2010-1-8

東京ヴェルディバレーボールチーム、初のホームゲーム開催

2010/01/08


 ヴェルディバレーボールチームの部長である田中育郎氏と代表である濱口選手が初のホームゲーム開催に向けてインタビュー形式で抱負を語ります。


田中育郎氏
(東京ヴェルディ1969フットボールクラブ株式会社 営業本部 広告部部長兼バレーボールチーム担当)

 東京ヴェルディにはサッカーだけでなくバレーボールチームがあるのですね。
 東京ヴェルディはサッカー界に於いては日本初のプロを目指すクラブチームとして、創立当初から育成とスポーツ文化の振興・確立を命題に幅広く活動を行ってきました。現在はJリーグ所属のトップチームを頂点としてユースチーム(高校生)、ジュニア・ユースチーム(中学生)、ジュニアチーム(小学生)、スクール(幼稚園〜小学6年生)まで全てのカテゴリーでチームを編成し、この一貫したシステムで世界に通じる選手の育成を目指すというスタイルをとっています。女子もベレーザとその下部組織のメニーナが国内屈指の強豪として多くの日本代表選手を育てています。その東京ヴェルディが総合スポーツクラブ化の一環として東京都教員チームを母体として2001年に結成したのが東京ヴェルディバレーボールチームです。サッカーとは切り離して独立採算で運営されており、選手達は全員が仕事を持ちながら競技を続けているアマチュアです。協議を続ける傍ら東京ヴェルディのホームタウン活動の一環としてサッカーの普及部門同様に都内各地域でバレーボール教室を行なっています。V・チャレンジリーグの所属しており、当然V・プレミアリーグ入りを目指していますが、それより先に身の丈にあった運営体制を整えることが大事だと考えています。またヴェルディには2003年からは東京ヴェルディ・トライアスロンチームも活動を開始しており稲城市内でのスクール活動や国内外の大会で好成績を修めています。

今回、東京ヴェルディバレーボールチームのとっては初めてのホームゲーム開催とのことですが?
 V・リーグでは「ホームゲーム」という制度があってVリーグ機構に一定の金額を払って開催権の譲渡、つまり興行の権利を買うことが可能です。そして譲渡を受けたチームは興行で出た利益を得ることが出来ます。サッカー界ではホーム、アウェイと明確に決まっておりホームゲームでいかに利益を出すかという考えがあたりまえのことですが、バレーボール界は必ずしもそうなってはいません。V・プレミアでは複数のチームがこの制度を活用していますが、V・チャレンジでは「つくばユナイテッド」が実施しているくらいです。今回、ヴェルディでは利益をそのままバレーボールチームの活動費にする予定です。このホームゲームにたくさんのヴェルディサポーター集まり体育館を緑色に染め、たくさんのバレーボールファンが足を運んでくださり、その結果、利益が出れば成功と言えます。そして日本の全てのアマチュアスポーツの企業チームが続々と廃部になっていく現状に対して「こうすれば生き残れるんだ。」という成功例を示すことが出来れば、一石を投じることが出来ればと考えています。

 立川はヴェルディのホームタウンということですが?
 東京ヴェルディは立川という街にとても応援して頂いています。しかしサッカーではどのカテゴリーの試合も開催することが出来ずにいます。今回V・チャレンジリーグの開催地に泉体育館が候補として挙げられていたのでチャンスだと思いホームゲーム開催を決断しました。このホームゲームによりたくさんのヴェルディサポーター、バレーボールファンが立川に足を運んでくださることで街が活気づくことが我々の願いです。

濱口代表(東京ヴェルディバレーボールチーム代表兼選手)

 今年から濱口選手はチームの代表も務められております。この一年相当なご苦労が有ると思いますが?
 我々は普段は一般企業人として別々の仕事を持っており、それぞれが仕事を終えてから毎日練習に集まっています。それを苦労だと思ったことは有りませんしバレーボールが好きで競技を続けたいというメンバーが集まっています。私は仕事では営業マンですが平行してチームでは選手としてプレーするだけでなく代表としてチームのマネージメントもしています。仕事を持ちながらもトップカテゴリーで競技を続けること、それが出来る環境を作っていくことに意味があると思っています。

 一番ご苦労されたことは?
 スポンサー集めです。メンバーがそれぞれの仕事や人脈を活かして複数の企業からご協賛を頂いています。メンバーが自ら営業する事で、我々のチャレンジ精神や活動の意義を理解して頂くことが出来ていると思っています。

 今年はNECから濱口選手の大学の後輩でもある中西選手を迎えましたが。
 中西選手は昨シーズンで廃部になったNECから移籍してきました。元々ヴェルディには企業チームに所属していて契約更新を出来なかったり、今回のNECのような廃部を経験した選手が多く集まって来ています。そういった選手が再びチャレンジする場としてヴェルディのようなクラブチームが存在する意味が有ると思っています。私自身も富士フイルムの廃部を経験していますが、ヴェルディで再び勝負することが出来る、この状況に感謝しています。中西選手もおそらく同じ気持ちだと思います。

 チームの雰囲気はいかがですか?
 昨年チャレンジマッチ(V・プレミアリーグとの入替戦)に出場が出来なかった悔しさをバネにこの一年練習に取り組んできました。チーム全体が活気に満ち溢れています。

 濱口さんからバレーボールファンの皆様に向けて一言お願いします。
 ヴェルディのホームタウンである立川でホームゲームを開催出来ることを本当に嬉しく思います。このホームゲームで日本のバレーボール界だけでなく日本のスポーツ界全体に何かメッセージが伝わればと思っています。個人的には今年で36歳になりますが、プレーヤーとしてもチームの代表者としても悔いが残らないシーズンにしたいと思っています。その先には当然V・プレミアリーグ昇格を果たしたいと思っています!!皆さん、応援宜しくお願いします。