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2015-7-15

「男子バスケ」「夏季オリンピック」 「女子バレー」「男子ハンド」

男子バスケ:ユーロリーグ15-16シーズンの組み合わせが決定

europe288_01 男子バスケのユーロリーグは、2015-16シーズンに向けたレギュラーシーズンの組み合わせ抽選が9日に行われた。
 2連覇を目指す王者レアル・マドリード(スペイン)は、昨シーズン4位のフェネルバフチェ(トルコ)、ユーロカップで優勝したBCヒムキ(ロシア)と同組のグループAに入る厳しい組み合わせとなった他、昨シーズン準優勝のオリンピアコスの入ったグループBは、エフェス・ピルゼン(トルコ)、サスキ・バスコニア(スペイン)、オリンピア・ミラノ(イタリア)など、6チーム中4チームがAライセンス保有クラブによって占められた。
 なお今大会初出場となるカルシュヤカ・バスケットとダルッサファカのトルコ2チームは、バルセロナやパナシナイコスと同組のグループC、そしてCSKAモスクワやマッカビ・テルアビブと同組のグループDにそれぞれ入っている。

<FIBA、欧州の主要クラブに新リーグ発足を提案>
 FIBA(国際バスケットボール連盟)はこの程、2000-01シーズンよりULEB(欧州バスケットボールリーグ連合)によって運営されているユーロリーグに代わる新リーグの発足を目指し本格的に動き始めたようだ。FIBAはすでに今シーズンのユーロリーグを制したレアル・マドリード(スペイン)、CSKAモスクワ(ロシア)やフェネルバフチェ(トルコ)など欧州の主要8クラブに対し新リーグの提案を正式に持ちかけたと言われている。
 まずFIBAは、わずか1600万ユーロ(約21億6000万円)足らずだった昨シーズンのユーロリーグ放映権料収入と、来シーズンに向け5500万ユーロ(約74億8000万円)で売却されたと言われるラグビーのチャンピオンズカップの放映権料の大きな差に着目し、現在のユーロリーグは大会の持つポテンシャルを最大限に活用しきれていないことを強く指摘している。事実、FIBAの新リーグでは、詳細は明らかになっていないものの各クラブの収入が現在のユーロリーグよりも50%アップすることを見込でいるという。
 またFIBAの新リーグに向けた改革は、大会のシステムにも及んでいる。FIBAは、レギュラーシーズンに参加するチーム数を現在の24から11へ、更に出場権が自動的に与えられるAライセンス保有クラブの数を11から8に縮小することを提案している。その場合、新たにAライセンスを与えられるのは、レアル・マドリード(スペイン)、バルセロナ(スペイン)、オリンピアコス(ギリシャ)、パナシナイコス(ギリシャ)、エフェス・ピルゼン(トルコ)、フェネルバフチェ(トルコ)、マッカビ・テルアビブ(イスラエル)、CSKAモスクワ(ロシア)の8クラブとなるようだ。
 FIBAは15-16シーズンからの新リーグ開始を目指し、ULEBと今年11月より本格的な交渉に入ると見られている一方、現在Aライセンスを保持する11クラブはあくまで統一の大会を希望しており、2000-01シーズンに起こったようなFIBAとULEBが別々の大会を主催する状況には断固として否定的な姿勢を示している。 

<FIBA主催からULEB主催へと変化をとげたユーロリーグ>
 欧州のクラブ王者を決める大会はFIBA主催のもと1958年よりスタートし、当初はヨーロッパチャンピオンズリーグ、1996年以降はユーロリーグと呼ばれるようになった。
 そんな中、バルセロナに本部を置くULEBが2000年にFIBAからの脱退を発表すると、その機に欧州のクラブを対象とした新リーグを発足。更にその大会名をユーロリーグと命名した。当然のごとくFIBAは同じ名前を使用されたことに対し法的措置を講じるものの、ユーロリーグの商標登録が行われていないという理由で訴えは却下され、逆にFIBAはそれまでのユーロリーグからスプロリーグへと大会名の変更を余儀なくされた。かくして2000-01シーズンの欧州には、FIBA主催のスプロリーグ、ULEB主催のユーロリーグと異なる2つの大会が開催される異常事態が発生した。
 とは言え、一刻も早い大会の統一化が必要であることで一致していた両団体はシーズンを通して交渉を重ね、最終的にULEBは欧州におけるクラブ単位の大会を運営、一方FIBAはユーロバスケなど国単位の大会を運営することで合意に至った。その結果、新名称でスタートしたFIBAのスプロリーグはわずか1シーズンで消滅し、00-01シーズンで同リーグに参戦していたパナシナイコス、マッカビ・テルアビブ、CSKAモスクワ、エフェス・ピルゼンなどは、レアル・マドリード、バルセロナ、オリンピアコスなどの所属するULEB主催のユーロリーグに編入される形となった。

