2007-6-20

平成18年度 日本トップリーグ連携機構新人研修

2007/06/20

 日本トップリーグ連携機構では、去る3月24日(土)〜25日(日)国立スポーツ科学センターにおいて、平成18年度新たにトップレベル競技者の一員となった新人選手に対して、将来の日本代表として世界選手権やオリンピックでの活躍に繋げるための研修会を開催した。

 研修会は各リーグ所属の新人(平成18年度加入)64名が参加。世界選手権やオリンピックなどの海外競技会で必要となる競技者としての心構え、マナー、及びドーピングに関する知識、加えてコミュニケーションスキル向上を目的としたグループワークや懇親会を開催し、競技種目を超えた選手間のネットワークが促進された。


<研修プログラム>

    研修項目/講師
第1日
3/24(土)
13:00  開講式
開会挨拶/市原則之(日本トップリーグ連携機構専務理事)
13:30 トップレベル競技者の心構え(1)

坂田信久(国士舘大・元日本テレビプロデューサー・元東京ヴェルディ1969社長)

14:30 海外遠征時のコンディショニング
鈴木 岳(R-body project代表・team aiko専属トレーナー・JISS非常勤トレーナー・早稲田大学非常勤講師)
15:30 コミュニケーションスキル実習
勝田 隆(仙台大・JOC情報医科学専門委員会委員・日本ラグビーフットボール協会強化委員長)
17:30 懇親パーティ・マナー実習
片上千恵(スポーツメディアトレーナー・筑波大学トップアスリートセカンドキャリア支援プロジェクト研究員)
19:00 解散後移動(各宿泊施設へ)
第2日
3/25(日)
09:00 トップレベル競技者の心構え(2)
川合レオ(玉川学園体育スポーツ科学センター研究員・元ラグビー日本代表・元NECグリーンロケッツ)
10:00 ドーピングコントロールの実際
浅川 伸(日本アンチ・ドーピング機構事務局次長)
11:00 トップレベル競技者の危機管理
佐野慎輔(産経新聞社・運動部長)
13:00 メディア対応、話し方/片上千恵
14:00 ファン・サポーター対応/片上千恵
14:50 閉講式


<各講師のプロフィールと講演概要>

坂田 信久 〔トップレベル競技者の心構え(1)〕

講師プロフィール

1941年、富山県生まれ。東京教育大学卒。

現在、国士舘大学体育学部教授、

大学院スポーツシステム研究科主任。

中学校でサッカーを始め、高校では「全国高校サッカー

選手権大会」、「国体」に3年間出場。大学では関東大学1部

リーグ戦出場。日本テレビ社員時代にも読売サッカークラブ

選手として活躍。

日本テレビ放送網(株)スポーツ局次長、⑭日本テレビフットボールクラブ(東京ヴェルディ1969)代表取締役社長等を歴任。その他Jリーグ理事、参与、マッチコミッショナー委員長、各大学の非常勤講師等、多数の経歴を持つ。


講演概要

チームオーナーや報道する側の立場から、選手に求める行動や態度。どのような選手をチームに獲得したいか。特に、スポーツ選手の社会的地位向上に役立つ「社会貢献活動」等について。

鈴木 岳 〔勝つために必要なコンディショニング 〜トレーナーの視点から〜〕

講師プロフィール

1971年、東京生まれ。

ワシントン州立大学スポーツ医学部卒業。

現在、トップアスリートレベルのサービスを受けられる総合的な

コンディショニング施設「R-body project」(恵比寿)代表取締役。

JISS非常勤トレーナー。

筑波大学大学院にてアスリートのコンディショニングに関する

研究をするかたわら、全日本スキー連盟フリースタイル
(モーグル)チーム専属トレーナーとして、ソルトレイク五輪での里谷多英、上村愛子の活躍に貢献する。全米公認アスレティックトレーナー(ATC)。


講演概要


コンディショニングトレーナーの立場から、特に海外遠征のときに気をつけなくてはならないコンディション調整に関すること等について。

勝田 隆 〔コミュニケーションスキル実習〕

講師プロフィール

現在、仙台大学教授。

日本オリンピック委員会・情報医科学専門委員会委員、

情報戦略部会長、JOC GOLD PLAN委員会プロジェクト委員、

ドーハアジア競技大会日本選手団本部役員、アテネオリンピック日本選手団本部員、ほか。

日本ラグビーフットボール協会競技力向上委員長、日本体育協会公認指導者研修会講師、

国立スポーツ科学センター情報部プロジェクト委員、

文部科学省競技者育成プログラム普及促進連絡会議副委員長。


講演概要


団体競技のナショナルチーム結成時などに必要となるコミュニケーションの重要性や、海外遠征時にメンタルヘルスを維持するためのコミュニケーションの必要性等について。実習方法で。

片上 千恵 〔懇親パーティー・マナー実習/メディア・トレーニング〕

講師プロフィール

筑波大学大学院体育研究科修士課程修了。

現在、メディアスポーツトレーナー。筑波大学トップアスリート・セカンドキャリア支援プロジェクト研究員。

NHK松山放送局でのキャスター業務を経て、現在はサッカーJリーグクラブを中心に、バレーボール、ラグビー、卓球など様々な競技において、選手や指導者を対象としたメディア・トレーニングを行っている。


講演概要


海外遠征時はもちろん国内でも必須となる、社会人として必要なマナーについて。種目間交流の実践も目的とする。

ネガティブ報道に繋がらないための、メディアに対する接し方。クラブやチーム、ひいては自分にとってポジティブな影響を及ぼすインタビューへの受け答え。

クラブやチームの、メディア以外のステークホルダーに対する接し方。特にファンやサポーターに対する接し方を、サイン会での対応など具体的に役立つ知識について。

川合 レオ 〔トップレベル競技者の心構え(2)〕

講師プロフィール

東京都出身。筑波大学大学院体育研究科修士過程修了。

現在、玉川学園体育スポーツ科学センター研究員。

玉川学園中学部からラグビーを始め、玉川学園高等部、

大学を経て、NECグリーンロケッツに所属。元日本代表。

現在は玉川大学、高校のラグビー指導に携わる。


講演概要


現役時代の経験から、練習や試合への取り組み方、自分なりに考えた代表選手に選ばれた理由。現役引退した経験から、現役引退を迎える計画・心構え、現役中に培った能力で引退後に役立つ能力等について。

浅川 伸 〔ドーピング・コントロールの実際〕

講師プロフィール

筑波大学大学院体育研究科修士過程修了。

現在、日本ドーピング機構事務局次長。

筑波大学体育専門学群卒業後、

一般企業で営業職を務めた後、2003年より現職。


講演概要


今後コントロールの対象となりうるトップレベル選手に対し、「ルールを知らなかった」ことに起因する違反を防ぐための知識、(特に外国で)コントロール対象となった場合にすべき行動、なぜドーピングコントロールが必要なのか、等について。

佐野 慎輔 〔トップレベル競技者の危機管理〕


講師プロフィール


1954年、富山県生まれ。早稲田大学卒。現在、産経新聞運動部部長、編集局次長兼任、論説委員兼任。

経験した競技種目は陸上。産経新聞運動部次長、シドニー支局長、外信部次長を経て2003年2月から現職。野球殿堂競技者表彰委員、日本オリンピックアカデミー会員、日本スポーツ産業学会会員。共著に「20世紀特派員」など。


講演概要


主にトップレベル選手になったことによる「リスク」について。どのような行動がネガティブな報道に繋がるのか、事例を挙げた紹介等。ネガティブな報道の対象となった場合にどのような影響があるのかについても考える。