2008-8-26

日本トップリーグ連携機構 平成20年度 審判研修会 開催報告

2008/08/26

  日本トップリーグ連携機構(JTL)は8月23、24日の二日間、ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)にて、平成20年度審判研修会を開催いたしました。

 この日集まったのは、JTL所属8競技の国際審判及び国際審判を目指している審判、合計41名。

 まずは、パネルディスカッション「国際大会に参加して」と題し、国際大会参加審判による対談を行いました。

 お話しいただいたのは、ハンドボールより浜田浩和氏、アイスホッケーより中山美幸氏のご両人。山本浩氏(NHK)の司会のもと、お話を聞かせて頂きました。国際審判員に必要とされる能力や国内試合と国際試合の相違点、選手や協会(連盟)などとのコミュニケーションの取り方やフィールド図を用いた解説、さらには審判としての哲学、姿勢、求められるものなどについてお話しいただき、参加者の皆様もその経験談を聞き洩らさないようメモを取りながら、非常に内容の濃いものとなりました。

 続いて、体育館へと場所を移し、山岸昂司氏(日本サッカー協会レフェリーフィジカルトレーナー)による「サッカーSpecial Referee 体力トレーニングの実技体験」を実施。国際審判に必要とされるフィジカル、体力の部分でのトレーニング法について、実技体験をふまえながら90分間みっちりと汗を流しました。

 その後、この研修会のメインイベントともいえる「グループワーク」を行いました。今年度は“審判員のメンタルコンディショニング”と題し、試合前から試合中、さらには日常生活などにおいて行っているメンタル面でのコンディショニング(方法)について、各競技1〜2名ずつで構成された各グループにて、活発なディスカッションを行いました。

 この日の主な研修はこれまででしたが、引き続き、夕食・情報交換会を兼ねた懇親会を行いました。この中においても、ジャパンタイムズの春山昭彦氏ならびにMarc Davies氏をはじめとする外国人記者の方にお越しいただき、海外でのパーティーマナーについてご指導いただきました。参加者の皆様の積極的なコミュニケーション・情報交換もあったため、終了予定時刻を大きく延長しましたが、その分、盛大に初日を終えることができました。

 続いて、8月24日、研修会2日目。この日も昨日の疲れも見せることなく、朝早くから研修がスタートしました。まずは、橋本信雄氏(日本バスケットボール協会)、春山昭彦氏、Marc Davies氏(ともにジャパンタイムズ)の3名による、パネルディスカッション「国際審判に求められる語学力」を実施、貴重なお話を頂戴いたしました。


 世界の各地域によっても、表現方法が少しずつ異なっている点や、特にトピックスとなったのは、日本人が外国人とコミュニケーションを行う際についついやってしまう小さな仕草や言葉の使い方など、意外と気づかずかつ重要なポイントを、実際にパネリストの皆様の身振り手振りを加えながら、丁寧に詳しくご教授いただきました。国際審判を目指す方々にとっては、これまで国際舞台の第一線で活躍されてきた方々のお話を聞かせて頂く事は、今後への目標、課題発掘に向けた一つになったのではないでしょうか。

 10時からは、場所を体育館に移し、審判実技実地研修を行いました。昨年度に引き続き、今年度も「フットサル」を指定競技とし、松崎康弘氏(FIFAフットサル審判インストラクター)、延本泰一氏(FIFAフットサル国際審判員)のご両人よりご指導いただきました。普段は、異なる種目の審判を行っている参加者の方々がフットサルのジャッジメントを行うことにより、新たな視点や発見があったのではないでしょうか。また、実地研修のため、各グループ対抗によるフットサル大会を実施。普段、審判としての辛い立場を理解しているだけに、プレイヤーとしてフェアプレー?の精神で試合に臨んでいました。

 昼食・休憩をはさみ、午後からの研修は「動体視力測定・動体視力向上トレーニング」。真下一策氏(スポーツビジョン研究所)、オリンパスビジュアルコミュニケーション株式会社協力のもと、動体視力とは何か?というトピックから、実際に計測機を用いて審判の皆様に動体視力測定をおこなって頂きました。

 この動体視力測定研修は、毎回若手研修会などでも好評を博しており、当連携機構大好評企画となっております。今回も、ご自身の動体視力を測定することで今後のジャッジメント活動に活かして頂ければと考えます。

 最後に、昨日のグループワークの報告ならびに発表を各グループのリーダーより行って頂き、今研修会のまとめとさせていただきました。

 毎年、約40名近い審判の方々にご参加いただくことで、多競技間における審判ネットワークの輪も順次拡大を続けております。今回の北京オリンピック女子バスケットボール決勝では日本人が審判を務め、研修会実施中も話題となりました。今後も国際審判として様々なフィールドで活躍できるよう、諸活動を続けてまいります。


平成20年度 日本トップリーグ連携機構 審判研修会 開催要項

目 的: 日本トップリーグ連携機構各9リーグの国際的な活躍を目指す審判が一堂に会し、その資質向上と各競技の枠を超えた審判の交流を図るため、標記研修会を開催する。
日 程: 平成20年8月23日(土)〜24日(日) 1泊2日
場 所: ナショナルトレーニングセンター
主 催: 日本トップリーグ連携機構
後 援: 文部科学省

財団法人日本体育協会

財団法人日本オリンピック委員会

参加者: 各リーグから推薦を受けた審判各5名(注:最終参加者41名)
講師
JTL 役員
JTL 事業推進委員会
日本スポーツ振興センター
JTL 事務局
※その他、日本トップリーグ連携機構が参加を認めたもの