本人選手

 欧州で躍進著しいハンガリーのトップリーグNBI(Nemzeti Bajnoksag I)で活躍している日本人選手がいる。

 ハンガリー北東部にあるバルマズゥイヴァロシュ所属の銘苅淳(めかるあつし)選手だ。現在29歳の銘苅選手は、筑波大学、トヨタ車体を経て2012年にハンガリー1部リーグのケチケメートに移籍。今季からは同じ1部リーグのバルマズゥイヴァロシュでプレーしている。

<ハンガリーリーグで活躍する銘苅選手>” /> NBIは、2014-15シーズンのEHF欧州リーグランキングで6位につける欧州主要リーグのひとつで、リーグチャンピオンのヴェスプレームは欧州CLでも上位を争う強豪として知られている。銘苅選手はこれまで所属した4チームいずれのチームでもレギュラーとしてコンスタントに試合に出場してきたが、今季前半のレギュラーシーズンでは20試合で120ゴールを決め、リーグ得点王にもなっている。          </p>
<p> ハンガリーのトップリーグは12チームで構成され、2ステージ制となっている。まずレギュラーシーズンで総当たり戦(ホーム&アウエー)が行われた後、レギュラーシーズンの上位6チームと下位6チームに分かれて別々にリーグ戦が行われ、最終的な順位が決まる。(※ちなみに、昨シーズンのリーグ覇者であるヴェスプレームは東南ヨーロッパリーグ(SEHA)に参戦するためレギュラーシーズンには参戦せず、上位リーグからの出場となる)</p>
<p> 銘苅選手のバルマズゥイヴァロシュは今季前半のレギュラーシーズンで最下位となり現在は下位リーグに参戦しているが、4試合を終え勝ち点13の4位(総合10位)につけている。21日に行われた試合で銘苅選手はチーム最多の4ゴールを挙げたものの最下位のPLERブダペスト相手に19-19で痛い引き分けを喫した。下位リーグの5位、6位チームはNBI B(2部リーグ)降格となるため、残り6試合、1部残留をかけて厳しい戦いが続く。</p>
<p> 現在、欧州の主要リーグでプレーする日本人男子ハンドボール選手は銘苅選手とフランス1部リーグのシャンベリに所属する土居杏利選手の2人だけだが、彼らに続き世界のトップレベルで戦える日本人選手が出てくることを期待したい。</p>
<p><span class=女子サッカー:2019年女子W杯のフランス開催が決定

 FIFA(国際サッカー連盟)は、2019年の女子ワールドカップおよびU20女子ワールドカップをフランスで開催することを発表した。2019年女子W杯の開催招致にはフランスの他、韓国、イングランド、ニュージーランド、南アフリカの5か国が立候補していたが、昨年の一次選考でイングランド、ニュージーランド、南アフリカが落選し、ここで残ったフランスと韓国の一騎打ちとなっていた。フランスでは昨年、女子ラグビーのワールドカップが行われた他、来年には男子サッカーのユーロ(欧州選手権)も開催される。さらに2024年のオリンピック招致も視野に入れている。一方、女子W杯の招致には日本も関心を持っていたが、2020年に東京オリンピックが行われるため2019年の大会には立候補せず、2023年の大会招致を目指す予定だ。

ハンブルクが2024年五輪招致へ名乗

europe273_05 ドイツ・オリンピック委員会(DOSB)は21日、2024年オリンピックおよびパラリンピックの開催都市にハンブルクを擁立することを正式に決定した。ドイツの立候補都市擁立ではハンブルクと首都ベルリンの間で招致が争われていたが、この日の理事会で、地元住民の五輪開催への支持率が高かったハンブルクが開催候補地として選ばれた。

 ドイツでは過去に2度の夏季五輪が開催されており(1936年ミュンヘン、1972年ベルリン)、3度目の開催を目指す。また、ドイツでは、2022年の冬季五輪の招致でもミュンヘンが立候補していたが、その後、断念した経緯がある。

 立候補の締め切りは今年9月15日となっており、現在までのところローマ(イタリア)、ボストン(アメリカ)が立候補を表明しているが、1924年の五輪開催から100周年を迎えるパリ、イスタンブール(トルコ)、ブダペスト(ハンガリー)、バクー(アゼルバイジャン)も立候補する可能性が高いと見られている。