ヨーロッパニュース一覧

2015-11-18

「パリの同時テロ」「バスケット」「ラグビー」 「ハンドボール」「バレーボール」「女子サッカー」

パリの同時テロを受け、フランス国内で週末のスポーツイベントが中止に

europe293_01 13日の夜にパリ市内で発生し、120人以上の死者を出した同時テロ事件はスポーツ界にも大きな衝撃を与えた。
 フランスのオランド大統領は、14日、15日、16日の3日間、全国民が喪に服すことを決め、フランススポーツ省は週末の14日と15日に国内で予定されていた全てのスポーツイベントを中止とすると発表した。中止になった主なスポーツは、ラグビー、サッカー、バスケット、バレーボールのプロリーグ、カップ戦の全試合、テコンドーのパリ国際大会、フィギュアスケートのフランス杯、競馬など。
 また、週末に世界各地で行われたスポーツイベントでも、パリのテロでの犠牲者を追悼するための黙祷やフランス国旗の掲揚が行われた。

バスケット:ユーロリーグ第5節、ロシア勢3チームがいずれも敗れる

(C) Euroleague Official Site  ユーロリーグ・レギュラーシーズンは、12日と13日に第5節が行われた。ここまで3グループで首位に立っていた好調のロシア勢だが、今節では一転、3チームすべてが敗れた。
 グループA首位のヒムキ(ロシア)はイスタンブールで2位のフェネルバフチェと対戦。11700人の地元サポーターの声援を受けたフェネルバフチェの前に83-88で敗れた。一方、昨シーズンのヨーロッパ王者レアル・マドリード(スペイン)はストラスブール(フランス)に86-93で敗れ、早くも3敗目を喫し。一方、ここまでグループCで全勝だったロコモティフ・クバン(ロシア)はアウエーでFCバルセロナに挑んだが68-72で競り負け、開幕からの連勝は4でストップした。また、全勝対決となったグループDでも、ウニカハ・マラガ(スペイン)が86-78でCSKAモスクワを下してグループ首位に立つとともに、唯一の5連勝チームとなった。

バスケット:ユーロリーグ、FIBAの欧州チャンピオンズリーグ創設案を拒否

 ユーロリーグ事務局は10日、FIBA(国際バスケットボール連盟)がユーロリーグに替わる新大会として提案していた欧州チャンピオンズリーグへの参加を正式に拒否することを発表した。

 この日、ユーロリーグの中でも高い発言権を持つライセンスAを所有する11クラブによる理事会が行われ、ユーロリーグが国際スポーツエージェントIMGと10年契約を結ぶことを全会一致で承認した。FIBAは先日、チャンピオンズリーグに参加するクラブに対して、現行のユーロリーグを上回る年間3000万ユーロ(約40億円)の収入を保証する新大会FIBAチャンピオンズリーグの創設を提案していたが、IMGはこの額を上回る10年間で3億700万ユーロ(約500億円)をクラブに還元することを確約している。
 さらにこの理事会では、ユーロリーグを来季から16チームで行うという新たな大会フォーマットもあわせて決議された。新たなユーロリーグに参加する16チームのうち11チームはライセンスA所有クラブ(エフェス・ピルセン、フェネルバフチェ=トルコ、CSKAモスクワ=ロシア、EA7=イタリア、バルセロナ、レアル・マドリード、ラボラル・クチャ=スペイン、マッカビ=イスラエル、オリンピアコス、パナシナイコス=ギリシャ、ザルギリス=リトアニア)で固定され、その他、リーグ優勝の3チーム、ユーロカップ優勝の1チーム、予選ラウンドを勝ち抜いた1チームが加わる。チーム数が現行の24から16チームに減ることによりライセンスA所有クラブの特権が今まで以上に強まると同時に、それ以外のクラブが同大会に出場するのは狭き門になる。
 ユーロリーグはFIBAに対し、このプロジェクトへの参加を歓迎するとの意を表明したものの、ユーロリーグの運営権の部分的譲渡は一切行わないことも明言した。
 当然ながらFIBAはユーロリーグ側からの参加提案を受けるつもりはなく、引き続き独自の大会主催の道を探っていくことになる。
 欧州クラブ大会における主導権争いはまたしてもFIBAの敗退に終わりそうだ。

ラグビー:ヨーロッパ・チャンピオンズカップ開幕、フランス開催の4試合が中止

(C)European Rugby Champions Cup Official site 昨シーズンからハイネケンカップに替わる欧州クラブ王者を決める新大会として発足したヨーロッパ・チャンピオンズカップが13日に開幕した。ワールドカップ英国大会が行われたため、例年よりも遅い開幕となった。
 13日に発生したパリのテロ襲撃事件の影響により、フランス国内で開催される予定だったオヨナ(フランス)対アルスター(アイルランド)、ラシン92(フランス)対グラスゴー(スコットランド)、ボルドー(フランス)対クレモン(フランス)、トゥーロン(フランス)対バース(イングランド)の4試合がいずれも順延となり、残る6試合が行われた。

 プール1ではサラセンズ(イングランド)がとトゥールーズ(フランス)を32-7で下し、プール2ではオスプリーズ(ウェールズ)がエクセター(イングランド)に25-13で勝利した。また、プール3に入ったイングランド・プレミアシップ王者のノーザンプトン(イングランド)はスカーレッツ(ウェールズ)に15-11で勝ち、初戦を勝利で飾った。一方、プール4ではレスター(イングランド)とスタッド・フランス(フランス)が対戦。人気クラブ同士の対戦に注目が集まったが、4トライを挙げたレスターが33-20でスタッド・フランスを退け、4トライ以上挙げたチームに与えられるボーナスポイントも獲得した。プール4のもう1試合はプロ12勢同士の対戦となったが、マンスター(アイルランド)がトレビソ(イタリア)に32-7で快勝している。プール5は1試合のみが行われ、ワスプス(イングランド)がレンスター(アイルランド)に33-6の大差をつけて勝利した。

