トップリーグ連携機構 平成23年度 審判研修会
2011/08/25
日本トップリーグ連携機構(JTL)は、8月20日(土)、21日(日)の1泊2日、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)にて、平成23年度審判研修会を開催いたしました。
今回で5回目となる審判研修会には、JTLに所属する9競技11リーグから推薦を受けた国際審判員や国際審判員を目指す審判が、競技の枠を超えた審判の交流及び研鑽をすることを目的に研修会に参加しました。全国から40名の審判員が集い、2日間の研修を行ないました。
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開会式では、元ラグビー国際審判員で、現在、JTL副専務理事の真下昇が挨拶をした後、グループ実習形式の内容が行なわれました。
まずは、国際審判員にとても重要なコミュニケーションに関する内容が展開されました。コミュニケーション実習では、各グループに、“ペーパータワー”という指示書と封筒が配布され、できるだけ高い自立型のタワーを完成させよという指示と、いくつかのルールが記されていました。各グループには、異なる道具が配布されましたが、参加者はそのルールを読み込み、審判員全員でひとつのタワーを完成させました。その成果物は、齋藤実講師(専修大学経営学部准教授)が想定していた以上のものが出来上がり、大いに盛り上がりました。ペーパータワーワークの後、そのグループや個人の振り返りを行ない、グループ内でディスカッションをしました。その後、レフェリーにとって重要な資質について意見交換をし、各グループで1つずつ「審判とは〜である、〜べきである」といったフレーズを発表しあい、審判7か条を完成させました。
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次に、フォーシーズインターナショナルの近藤洋子講師らによるメディアトレーニングの実習が展開されました。基礎編と応用編の順に、ワークと対応のポイントを交えた講習内容でした。基礎編では、メディア対応、メディア対応への準備についてお話があり、マス・コミュニケーションの影響力、メディアを通じて視聴者にメッセージを送ることの大切さを学習しました。質問に対する回答は、「結論ファースト」が重要で、主張したいポイントを先に述べ、その後、理由やストーリー性をもって話すことによって、説得力が増し、記憶にも残るメッセージを残すことができるそうです。応用編では、回答しづらい質問に対する対応について考え、実際にビデオカメラを用いた囲み取材を想定した状況設定のもと実習を行ないました。
1日目の講習終了後は、ナショナルトレーニングセンターのアスリートビレッジに移動し、情報交換会が開催されました。日本ラグビーフットボール協会審判委員会の岸川剛之委員長が司会をつとめ、オブザーバーとして参加された日本バスケットボール協会の宮武康介氏が挨拶し、その後、夕食をとりながら活発な情報交換が行なわれました。
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2日目は、前日のアセスメントを簡単に行なった後、共用体育館で“正しい歩き方・走り方”の実技研修が行なわれました。国際試合やリーグ等で活躍する審判員には、体力が求められる競技も少なくありません。NPO法人ニッポンランナーズの斉藤太郎講師ら4名の講師陣が見本を見せたり、ビデオカメラで撮影した動作を見せたりしながら、理論と実践を学びました。研修では、走り方だけではなく、肩甲骨や背骨、股関節など大きな関節と体全体の動かし方を理論的に学び、実技をしながら正しい歩き方・走り方を身につけていきました。ラダーを使った実習前後の動きをビデオ撮影してみても、違いが見られ、参加者からは、「足が速くなった気がする」といった声が聞こえてきました。
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研修の最後は、なでしこジャパンが優勝したFIFA女子ワールドカップドイツ大会にて審判員をつとめた深野悦子国際女子レフェリーを招き講演していただきました。深野氏は、以前の本研修会の参加者でもあり、ご自身の取り組みや経験を交えながらお話されました。日本サッカー協会の審判制度や研修、その管理システム、FIFAをトップとするピラミッド型の育成の仕組みについても、ご紹介がありました。実際のゲーム映像を用いた審判の研修事例やトレーニングプログラムなど、具体的な研修内容を共有し、他競技の審判特性や審判の取り組みを知る機会となりました。
審判研修の全体終了後、2日間司会をつとめた日本ハンドボールリーグ機構GMでJTL事業推進委員の家永昌樹が閉会の挨拶をした後、参加者全員で写真撮影をして、2日間の研修を終えました。
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●スケジュール
8月20日(土)
時 間 | 内 容 |
13:00-13:15 | 集合・オリエンテーション |
13:15-13:25 | 主催者挨拶 真下 昇 日本トップリーグ連携機構副専務理事 |
13:30-15:55 | コミュニケーション実習 齋藤 実 専修大学経営学部准教授 |
16:00-18:00 | メディアトレーニング 近藤 洋子・神服 佐知子 フォーシーズインターナショナル |
18:30-20:00 | 夕食・情報交換会 司会 岸川 剛之 日本ラグビーフットボール協会 審判委員会委員長 |
8月21日(日)
時 間 | 内 容 |
8:50-9:00 | 集合・前日のアセスメント |
9:00-12:00 | 実技研修〜正しい歩き方・走り方〜 斉藤 太郎 NPO法人ニッポンランナーズ |
12:00-13:00 | 昼 食 |
13:00-15:00 | 基調講演 深野 悦子 日本サッカー協会 国際女子レフェリー |
15:00-15:10 | 閉会挨拶 |
15:10 | 写真撮影後開催 19:00〜ラグビーワールドカップ壮行試合観戦 |
●平成23年度 日本トップリーグ連携機構 審判研修会 開催要項
目 的 | 日本トップリーグ連携機構各9競技11リーグの国際的な活躍を目指す審判が一堂に会し、その資質向上と各競技の枠を超えた審判の交流を図るため、標記研修会を開催する。 |
日 程 | 平成23年8月20日(土)〜21日(日)1泊2日 |
場 所 | 味の素ナショナルトレーニングセンター |
主 催 | 一般社団法人 日本トップリーグ連携機構 独立行政法人 日本スポーツ振興センター スポーツ振興基金助成事業 |
参加者 | 各リーグから推薦を受けた審判、講師、JTL 役員、JTL 事業推進委員会、JTL 事務局 ※その他、日本トップリーグ連携機構が参加を認めたもの |