2010-10-1

専修大学社会体育研究所公開シンポジウム2010 [スポーツレガシーシリーズ Vol.3] ワールドカップサッカー南アフリカ大会は日本に何を遺したか

2010/10/01

主旨
 サッカーワールドカップに臨む日本代表チームは、国民からは明らかに期待をされていなかった。南アフリカという日本からの遠隔地であること、その南アフリカの治安への不安という否定的条件はあったとは言え、ワールドカップ前の各大会や強化試合での結果が大きな要因となって、国民の興味は薄れつつある中、日本代表はワールドカップに向かった。
 しかし、第一戦を終えて、国民の期待は大きく変化する。カメルーン戦に勝利したころからメディアからサッカーの話題
が途切れなくなり、オランダでの善戦によって注目度は最大に達し、デンマーク戦の大勝後には国内全体がワールドカップに熱狂することとなった。テレビの視聴率は跳ね上がり、ブルーのユニフォームを着た若者が街に溢れた。日本代表チームの帰国では、数千名のサポーターが空港に押し寄せた。このことは、“スポーツの力”を改めて認識する事例となったのは間違いない。
 南アフリカで行われた大規模国際競技大会は、今回の大会で2回目である。最初の大会は1995年に開催されたラグビーのワールドカップであった。南アフリカではその前年に黒人初の大統領であるネルソン・マンデラ氏が誕生しており、ラグビーのワールドカップの開催と優勝は、永く続いたアパルトヘイトから脱却し、白人と黒人の和解と団結を示す象徴的な国際的なセレモニーとなり得た。本年のサッカーワールドカップのレガシーとして、人種差別を克服した南アフリカの隆盛の後押しや、国際的視点からみたアフリカ大陸のこれからの発展が期待されていたことは言うまでもない。
 それでは、日本において本大会はどのようなレガシーを残したのだろうか。国民の熱狂は、これからの日本においてどのような意味を持つのだろうか。国際的視点から、日本はどのように評価されることになったのだろうか。現在、昨年9月に発足した「2022年FIFAワールドカップ日本招致委員会」によって、サッカーワールドカップの日本招致活動が行われている現状もある。そこで本シンポジウムでは、サッカーワールドカップ南アフリカ大会とその後に焦点をあて、スポーツのもたらすレガシーについて考えていく。(トータルコーディネーター;飯田義明経済学部教授)

日時
2010年10月20日(水) 16:35〜18:05(延長あり)

会場
専修大学生田校舎 10号館10301教室
住所:〒214-8580 神奈川県川崎市多摩区東三田2-1-1

専修大学生田キャンパス:
http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/campus_info/ikuta_campus/index.html
●小田急線向ヶ丘遊園駅北口よりバスで約10分

生田キャンパス施設案内:
http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/campus_info/ikuta_campus/ikuta_camap.html

内容

16:35〜16:45
(10min)
オープニング
 ・オープニングムービー(4min)
 ・挨拶:佐藤雅幸(専修大学社会体育研究所所長)
16:45〜17:00
(15min)
「W杯開催地、南アフリカ共和国の現状と開催の背景〜スポーツ社会学の視点から〜」
 ・解説:飯田義明(社会体育研究所・経済学部教授)
17:00〜18:30
(90min)
「 ワールドカップサッカー南アフリカ大会は日本に何を遺したか」
 ・コーディネーター:内山俊哉氏
 
・パネリスト:中西哲生氏、後藤健生氏、宇都宮徹壱氏
 
>サッカーワールドカップの国際的価値
 
>開発途上国と先進国におけるワールドカップのレガシー
 
>ワールドカップは日本にどのようなレガシーを残したのか
 
>他
18:30〜 セレモニー&クロージング
 ・挨拶

講師
 ・中西哲生(なかにしてつお)氏:スポーツジャーナリスト
 ・宇都宮徹壱(うつのみやてついち)氏:写真家・ノンフィクションライター
 ・後藤健生(ごとうたけお)氏:サッカージャーナリスト
 ・内山俊哉(うちやまとしや)氏:NHKチーフアナウンサー

参加費
無料

お問い合わせ
専修大学社会体育研究所
Tel:044-911-1032

e-mail:sports@isc.senshu-u.ac.jp