2009-12-1

「スポーツの価値とはなにか」

2009/12/01

専修大学社会体育研究所公開シンポジウム2009〜学生と考える、スポーツの未来像〜

主旨
 昨年、我々は「オリンピックがもたらすレガシー(遺産)」について考える機会をもつことができた。経済効果、インフラ整備、国内スポーツの強化・発展、そして環境問題が話題にあがった。期待された2016年の夏季オリンピックの東京への招致は、実現することはできなかったが、スポーツを柱としたオリンピック後の東京の未来を想像することができたことは、招致活動が我々にもたらしたレガシーの一つかもしれない。
 2016年のオリンピックの招致に参加した各国は言う。「オリンピックは子どもに夢を与え、未来を明るくするものだ」と。その理念に共鳴するように2016年の招致に参加したリオデジャネイロ、マドリッド、シカゴにおける招致への国民支持率はそれぞれ84.5%、84.9%、67.3%と高いものであった。しかし、日本における国民の支持率は55.5%に留まった。東京の招致計画は、他の立候補都市と比較しても決して劣っていた訳ではないという。なぜ、日本の支持率は上がらなかったのだろうか。理由の一つとして、他国と日本における「スポーツの価値」の考え方に差があるのではないだろうか。それを裏付けるように多くの国では、スポーツのための法的・予算的基盤が既に整備されている。
 現在、日本スポーツ界は大きな転換期を迎えつつある。2000年のスポーツ振興基本計画(文部科学省)からはじまり、これまでに国内スポーツの強化拠点(国立スポーツ科学センターやナショナルトレーニングセンター)の整備、強化・育成・普及のための各種プログラム作成・実施、エリートアスリート育成・トップコーチ養成のためのアカデミー事業の開始。さらに、スポーツ振興のための法的基盤となる「新スポーツ基本法」の検討が始まっている。
 日本では、2019年ラグビーワールドカップ開催が決定した。さらに、2018年、2022年サッカーワールドカップ招致への立候補、2020年の夏季オリンピック招致への立候補に関する検討が始まった。そこで本シンポジウムでは、国内スポーツの動向を踏まえ2016年のオリンピックの招致活動について再考するとともに、これからの日本におけるスポーツの価値について他大学との連携の下で学生と一緒に考えていくことを目的とする。

シンポジスト・パネリスト
 ・河野一郎氏(東京オリンピック招致委員会事務総長/JOC常任理事)
 ・馳 浩氏 (衆議院議員/元文部科学副大臣)
 ・専修大学学生およびOB・OG

日時
平成20年12月16日(水) 4、5限内(15:00-17:30)

場所
専修大学生田校舎10号館 10301教室
http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/campus_info/ikuta_campus/index.html

セミナープログラム

15:00-15:20 オープニング

●オープニングムービーの上映 担当:齋藤実

●挨拶

 1)長島博(専修大学社会体育研究所所長)

 2)シンポジウム主旨紹介(吉田清司社会体育研究所事務局長/総合司会)

15:25-16:05

(40min)

基調講演:「オリンピックの招致のレガシー(遺産)とは」

演者:河野一郎(東京オリンピック招致委員会総長/JOC常任理事)

 ・オリンピックの招致活動は我々に何を残したのか

 ・オリンピック招致からみたスポーツの価値とは

 ・スポーツが我々の未来に与えるもの他

16:15-17:35

(80min)

パネルディスカッション:「スポーツの価値を考える。学生と考える。」

●オープニングムービー(5min)

パネリスト:

 ・ 河野一郎(東京オリンピック招致委員会事務総長/JOC常任理事)

 ・ 馳 浩(衆議院議員/元文部科学副大臣/専修大学OB)

 ・ 専修大学学生

 ・ 専修大学OB・OG

 ・ <司会>久木留毅(専修大学文学部/JOC情報戦略部会長)

●馳氏よりプレゼンテーション(10min)

 ・ 「外交」としてのスポーツの価値

 ・ 「国益」としてのスポーツの価値

 ・ 「教育」としてのスポーツの価値

●久木留氏司会、河野氏、馳氏によるフリーディスカッション(20min)

●学生を交えた質疑応答形式のディスカッション(質疑は3〜4題)(30min)

 ・ 学生からの質疑に対して河野氏、馳氏を交えたディスカッション

 ・ 学生に期待すること、大学に期待すること

●質疑、意見(フロアから)(15min)

参加費

無料

お問い合わせ

専修大学社会体育研究所
TEL:044-911-1032

E-mail:sports@isc.senshu-u.ac.jp