夏季オリンピック:ブダペストが2024年の夏季オリンピックの開催地に立候補

 ハンガリーの国民議会は6日、同国の首都ブダペストが2024年の夏季オリンピックの開催地として立候補することを正式に承認した。これによりブダペストは、ローマ(イタリア)、ハンブルグ(ドイツ)、パリ(フランス)、ボストン(米国)に続き、同オリンピックの開催地として立候補した5番目の都市となった。
 このほか、アフリカからはカサブランカ(モロッコ)やナイロビ(ケニア)、アジアからはドーハ(カタール)やマニラ(フィリピン)、そしてヨーロッパからはバクー(アゼルバイジャン)、キエフ(ウクライナ)、イスタンブール(トルコ)などが立候補を検討していると言われている一方で、マドリード(スペイン)、釜山(韓国)、グアダラハラ(メキシコ)などは逆に立候補を取り消す決断を下している。
 立候補の申請は2016年9月15日に終了し、1次選考やIOC(国際オリンピック委員会)の各都市の視察などを経て、2017年9月15日にペルーのリマで開かれるIOC総会によって最終的に2024年の夏季オリンピック開催地が決定される。

<近年スポーツの発展に力を入れるハンガリー>
<2017年の世界水泳にむけて準備をすすめるブダペスト> アジアではカタールがハンドボールやサッカーなどで国際大会の招致に成功しているが、東ヨーロッパではハンガリーが近年国際大会の舞台となる機会が目立っている。
 2014年に男女水球の欧州選手権、そして女子ハンドの欧州選手権をクロアチアと共催した他、2015年にも女子バスケの欧州選手権をルーマニアと共催している。そして現在は2017年にハンガリーの首都ブタペストで開催される世界水泳選手権の準備をすすめており、試合会場となる施設の建設、そして世界最高峰の水泳大会を支障なく行うための都市開発にかかる費用は約1億4000万ドル(約171億円)にのぼるといわれている。

女子バレー:ワールドグランプリ、世界ランキングTOP3が6戦全勝

 女子バレーのワールドグランプリは、世界各地で予選ラウンドが続いている。世界ランク上位の12チームで構成されるグループ1では各4チームを3ブロックに分けた総当り戦が3週間に渡って行われ、2週目となった今回はプールDにブラジル(世界ランク2位)、ドイツ(同9位)、タイ(同12位)、ベルギー(同13位)、プールEに中国(同3位)、日本(同4位)、イタリア(同5位)、ドミニカ(同6位)、そしてプールFに米国(同1位)、ロシア(同7位)、セルビア(同8位)、トルコ(同11位)の組み合わせとなった。
 ブラジル、中国、米国の世界ランクトップ3がそれぞれ各プールで3連勝し、前週とあわせここまで負けなしの6連勝で首位に立っているほか、イタリアとロシアがここまで米国と中国に敗れ4勝2敗とし4と5位に付けている。
 予選ラウンド最後となる次回の3週目では、米国、中国、日本が同組に入っており、米国と中国の全勝同士対決に大きな注目が集まっている。なお決勝ラウンドへは予選ラウンドの上位6チームが進出する。

<第2週、地元での戦いも日本は1勝2敗>
<中国に1-3で敗れた日本> プールEに入った日本は、さいたま市記念総合体育館で中国、イタリア、ドミニカと対戦。初戦のイタリア戦をフルセットの末に落とすものの、次のドメニカ戦では各セットで6点差以上をつけストレートで勝利する。そして1勝1敗で迎えた中国戦、中国の高さや鋭いサーブに苦しめられ、何とか第2セットを取るものの、第3と第4セットを連取され1-3のスコアで世界ランク3位と4位の差を見せ付けられる形となった。第2週を1勝2敗で終えた日本は、ここまでの戦績を3勝3敗とし、ロシアに次ぐ6位につけている。最後となる第3週で日本は米国、中国、タイと同じ組に入り、試合は香港コロシアムで行われる予定となっている。

男子ハンド:バルセロナを退団したカラバティッチ、八百長容疑で罰金処分

 モンペリエ地方裁判所は10日、フランス1部リーグのモンペリエ所属時代の2011-12シーズンに八百長を行ったとしてフランス代表ニコラ・カラバティッチを含む8選手に対し、5000ユーロ(約68万円)から3万ユーロ(約410万円)の罰金を科す判決を下した。この判決に対し8選手はいずれも控訴する姿勢を示しているものの、仮に有罪が決定した場合にはLNH(フランスプロハンドボール協会)によって2年から4年の出場停止処分が下される可能性がある。
<モンペリエ時代のカラバティッチ> 2011-12シーズンの最終節、すでに国内リーグ優勝を決めていたモンペリエは残留争い真っ只中のセッソンと対戦し28-31で敗戦。この試合でモンペリエ側に八百長が行われた可能性が指摘されており、調べによるとカラバティッチは1500ユーロを試合前日に銀行口座から引き出し、同選手の恋人にブックメーカーを通して賭けさせた疑いがあるという。そしてこの不正賭博によって得た利益は関与した8人あわせて30万ユーロ(約4100万円)にのぼると見られている。なお、当時チームの中心選手だったカラバティッチだが、この試合に限ってはけがで出場していない。
 これまでプレーしたモンペリエ(フランス)、キール(ドイツ)、バルセロナ(スペイン)の3クラブすべてで欧州チャンピオンズリーグを制覇し、国際ハンドボール連盟が決める年間最優秀選手にも過去2度にわたって選ばれるなどこれまで輝かしい実績を残してきたカラバティッチだけに、今回の八百長事件の今後の展開しだいでは同選手のキャリアに取り返しのつかない傷を残す可能性が指摘されている。なおカラバティッチはすでに今シーズン限りでバルセロナ退団を発表しており、今月21日に新チームとなるPSG(フランス)のプレシーズンに合流する予定となっている。