「女子サッカー」「男子ハンド」 「女子バレー」「男子バスケ」
●女子サッカー:選手からの批判を受けスペイン代表のケレダ監督が解任間近か
女子サッカー・カナダW杯での早期敗退を機にスペイン代表の23選手が訴え続けてきた改善要求を前に、同国サッカー協会はついにイグナシオ・ケレダ監督の解任に踏み切ることとになりそうだ。
初出場とは言え、ダークホースになり得る存在として大会前から注目を集めていたスペインだが、結果は2敗1分と1勝もできないまま早々と大会から姿を消した。グループリーグ敗退が決まった翌日、チームで主将を務めるベロ・ボケーテは選手の代表として、今後のスペイン女子サッカー発展のためにも代表を取り巻く環境の改善、そして何よりもこれまで27年間に渡って代表を率いてきたケレダ監督の更迭を要求する手紙をメディアを通して同国サッカー協会に提出した。
男子サッカーのデルボスケ代表監督などはメディアを利用したやり方に苦言を呈したものの、その一方で過去に代表経験のある選手たちはケレダ監督の手抜きでずさんな仕事振り、そして選手への非人道的とも言える接し方をメディアに暴露するなど、渦中にいる23人の選手たちをできる限り擁護してきた。
次回のサッカー協会の定期総会は7月15日に行われることになっており、そこでケレダ監督の今後の去就が議論されると見られている。仮に現在65歳のケレダ監督の更迭が決まった場合、新指揮官には現在女子U19を率い、昨年の欧州選手権でチームを準優勝に導いた34歳のホルヘ・ビルダ監督、または現在アーセナル・レディーズ(イングランド)を指揮するペドロ・マルティネス・ロサ監督など、若い年代の指揮官が有力視されている。
ボケーテはまた、協会に提出した手紙の中でW杯に向けた直前の準備段階で他国と大きな差があったことも指摘しており、ケレダ監督の解任だけでなく、強化プランの抜本的な改革の必要性も説いている。事実、W杯前に予定されていた米国ツアーが急きょ中止となったことを始め、日本などが1週間前から現地で調整をする一方、スペインは初戦のわずか4日前に現地入りするなどサポート体制は理想的とは言いがたい状態だった。
●女子サッカー:UEFA、欧州最優秀選手賞の候補を発表
UEFA(欧州サッカー連盟)は15日、欧州のクラブに所属する選手が対象となる欧州最優秀選手賞の2014-15シーズン最終候補を発表した。
リストには、今シーズンのチャンピオンズリーグでタイトルを獲得したフランクフルトに所属し、同大会で最多14ゴールを記録したサシッチを筆頭にドイツ代表メンバーから5人が選出されている。
同賞の最終結果は、8月28日にモナコで男子サッカーのチャンピオンズリーグ・グループリーグ組み合わせ抽選会と合わせて発表される。
最終候補に残った12人は以下の通り。
セリア・サシッチ (ドイツ代表FW フランクフルト/ドイツ)
アレクサンドラ・ポップ (ドイツ代表FW ヴォルクスブルグ/ドイツ)
アニア・ミタッグ (ドイツ代表FW ローゼンゴード/スウェーデン、今シーズンよりPSG/フランス)
ジェニファー・マロジャン(ドイツ代表MF フランクフルト/ドイツ)
シモーネ・ラウダー (ドイツ代表MF フランクフルト/ドイツ)
アマンディーヌ・アンリ (フランス代表MF リヨン/フランス)
ウジェニー・ル・ソメ (フランス代表MF リヨン/フランス)
ワンディ・ルナール (フランス代表DF リヨン/フランス)
ベーロ・ボケテ (スペイン代表MF フランクフルト/ドイツ、今シーズンよりバイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
ラモナ・バッハマン (スイス代表FW ローゼンガード/スウェーデン)
キャロライン・シーガー (スウェーデン代表MF PSG/フランス)
●男子ハンド:セルダルシッチがPSGの監督へ就任 カラバティッチと再会か
フランスのPSGは14日、バルセロナのニコラ・カラバティッチと4シーズンの契約を交わしたことを正式に発表した。今月始めに150万ユーロ(約2億円)の違約金をバルセロナに支払い退団の意思を明らかにしていたカラバティッチは、今月21日に休暇を終え新チームのプレシーズンに合流する予定となっている。昨シーズンにバルセロナで国内リーグやチャンピオンズリーグを含む7冠を達成した現在31歳のカラバティッチは、過去にモンペリエ(フランス)とTHWキール(ドイツ)でプレーしており、モンペリエでは02-03シーズン、THWキールでは06-07シーズンにそれぞれCL優勝を果たすなど、異なる3クラブで同大会を制した経歴を持っている。
