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2015-6-17

「女子サッカーW杯カナダ大会」 「女子バスケ」「男女ホッケー」「男女ハンド」

女子サッカー:日本とブラジルが2連勝で決勝トーナメント進出

 今月6日に開幕した第7回女子サッカーW杯カナダ大会は、13日までにグループリーグの2試合を消化し、2連勝を飾ったグループCの日本とグループEのブラジルが最終節を待たずして決勝トーナメント進出を決めた。その一方で、優勝候補のドイツはノルウェーと引き分け、フランスに至っては格下のコロンビアに敗れ現在3位まで順位を落としている。
 グループBでは、第2節で世界ランク1位のドイツと同11位のノルウェーが対決。初戦でそれぞれコートジボワール(10-0)とタイ(4-0)に勝利しているチーム同士の一戦は1-1の同点に終わり、決勝T出場は最終節に待ちこされた。またグループFでは、フランスが思わぬ苦戦を強いられている。グループリーグでの最大の難所と見られてた初戦の英国戦を1-0で勝利し、理想的なスタートを切ったフランスだったがが、第2節のコロンビア戦でシュート数21本対3本と圧倒的に試合を支配しつつも唯一枠内に許した2本のシュートを得点に結び付けられ、0-2とまさかの敗戦を喫した。これによりフランスは、1勝1敗で並ぶ英国と共に1勝1分で首位に立つコロンビアを追う苦しい状況に追い込まれた。また、強豪が肩を並べるグループDでは、前回大会決勝で日本に敗れた米国が1勝1分で首位、オーストラリアが1勝1敗で2位、3位には2試合連続引き分けのスウェーデン、そしてナイジェリアが1敗1分で4位と続き、最終節では、米国がナイジェリア、そしてオーストラリアがスウェーデンと対戦する。

<日本、苦しみつつも2連勝で決勝T進出決定>
<苦しみながらもカメルーンを下し、決勝T進出を決めた日本> グループCの日本は、初戦でスイスと対戦。W杯初出場ながら欧州予選では10試合で9勝1分、53得点と抜群の成績で勝ち上がったスイスの前に苦戦を強いられる。FWバッハマンのスピードから何度かピンチを作られるものの前半29分に宮間が決めたPKを守りきり1-0で勝利した。またこのPKの発端となった相手GKとの接触プレーで安藤が負傷し、大会の残り試合を欠場することが確実となった。続く第2節のカメルーン戦では、前半6分に鮫島、同17分に菅澤のゴールで早い時間帯に2点を奪う。試合終了間際に1点を返されるものの2-1で競り勝ち、最終節のエクアドル戦を待たずして決勝T進出を決めた。この試合、結果的には白星を手にしたものの、シュート数は日本の4本に対しカメルーンは20本、CKも日本の3倍となる6本を取るなど、スコア以上に厳しい内容の試合となった。

<カナダW杯での活躍が期待される注目選手>
 前回に続きW杯カナダ大会に出場する注目選手をグループD、E、Fの中から紹介していきたい。

グループD
アビー・ワンバック(米国)/FW
 現在35歳のワンバックにとって、今回が4度目のW杯となる。米国代表の中心的存在としてオリンピックでは2004年と2012年に金メダルを獲得し、自身も2013年にFIFAバロンドールを受賞しているものの、W杯優勝はいまだに経験していない。またワンバックは、今年5月17日に行われたメキシコと国際親善試合で米国代表として182ゴール目を決め、女子サッカーの歴代世界最高得点者となった。

グループE
マルタ(ブラジル)/FW
 現在29歳のマルタは、2007年から5年連続で女子部門のFIFA年間最優秀選手に選ばれ、『スカートをはいたペレ』と呼ばれるなど女子サッカー史上最高の選手との呼び名も高い。W杯での優勝経験こそないものの、2007年の中国大会では得点王(7ゴール)とMVPの2冠を達成している。今大会のグループリーグでは、初戦の韓国戦でPKを決めた他、第2節のスペイン戦でも得点こそなかったものの随所に華麗なプレーを見せ、チームの2連勝に大きく貢献している。

ベロ・ボケーテ(スペイン)/MF
 スペインの中で最も国際経験の豊かな選手としてチームをけん引する存在となっている。2012から2014の2年間をスウェーデンの強豪ティレソーでブラジル代表マルタを共にプレーし、14-15シーズンはドイツのフランクフルトで日本代表MF安藤梢やドイツ代表のFWサリッチ、MFマロジャンと共にチャンピオンズリーグ優勝を経験している。そしてW杯直前にはバイエルン・ミュンヘンの移籍が決定した。今大会のグループリーグではここまで1敗1分と苦しい展開が続くものの、28歳で迎えた初のW杯でチームをどこまでひっぱれるかに注目が集まる。

