2012-8-10

平成24年度日本トップリーグ連携機構 GM研修会開催報告

2012/08/10

 日本トップリーグ連携機構では、8月3日(金)〜5日(日)の3日間、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)においてGM研修会を開催いたしました。

 この研修会は、企業スポーツ及びクラブ型スポーツチームの活性化に重要な役割を果たす各リーグのGM(ゼネラルマネジャー)、マネジメント担当者、各リーグ運営者などを対象にしたもので、今回は当機構が平成20年度から4ヵ年にわたり行ってきた、マネジメント強化のためのコンサルティング・研究事業を具体的方策として各チームにフィードバックすることを目的に行われたものです。全国各地から集まった参加者は3日間に渡り講義やグループワーク、情報交換や交流を通じて課題を共有し解決策を研究・討議しました。

日本トップリーグ連携機構副専務理事 真下昇



◆1日目

 開講式が行われ、事務局によるオリエンテーション、当機構の副専務理事 真下昇のご挨拶の後、14時より、マネジメント演習がスタートしました。今回は、クラブチームコース(クラブ型)と企業チームコース(企業型)に分かれ、それぞれの研修講師から事例やレクチャーが行われます。クラブ型では岡山湯郷BELLEの黒田和則GMの事例発表(ファシリテーター:慶応義塾大学大学院 佐野毅彦 准教授)、企業型では財団法人日本ラグビーフットボール協会の稲垣純一事業委員長による「リーグ運営と企業スポーツ」のレクチャー(ファシリテーター:株式会社セレスポ 村田久満 顧問)が行われました。岡山県美作町助役からGMとなり女子サッカーチームを率いる黒田氏の体験談やアドバイス、サントリーサンゴリアス設立から20年以上に渡りチームを率いた稲垣氏のレクチャーには「多くのヒントをもらった」との声が上がっていました。

岡山湯郷BELLE 黒田和則GM
財団法人日本ラグビーフットボール協会 稲垣純一事業委員長、
株式会社セレスポ 村田久満 顧問

 16時からは、社団法人日本アメリカンフットボール協会の金氏眞 専務理事による基調講演(ファシリテーター:筑波大学大学院 高橋義雄 准教授)があり、 クラブ型・企業型が再び一同に会しました。そして、初日終了後は、アスリートヴィレッジ小研修室にて夕食懇親会が催され、活発な意見交換と交流が行われました。

社団法人日本アメリカンフットボール協会 金氏眞 専務理事


懇親会
左から、ノースアジア大学総合研究センター客員教授 本山 茂樹氏
清水第八プレアデス副代表 猪浦玲子氏
日本トップリーグ連携機構常務理事 安達宣郎
懇親会


◆2日目

 午前は、マネジメント演習その2として、クラブ型では、岡山シーガルズ企画部の岡野實氏による事例発表(ファシリテーター:高橋義雄 准教授)、企業型では、コカ・コーラ ウエスト レッドスパークス ホッケー部の田村洋二GMより「企業スポーツ運営と社会貢献」のレクチャー(ファシリテーター:福山大学経済学部 相原正道 准教授)が行われました。双方に共通する問題点の一つに、チームのPR方法(チームの何をどのように誰にPRするか、マイナーな競技にどのように目を向けさせるか、地域メディアやソーシャルメディアの使い方など)があり、出席者から各チームのケーススタディも含め、積極的な意見交換がなされました。

岡山シーガルズ企画部 岡野實氏
コカ・コーラ ウエスト レッドスパークス ホッケー部 田村洋二GM

 午後は、クラブ型では、琉球コラソンの水野裕矢GM、及び、NPO法人スフィーダ世田谷の稲田能彦 代表の事例発表(ファシリテーター:Office Stategic Service株式会社 半田裕氏/オフィスOSANAI 小山内孝之代表)、企業型では、野村総合研究所 経営コンサルティング部主任コンサルタント 坂口剛氏より「企業のスポーツチーム運営戦略」のレクチャー(ファシリテーター:佐野毅彦 准教授)が行われた後、3時間にわたり、高橋義雄 准教授による「SWOT分析と中期経営計画」のワークショップが行われました。まず、資料をもとに説明があり、出席者は3つのチームに分かれて、プロジェクトメンバーのサポートの受けながら、各々、チームの状況を分析、中期経営計画を作成するという作業に取り組みました。クラブ型、企業型、双方の出席者にとって、様々な視点から自らのチーム経営を見つめ直し、何が問題なのか、何を強みにするべきなのか、といった重要なポイントを再認識する良いきっかけとなりました。

琉球コラソン 水野裕矢GM
NPO法人スフィーダ世田谷 稲田能彦 代表


野村総合研究所 経営コンサルティング部主任コンサルタント 坂口剛氏


ワークショップ
ワークショップ


ワークショップ
ワークショップ


◆3日目

 最終日の午前は、マネジメント演習4として、
ゼビオ株式会社事業開発部門兼経営企画室/クロススポーツマーケティング株式会社取締役の磯貝元希氏による「企業とスポーツの将来展望」のレクチャー(ファシリテーター:Office Stategic Service株式会社 半田裕氏)が行われました。
ゼビオ株式会社のスポーツとの関わりの話から、スポーツビジネスの発展について多岐にわたり、お話を頂きました。講演後の質疑応答では、今秋にオープン予定の「ゼビオアリーナ仙台」に関する質問が多数出ており、企業とスポーツの新たな関わりに、出席者の皆さんは大いに興味を持たれたようです。

ゼビオ株式会社事業開発部門兼経営企画室/クロススポーツマーケティング株式会社取締役 磯貝元希氏

 昼食後は、2日目に行われた「ワークショップ(中期経営計画)」の発表が行われました。発表されたのは、クラブ型(スペランツァFC大阪高槻、FC高梁吉備国際大学、デイトリックつくば、エバラヴィッキーズ、山梨クィーンビーズ、新潟アルビレックスBBラビッツ、琉球コラソン、デウソン神戸、V・ファーレン長崎、AC長野パルセイロ、ブラウブリッツ秋田)と企業型(リコーブラックラムズ、王子イーグルス、天理大学ベアーズ、立命館大学、富士通フロンティアーズ)の16クラブです。

研修会の総括として、ノースアジア大学総合研究センター客員教授 本山 茂樹氏より挨拶を頂き、解散となりました。今回の研修での体験を各チームに持ち帰って頂き、今後のクラブ運営や地域、企業との関わりに生かされることを祈念しております。

山梨クィーンビーズバスケットボールクラブGM 炭田久美子氏
スペランツァFC大阪高槻 実行委員 吉村友寿氏


発表を聴く参加者
ノースアジア大学総合研究センター客員教授 本山 茂樹氏


参加者集合写真



 なお、本講習会にご参加いただきました、参加者の皆様、講師及びご支援いただいた、公益財団法人 大崎企業スポーツ事業研究助成財団様に心より感謝申し上げます。