コーチング研修会(トライアル)
開催報告
3月7日(月)、3月21日(月)、4月4日(月)、4月18日(月)の4日間、当機構加盟リーグに所属するチームの指導者を対象に「コーチング研修会」をオンラインにてトライアル実施いたしました。本研修会は、アメリカンフットボールのプロコーチとして、⽇本選⼿権(ライスボウル)で5度の優勝を経験、第3回ワールドカップ⽇本代表コーチにも選出され、現在は組織人事コンサルタント、ファシリテーターとしてご活躍されているコーチ道の松場俊夫様ご協力のもと、研修会0期生として7名(5リーグ7チーム)の方にご参加いただきました。研修会と事後課題を繰り返し、競技力だけでなく、人間力も獲得できるような選手を育成するコーチングの獲得、他競技/他チームのコーチとの関係性を醸成する貴重な時間となりました。
【体験会】3月7日(月)
まず、当機構より事務局長の田口が挨拶し、講師の松場様から、研修会のゴール、進め方についてご説明いただきました。
最初の導入で、ティーチングとコーチングのちがいや、選手の習熟度による使い分けについてご講義いただきました。その後、コーチングの考え方についてご説明いただき、1つ目のペアワークに移りました。まず、話し手Aが抱えている悩みを、聞き手Bに伝えます。次に、先ほどAから聞いた悩みを、Bが当事者となったつもりでAに伝えます。そして、Bの悩みを受けて、AがBにアドバイスをします。この一連の流れを通して、「その人が必要としていることはその人の中にある」というコーチングの哲学を体験いただきました。
再び講義に戻り、コーチング技術である「質問」についてご説明があった後、2つ目のペアワークに移りました。ここでは、「GROWモデル」に沿ったコーチングの実践が行われました。
最後に、事後課題のご説明があり、1日目は終了いたしました。次回までの2週間の間に、GROWモデルを5回以上やってみること、気づきや学び、失敗談をSlackで投稿いただくことになっています。
【DAY1】3月21日(月)
はじめに、前回の事後課題の感想を共有し、経験学習サイクル、組織の成功循環モデルについてご講義いただきました。その後のペアワークでは、関係性の可視化として、両手を使って選手との距離感や向き合い方を再現しました。その中で、自分がかけている「メガネ」についてお話いただき、誰しも相手に対してバイアスがあること、自分のメガネ(選手へのアプローチの仕方)を変えることの重要性をご説明いただきました。
再び講義に戻り、コーチングの技術である「承認」と「傾聴」についてご説明いただいた後、ペアワークとしてヒーローインタビューを行いました。テーマは「いままで一番頑張った“あの体験”」であり、選手時代の経験をお話いただくなど、参加者の皆様同士でもお互いを知るきっかけとなったようです。
最後に、事後課題の説明があり、2日目は終了。各チームにて1日1回承認の実施と、コーチングとティーチングをどのように使い分けるか、2グループに分かれて議論いただくことになっています。
【DAY2】4月4日(月)
前回同様に、事後課題を実践した感想の共有から研修会がスタートしました。講義では、コーチング技術の「観察」についてご説明があり、セブンイレブンのロゴを書いてみるという課題を通して、「人は見ているだけでは物事を正確に把握できない」ことを参加者の皆様に体感いただきました。その後、氷山モデルについてご説明いただき、表面上に見えているものだけでなく、見えないもの(気持ち、思い)を含めて観察する重要性を学びました。
それを踏まえて、4人組のグループワークでは、話し合う人、観察する人に分かれ、最近の関心ごと、子供の頃の遊びをテーマに「観る」エクササイズを実践しました。
そして、事後課題として、「コーチ(指導者)としての軸や哲学」をテーマにGROWモデルを実践するペアが発表され、研修会は終了しました。研修会後、参加者同士で講義で学んだことを実践した感想やうまくいかなかった点について意見交換をする場面も見られました。
【DAY3】4月18日(月)
事後課題の感想を共有し、早速講義に入りました。今回のテーマは、4つ目のコーチング技術である「フィードバック」でした。「アドバイス」との違いを認識し、使い分けるために、フィードバックの効果や伝え方、注意点についてご説明いただきました。また、前回ご講義いただいた「観察」を利用して、相手の目線や身振り、手振りから客観的事実を伝えるフィードバックができるということも解説いただきました。
その後、質疑応答と休憩を挟み、コーチングの総合演習に移りました。コーチ、クライアント、オブザーバーに分かれ、これまで学んできた「質問」、「傾聴」、「承認」、「観察」、「フィードバック」の実践演習をする時間となりました。お互いのコーチングを観察することで、刺激をし合っている様子でした。
最後にまとめとして松場様から一言いただき、当機構事務局長の田口より挨拶、研修会は終了となりました。
4日間を通して、アウトプットをする時間が多く設けられ、参加者の皆様の間でも交流が深まったようでした。お互いの試合を観に行きたい、自分の競技外の方と話す機会がほしいといった声も伺えました。
今回の研修内容を指導の場に持ち帰っていただき、各チームで活かされることを願っております。最後になりますが、本研修会にご参加いただいた指導者の皆様、講師の松場様に心より感謝申し上げます。