グループF
ユージェニー・ル・ソメ(フランス)/MF
 2010年からフランスの強豪オリンピック・リヨンでプレーする26歳のル・ソメにとってカナダ大会は2度目のW杯となる。その高い得点力で、11-12シーズンではフランスリーグで22得点を記録し得点王に輝いた他、同シーズンのチャンピオンズリーグでも決勝を含め9得点を挙げ、チームの優勝に大きく貢献した。今回のカナダ大会では、グループリーグ初戦のイングランド選でペナルティーエリア外から強烈な右足のシュートを叩き込み、チームに1-0の勝利をもたらした。

ルイザ・ネシブ(フランス)/MF
 所属のオリンピック・リヨン、そしてフランス代表のいずれにおいても中盤の司令塔としてここまで優れたパフォーマンスを見せてきた28歳のネシブは、10-11、11-12シーズンでチャンピオンズリーグを2連覇した他、2011年のW杯でもベストイレブンにも選出されている。広い視野と戦術理解度の高さは、しばし同国の英雄ジネディーヌ・ジダンと比較される。自身にとって3度目となる今回のW杯では、ここまで2試合を終えわずか63分の出場に留まっているものの、今後の活躍に期待される。

女子バスケ:ユーロが開幕、フランス、スペイン、ベラルーシなどが第2ラウンドへ

<2連覇を狙うスペインは、4戦全勝で予選第1ラウンドを突破> 大会史上初の2ヶ国共催となる女子のユーロバスケ(欧州選手権)が11日に開幕した。20ヶ国が4つのグループに分かれて戦う予選第1ラウンドはハンガリーの2都市(ソンバトヘイ、ショプロン)とルーマニアの2都市(オラデア、ティミショアラ)で行われ、グループAのフランス(世界ランク4位)、グループBのベラルーシ(同10位)、そして前回大会優勝国でグループDのスペイン(同6位)らの強豪国が4戦全勝で順当に予選第2ラウンドに進んだ。またグループDでは、過去3回の優勝を誇るロシアと前回大会4位のセルビアが3勝1敗の同率首位で揃って予選通過を決めている。
 各グループ上位3ヶ国が勝ち抜けとなる第1ラウンドでは、グループAではフランスと共にモンテネグロとチェコ、グループBではベラルーシの他にトルコとギリシャ、グループCではロシアとセルビアの同率首位以外にクロアチア、そしてグループDでは2連覇を狙うスペインに続きスロバキアとリトアニアの合計12ヶ国が予選第2ラウンドへ駒を進めた。
 第2ラウンドは12ヶ国が2グループに分かれ、上位4ヶ国が決勝ラウンドに進出する。なお、今大会の優勝チームは2016年のリオ五輪への出場権が与えられ、2位から5位の4チームには来年6月に行われる世界予選へ回ることとなる。

 予選第2ラウンドの組み合わせは以下の通り。
グループE:フランス、ベラルーシ、モンテネグロ、トルコ、チェコ、ギリシャ
グループF:ロシア、スペイン、スロバキア、セルビア、リトアニア、クロアチア 

男子ホッケー:ワールドリーグ、カナダか強豪ニュージーランドを下し、ファイナル8進出

 2年に一度開催される男子ホッケーのワールドリーグは、決勝ラウンドの第1ブロックがアルゼンチンのブエノスアイレスで行われ、前回優勝のオランダ、そしてドイツとアルゼンチンの強豪国に混じって、世界ランク15位の伏兵カナダがファイナル8に進むサプライズを見せた。
<シュートアウトの末に強豪ニュージーランドを下し、ファイナル8の出場権を獲得したカナダ> 決勝ラウンドの第1ブロックに入った10ヶ国は、プールAのオランダ(世界ランク2位)、ニュージーランド(同7位)、韓国(同8位)、日本(同16位)、エジプト(同20位)、そしてプールBのドイツ(同3位)、アルゼンチン(同6位)、カナダ(同15位)、スペイン(同11位)、オーストリア(同22位)と2つのグループに分けられた。
 各プールで上位を占めたオランダ、ドイツ、アルゼンチンは、準々決勝でもそれぞれスペイン(3-1)、韓国(2-0)、日本(2-1)に勝利し、第1回大会となった12-13シーズンに続き2大会連続のファイナル8への出場権を獲得した。一方、同様にファイナル8進出を目指したニュージーランドは、準決勝でカナダにシュートアウトの末に競り負け無念の決勝ラウンド敗退となった。
 最終的に、ドイツが決勝でアルゼンチンを4-1で下し、決勝ラウンドの第1ブロックで優勝。11月にインドのモハリで行われるファイナル8に向けて弾みをつけた。3位にはカナダに6-0で大勝したオランダが入った。
 また決勝ラウンドの第2ブロックは6月20日から7月5日までベルギーのアントワープで開催され、世界ランク首位のオーストラリアを始め、同4位のベルギーや同5位の英国など、第1ブロック同様に10チームが出場。それぞれの決勝ラウンドで準決勝に残った8ヶ国が、今年11月のファイナル8に挑むこととなる。