ハンドボール:男子欧州チャンピオンズリーグ第6節、バルサがバルダールを下して首位奪還

(C) EHF Champions Legue Official site  男子の欧州チャンピオンズリーグはグループラウンド第6節が行われた。注目の一戦となったグループBのFCバルセロナ(スペイン)対バルダール(マケドニア)の首位攻防戦は、チュニジア代表ジャロウズが12ゴールを決める活躍を見せたバルセロナが31-30でバルダールを振り切り、勝ち点を11に伸ばすとともに、グループ首位を奪還した。しかし、折り返しとなる次戦でバルダールはホームで再びバルセロナと対戦する機会がある。バルセロナが連勝するのか、それともバルダールがリベンジを果たすのか、次節も好ゲームが期待される。
 一方、グループAでは、前週にベスプレーム(ハンガリー)を破って波に乗るPSG(フランス)が今節もアウエーでTHWキール(ドイツ)に30-26で勝ち、破竹の開幕6連勝とした。この試合で4ゴールを決めたPSGのハンセンはグル―プラウンドの総得点を58に伸ばし、得点ランキングのトップに立っている。今季、初のCLファイナル4入り、さらには悲願の欧州制覇を狙うPSGはオフに大幅な戦力アップを図ったが、ニコラ・カラバティッチ、アバロ、ナルシス、オメイヤ―らフランス代表選手に加え、デンマーク代表のハンセン、ジェンセン、アイスランド代表のグンナーソン、ウクライナ代表のオヌフリエンコといった豪華メンバーを揃えた布陣で、ここまで敵なしの無敗を維持している。果たしてこの先、PSGの連勝を止めるチームは出てくるだろうか。

ハンドボール:女子チャンピンズリーグ、ロストフ・ドンが5連勝

 女子チャンピオンズリーグはグループラウンドの第5節が行われ、グループAでロシアのロストフ・ドンがラルビク(ノルウェー)を競り合いの末26-25で下し、開幕からの連勝を5に伸ばした。昨季の準優勝チームながら主力選手の多くを負傷で欠くラルビクは、今節もわずか11人のベンチ入りメンバーで臨む苦しい戦いとなった。だが、ノルウェー代表の若手ブリストールが13ゴールを決める活躍を見せ、敗れはしたがロストフ・ドンを追い詰めた。開幕から無敗を続けるロストフ・ドンは、前節のバイア・マレ(ルーマニア)戦(27-26)に続く僅差での勝利をものにし、残す最終節でグループラウンド全勝を目指す。一方、グループBではレール=カーゴ・ハンガリー、グループCでもジェールが勝利し、ハンガリーの2チームがそれぞれグループ首位に立っている。グループDでは、昨季の王者ブドゥチスト(モンテネグロ)がIKサベホフ(スウェーデン)を25-18で下し、4勝1分でロスト・ドンと共に無敗を維持している。

バレーボール:男子ロシアリーグ、ディナモ・カザンがディナモ・モスクワとの頂上対決を制す

(C) CEV Official Site 15日に行われた男子バレーのロシア・スーパーリーグで、昨シーズンのチャンピオンズリーグ覇者ディナモ・カザンとCEVカップ覇者のディナモ・モスクワの頂上対決が行われ、ディナモ・カザンがタイブレークの末、ディナモ・モスクワを下した。ディナモ・カザンのエースでキューバ代表のウィルフィルド・レオンとディナモ・モスクワのエースでイタリア代表のイバン・ザイツェフが激しく打ち合ったこの試合、第1セットを31-33、第2セットを21-25で続けて落としたディナモ・カザンは、ここから反撃を開始。第3セットを25-17、第4セットも25-16で取り返すと、最終セットは16-14で逃げ切り、2時間半の接戦にピリオドを打った。

バレーボール:フランス代表のスターが車で3人をはね、クラブが出場停止処分

 欧州選手権、ワールドリーグを制覇した男子フランス代表の中心選手でイタリア・セリエAのモデナに所属しているアーヴァン・ヌガペットが今月6日の未明、自身の運転する車で3人をひく事故を起こしていたことがわかった。イタリアのメディアは、負傷した3人のうち2人は軽傷だが、残る1人は重傷を負ったと伝えている。事故後、ヌガペットは自ら地元警察に出頭し罪を認めたが、これを受けてモデナは、同選手を一時的な出場停止処分にすることを発表した。

女子サッカー:UEFA女子チャンピンズリーグ・ベスト16、ヴォルフススブルク、リヨンが先勝

 UEFA女子チャンピオンズリーグのベスト16ラウンドが始まり、欧州各地でファーストレグが行われた。ベスト16ラウンドの中でも注目の一戦となったチェルシー(イングランド)対ヴォルフスブルク(ドイツ)の初戦は、アウエーのヴォルフスブルクが2-1で勝利を挙げ、第2戦に向けて弾みをつけた。また、優勝候補のフランス王者リヨン(フランス)もアウエーでアトレティコ・マドリーを3-1で下した。しかし、昨シーズン準優勝のPSG(フランス)はスウェーデンのエレブルーと1―1で引き分け、ベスト8入りは第2戦の結果に委ねられることになった。一方、今季から大儀見優季が加入したディフェンディングチャンピオンのフランクフルト(ドイツ)はノルウェーのLSKに0-2で貫録勝ちを収めた。この試合で大儀見はベンチ入りしたものの出場機会はなかった。