またPSGは今月始めにボスニア・ヘルツェゴビナ出身のズボニミール・セルダルシッチ監督の就任を一足先に発表しており、カラバティッチにとってはTHWキール時代に指導を受けた同監督と7年振りの再会を果たすこととなる。なおPSGは、今夏の移籍市場でカラバティッチの弟ルカ・カラバティッチも獲得している。
先日、モンペリエ所属時代の2011-12シーズンに八百長行為があったとしてフランスの地方裁判所より1万ユーロ(約134万円)の罰金処分を受けていたカラバティッチだが、本人はあくまで無実を主張しており、同様に有罪判決を受けている他7選手と同じく控訴する姿勢を示している。
なおバルセロナは、カラバティッチの穴を埋めるべく、THWキールで主将を務めるチェコ代表の33歳、フィリップ・イシャの獲得に動いていると言われている。
●女子バレー:ワールドグランプリ、日本は6位で決勝ラウンドへ進出
女子バレーのワールドグランプリは予選ラウンドの最終節が行われ、世界ランク上位12チームで構成されるグループ1では、9戦全勝のブラジルと中国、8勝1敗の米国、そしてその後に続くイタリア(5勝4敗)、ロシア(5勝4敗)、日本(4勝5敗)の6ヶ国が決勝ラウンドに駒を進めた。
毎回異なる4チームを3ブロックに分けた総当り戦で3週間に渡って行われるグループ1では、ここまで全勝を続ける米国と中国が初めて同組となったプールHの戦いに注目が集まった。中国と米国は、同組となった日本とタイにそれぞれ連勝し、お互いに8戦全勝として予選ラウンド最後の試合で激突。フルセットまでもつれ込んだ試合は、中国が3-2で米国を押し切り予選ラウンドを9戦全勝で締めくくった。
その他、同じく全勝で最終節を迎えたブラジルは、プールGで同組となったロシア、イタリア、ベルギーを寄せ付けぬ強さを見せ、3試合ともストレート勝ちで中国と同じく9戦全勝で予選ラウンドを終えた。
上位6ヶ国が進んだ決勝ラウンドは7月22日から26日にかけて米国のネブラスカ州にあるクエスト・センター・オマハで行われる。
●男子バスケ:今夏、ユーロリーグから2選手が中国リーグへ
近年移籍市場が開くたびに積極的な補強を続ける中国のCBAリーグには、現在エリック・マコールンやボビー・ブラウンなどヨーロッパでプレーした経験を持つ選手が多数在籍しているが、今夏もすでに2選手が中国に活躍の場を移している。
1人目はマッカビ・エレクトラ(イスラエル)の29歳米国人ガード、ジェレミー・パルゴ。2013年にフィラデルフィア・セブンティシクサーズからCSKAモスクワ(ロシア)に移籍し、3年振りにヨーロッパの舞台に立つと、翌シーズンには2010-11シーズンにもプレーしたマッカビ・エレクトラ(イスラエル)に復帰し、ユーロリーグでベスト8入りを果たした。そしてパルゴは、今夏の移籍市場でCBAリーグの浙江ライオンズへの移籍を果たしている。
2人目は、フェネルバフチェ(トルコ)の米国人ガード、アンドリュー・ゴーデロック。NBADLのロサンゼルス・ディーフェンダーズや短期間ながらNBAのレイカーズを経て2013年にUNICSカザン(ロシア)と契約。昨シーズンにフェネルバフチェに移籍すると主力としてユーロリーグのファイナル4進出に貢献した。そして26歳のゴーデロックは、180万ドル(約2億2300万円)の移籍金で来シーズンからはCBAリーグの新疆フライングタイガースでプレーすることとなる。
ヨーロッパのユーロリーグや米国のNBAから外国人選手を獲得しているCBAリーグだが、このほど始めてNBAへの逆輸入現象が起こった。昨シーズンに広東サザンタイガースでプレーした19歳のエマニュエル・ムディエイは、米国で高校を卒業すると大学への進学はせず、CBAリーグでの武者修行を選択。その結果、ムディエイは今オフにNBAのデンバー・ナゲッツと契約するに至り、CBAリーグからNBAドラフトで指名を受けた初の外国人選手となった。