<日本は、1勝6敗で第1ブロック10ヶ国中8位>
 2大会連続で決勝ラウンドまで進んだ日本は、エジプト戦で唯一の白星をあげるも世界の壁は依然として高く、プールAを4位で通過すると続く準々決勝でもプールBを首位で通過したアルゼンチンに1-2で競り負けた。その後、7位決定戦で韓国に0-1で敗れたことで最終成績を8位とし、前回大会の6位を上回るには至らなかった。

女子ホッケー:ワールドリーグ、地元スペインが大健闘

 男子に遅れること1週間、女子ホッケーのワールドリーグは決勝ラウンドの第1ブロックが10日にスペインのバレンシアで開幕し、グループリーグ最終節を残した15日の時点で、プールAでは英国、プールBではドイツと米国の2ヶ国がそれぞれ首位に立っている。
<英国には敗れたものの現在2勝1敗と健闘するスペイン> プールAでは、2勝1敗のアルゼンチン(世界ランク3位)が3連勝で単独首位に立つ英国を追う展開を見せている。前回大会の決勝ラウンドでは1勝もあげることができなかったスペイン(同15位)は2勝1敗と、中国(同7位)を上回る健闘をみせている。
 一方プールBでは、2勝1分で同率首位に立つドイツ(同6位)と米国(同5位)を、2勝1敗のアイルランド(同14位)追う展開となっている。
 また日本が入っている決勝ラウンドの第2ブロックは、6月20日から7月5日までベルギーのアントワープで開催される。なお今回のワールドリーグは2016年のリオ五輪予選を兼ねている関係で、前回大会で3位に入ったイングランドに代わって英国の統一チームが参加している。

男子ハンド:2016年の欧州選手権に出場する16ヶ国が決定

<欧州選手権ポーランド大会のマスコット『ハイ・ファイブ』> 男子ハンドボールは、予選の最終節を16日に終了し、2016年1月のポーランドで開催される欧州選手権へ出場する16ヶ国が出揃った。2連覇を狙うフランスや大会最多となる4度のタイトルを獲得しているスウェーデンを筆頭に、デンマーク、クロアチア、スペインなど、全16ヶ国のうち14ヶ国が前回の2014大会に続き本選への出場を果たしている。逆にスロベニアとドイツの2ヶ国は、2012年大会に続く2大会振りの本選出場となる。なお1994年の第1回ポルトガル大会から今回の第12回ポーランド大会まで連続出場を続けているのは、フランス、クロアチア、スペイン、ロシアの4ヶ国のみである。
 2年に一度開催される欧州選手権の第12回大会は、2016年の1月17日から31日までポーランドの5都市(クラクフ、ソポト、カトヴィツェ、ウッチ、ヴロツワフ)で開催される。

 なお2016年欧州選手権に出場する16ヶ国は以下の通り。
ポーランド (8大会連続8度目)  、ハンガリー(7大会連続10度目)
デンマーク (9大会連続11度目) 、フランス (12大会連続12度目)
スウェーデン(5大会連続11度目) 、スロベニア(2大会振り10度目)
クロアチア (12大会連続12度目)、ノルウェー(6大会連続7度目)
スペイン  (12大会連続12度目)、ドイツ  (2大会振り11度目)
アイスランド(9大会連続9度目)  、セルビア (4大会連続4度目)
モンテネグロ(2大会連続3度目)  、ロシア  (12大会連続12度目)
マケドニア (3大会連続4度目)  、ベラルーシ(2大連続4度目)

女子ハンド:世界選手権に向けた欧州最終予選が終了

 女子ハンドボールは、今年12月にデンマークで行われる世界選手権に向けた欧州予選が終了し、ポーランド、フランス、スペイン、ハンガリーなどが順当に勝ち上がる一方で、前回大会で開催国として準優勝を果たしたセルビアがルーマニアに、そして過去10回の出場を誇るドイツがロシアに敗れ本選出場を逃した。
 またアイスランドを2試合の合計スコア47-38で下したモンテネグロは、2011年、13年大会に続き3度目の出場となる他、セルビアを合計スコア56-54の僅差で下したルーマニアは、1957年の第1回大会から22大会に渡って連続出場を続けている世界で唯一の国となっている。。
 ブラジルが2連覇を狙う第22回世界選手権は、今年12月5日から20日までデンマークの4都市(フレゼリクスハウン、ヘアニング、コリング、ネストヴェズ)で開催され、各大陸の代表24ヶ国が参加する。

 2015年世界選手権に出場する欧州11ヶ国は以下の通り。
デンマーク (4大会連続18度目)、ノルウェー (15大会連続18度目)
ハンガリー (2大会連続20度目)、フランス  (10大会連続12度目)
ロシア   (2大会振り11度目)、ルーマニア (22大会連続22度目)
オランダ  (3大会連続10度目)、スペイン  (5大会連続8度目)
ポーランド (2大会連続15度目)、モンテネグロ(3大会連続3度目)
スウェーデン(2大会振り8度目)