Woman Athletes Project一覧

2022-4-5

コーチングの視点を変えるライフスキルプログラム

開催報告
 
 Woman Athletes Project(以下、WAP)では、2月28日(月)、3月7日(月)、3月14日(月)、3月28日(月)の4日間、指導者を対象にした「コーチングの視点を変えるライフスキルプログラム」をオンラインにてトライアル実施いたしました。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科の東海林祐子先生ご協力のもと、研修会0期生として6名(5リーグ6チーム)の方にご参加いただきました。
 チームに応じたライフスキルプログラムの作成、コーチングスキルの習得、そして、ライフスキルプログラムの実践とフィードバックを通し、選手・チームの人間的な成長とパフォーマンスの向上を目指すことを目的としており、ライフスキルに関する講義をはじめ競技を越えた交流も見られ、貴重な時間となりました。
 
 
【DAY1】2月28日(月)
 当機構より事務局長の田口が挨拶、講師の東海林先生から、今回の研修会のゴール、進め方をご説明いただき、研修会がスタートしました。
 まず、事前課題であったアイデンティティポートフォリオを使用し、自分を表現する20の言葉の中から、特に自分を表している言葉を5つ選び、それぞれが占めている割合を発表。自分のアイデンティティがどのように構成されているのかを認識した上で、「研修会後どのような自分になりたいか」を確認する場となりました。
講義では「なぜ、コーチはもやもやするのか?」をテーマにお話いただいた後、2グループに分かれ、普段のコーチングの中で感じる「もやもや」を共有しました。指導者として抱える「もやもや」に共感する場面や、参加者同士で自身の体験談を伝え合う場面も見られました。
 最後に、今回の研修会の感想をチャットに投稿いただき、1日目は終了。研修会終了後も、残れる方で積極的な意見交換が行われていました。
 

JTL
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【DAY2】3月7日(月)
 2日目は、1日目に確認した「もやもや」を客観的に把握するべく、ゲーム理論の囚人のジレンマモデルを援用した「当事者意識のなさを生み出す選手間のジレンマ」についてご講義いただきました。また、「もやもや」を解決するためのライフスキルプログラムの事例の紹介として、バスケットボール女子アンダーカテゴリー日本代表専任コーチとしてご活躍されている藪内夏美様をゲストにお招きし、現在のご自身のコーチング法に至るまでの経緯、バスケットボール女子日本代表アシスタントコーチ時代に感じたトム・ホーバスヘッドコーチと選手の関係性、日立ハイテククーガーズヘッドコーチ時代に実践した取り組みについてお話いただきました。参加者の皆様から藪内様に、ご紹介いただいた取り組みに対しての質問や、各チームで取り組んでいるコーチングに関して相談をする時間も設けられました。
 再び講義に戻り、「スポーツの価値」について、参加者の皆様のご意見をチャットで投稿していただいた後、東海林先生から「スポーツ価値意識の四類型」を用いてご説明いただきました。
 講義後も参加者同士で意見交換が行われ、選手へのアプローチに関する悩みを相談する場面も見られました。最後に、チェックアウトとして感想をチャットに投稿いただき、2日目は終了いたしました。
 

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【DAY3】3月14日(月)
 3日目はゲストとして、元サッカー女子日本代表で現在はWEリーグ広報・プロモーション部所属、佐賀県みやき町のスポーツ政策ディレクターとしてもご活躍されている海堀あゆみさんにお越しいただき、一緒に研修会にご参加いただきました。
 研修会は、事前課題となっていたコーチングの仮説を設定する上で「壁になっている要因」を参加者の皆様から発表からスタートしました。そして2グループに分かれ、よりチームの課題を深掘りし、チームでどのように対応していくべきか議論する時間も設けられました。
 講義では、「信頼と安心」についてご説明いただき、月経を例に、選手とコミュニケーションをとる重要性をお話いただきました。参加者の皆様からも、各チームにおける選手のコンディション管理方法や現場へのフィードバックについて共有いただきました。
 続いて、選手を対象に実施したライフスキルアンケート結果について解説いただきました。自チームの結果を全体、各競技、年度別の数値と比較して、今後各チームでどのスキルに着目するか、その場合どのような指導プログラムが必要になるか、冒頭のグループワークで話し合われたことも踏まえながら議論し、3日目の講義は終了いたしました。講義後も、「心の見える化」について、参加者同士で意見交換が行われていました。
 

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【DAY4】3月28日(月)
 最終回は、参加者の皆様によるプレゼン発表会となりました。各チーム・競技で抱える課題をライフスキルの視点から振り返り、それに対して実践した(していく)プログラムを紹介、プログラムを導入した結果や効果、考察、今後について発表いただきました。質疑応答の時間では参加者同士で議論をする場面も見られ、時間が足りないようでもありました。また、ゲストとしてお越しいただいた藪内夏美さん、NHK制作ディレクターの磯田美菜さんにもご講評いただきました。
 プレゼン終了後、まとめとして「内側の世界と外側の世界」についてご講義いただき、当機構事務局長田口より挨拶があり、研修会は終了となりました。
 

JTL
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 4日間を通して、参加者同士で意見交換をする等、競技を越えた交流が多く見られました。今回の研修内容を指導の場に持ち帰っていただき、各チームで活かされることを願っております。
 最後になりますが、本研修会にご参加いただいた指導者の皆様、講師、ゲストの皆様に心より感謝申し上げます。