ヨーロッパニュース一覧

2014-9-24

「男子バレーボール:世界選手権」「男子バスケットボール」 「女子バスケットボール」「男子ハンドボール:2020年の欧州選手権」 「男子・女子ホッケー:アジア競技大会」など

男子バレーボール:世界選手権、ブラジルの4連覇を阻止した地元ポーランドが2度目のタイトル獲得

<2度目のタイトルと共に、念願の地元優勝をなしとげたポーランド> ポーランドで開催されている男子バレーボール世界選手権は21日、カトヴィツェで決勝が行われ、地元ポーランドがブラジルを3-1で下し、1974年の8回大会に続き2度目のタイトルを手にすると共に、1966年大会のチェコスロバキアに続いて3ヶ国目となる地元優勝を達成した。

 1次ラウンドから決勝までの12試合をいずれも11勝1敗の成績で勝ち上がった両チームは、12528人の大観衆で満員に膨れあがり、熱気に包まれたスポデック・ホールのコートで最後の戦い挑んだ。

 4連覇を狙うブラジルを相手に第1セットを18-25で落とし、苦しい展開を強いられたポーランドだが、会場に詰めかけたたくさんのサポーター、そしてスタジアムの外で試合を見つめる15000人以上のファンから送られる声援を受け反撃を開始する。この試合で合計22ポイントを奪う活躍をみせたマテウシュ・ミカを中心に第2セットを25-22、第3セットを25-23で連取し逆転に成功したポーランドは、第4セットも25-22で競り勝ち、ブラジルにストレート負けを喫した2006年の日本大会決勝のリベンジを見事に果たした。一方ブラジルは、ソビエト連邦に敗れた1982年のアルゼンチン大会に続き2度目の準優勝となった。なお、MVPにはポーランドのマリウシュ・ブラズウィーが選ばれ、賞金3万ドル(約330万円)を手にしている。

<2014年の男子バレーボール世界選手権の最終ランキング>

1.ポーランド

2.ブラジル

3.ドイツ

4.フランス

5.ロシア

6.イラン

<イランが大健闘、米国やイタリアなどの強豪国に競り勝ち6位入賞>

<米国やイタリアを下し、6位入賞をはたしたイラン> これまでイタリアやスペインなど数々の代表チームを率いた経験を持つフリオ・ベラスコ氏を監督に招聘するなど、近年積極的なレベルアップに取り組むイランは、その確かな成長振りを世界に示し続けている。20年振りの出場となった2011年のワールドカップでセルビアやポーランドに勝利し9位に入ると、2013年のワールドグランドチャンピオンズカップ(グラチャン)と今年のワールドリーグでいずれも4位に入るなど継続的に好成績を残してきた。そして、フリオ・ベラスコ監督の後任となるセルビア出身のスロボダン・コバチ新監督に率いられて出場した今回の世界選手権でも、世界の強豪国と互角以上の戦いを演じ、そのポテンシャルの高さをあらためて示すことに成功した。

 1次ラウンドでプールDに入ったイランは、初戦でいきなりイタリアを3-1で下すと、次の米国も3-2で勝利し、4勝1敗の2位で1次ラウンドを通過すると、その勢いのまま2次ラウンドでも3位に入り、ついに上位6チームが2グループに分かれて戦う3次ラウンドへと駒を進めた。後日コバチ監督が振り返ったように、連戦による疲れからかパフォーマンスの低下が見られ始めたイランは、惜しくも3次ラウンドでフランスとドイツに連敗し、最終ラウンドへの進出はかなわなかった。その後の順位決定戦でも2012年ロンドン・オリンピックの覇者ロシアにストレート負けを喫し、最終順位は6位となったものの、その実力を存分に発揮し同大会を大いに盛り上げる存在となった。

男子バスケットボール:バルセロナが中国と台湾でプレシーズンマッチ

<バルセロナは、アジアでプレシーズンマッチを2試合行う予定となっている> 米国が2連覇を達成した男子バスケットボールの世界選手権が9月14日に幕を下ろしたばかりだが、欧州のクラブは10月から始まる新シーズンに向けて急ピッチで準備を始めている。

 南米でユーロ・アメリカカップに出場しているレアル・マドリード(スペイン)や、欧州でNBAのサン・アントニオ・スパーズとプレシーズンマッチを行うフェネルバフチェ(トルコ)に対し、アジアに目をむけているバルセロナ(スペイン)は、10月7日に中国で浙江ライオンズ、その4日後の11日に台北で台湾のSBL(スーパーバスケットボールリーグ)のオールスターとそれぞれプレシーズンマッチを行う予定となっている。また、昨シーズンにユーロリーグ王者となったマッカビ・エレクトラ(イスラエル)は、9月26日と28日にブラジルのリオデジャネイロでアメリカリーグの覇者フラメンゴ(ブラジル)とインターナショナル・カップを戦った後、米国でNBAのブルックリン・ネッツとクリーブランド・キャバリアーズとのプレシーズンマッチが組まれている。

女子バスケットボール:財政難によりアルバ・ユリアがユーロリーグの出場を辞退

 不況の波は依然として欧州の広い地域に引き続き暗い影を落とし続けており、スポーツの種類をとわず、多くのクラブが今も厳しい経営状況に置かれている。そんな中、ルーマニアの女子バスケットボールクラブ、CSUアルバ・ユリアは、深刻な財政難を理由に11月5日からスタートする女子バスケットボールの欧州王者を決めるユーロリーグ参加を辞退する意向を明らかにした。ユーロリーグの1次ラウンドは通常、欧州の強豪16クラブを2グループに分けて行われるが、アルバ・ユリアの不参加によりグループAは1チーム少ない7クラブで行われることになる。

男子ハンドボール:2020年の欧州選手権の出場枠が16ヶ国から24ヶ国に

 EHF(欧州ハンドボール連盟)は19日にダブリン(アイルランド)で開かれた定期総会において、ハンドボールのさらなる普及と発展をめざし、現在2年ごとに行われている欧州選手権の出場枠をこれまでの16ヶ国から24ヶ国へ増やすことを発表した。この変更は2022年大会から正式に導入されるものの、実際にはその前の2020年大会にも実験的に試されることとなる。またEHFは同日、2020年大会をスウェーデン、オーストリア、ノルウェーの3ヶ国共催で行うこともあわせて決定しており、第14回欧州選手権は変化に満ちた大会として位置づけられることとなりそうだ。

<2020年の欧州選手権は、スウェーデン、オーストリア、ノルウェーの3国共催となることが決定> 初の試みとなる3ヶ国共催の会場は、オーストリアのウィーンとグラーツ、ノルウェーのトロンハイム、スウェーデンのストックホルム、マルメ、ヨーテボリの5都市に決まっており、決勝戦はサッカーの国際親善試合などに使用され、24000人収容で開閉式の屋根を持つストックホルムのテレツー・アリーナで行われる予定となっている。

 出場枠の増加によってさらに多くの国に欧州選手権への出場チャンスが与えられるわけだが、一方で試合数がこれまでの47試合から65試合に増え、大会の開催期間も13日から15日に長くなる計算となり、代表選手を多数抱える強豪クラブからは、過密日程による選手の疲労やけがを不安視する声が上がる可能性もあると言われている。

男子・女子ホッケー:アジア競技大会で15分クオーターの新フォーマットを採用

 韓国の仁川で行われている第17回アジア競技大会(Asiad)の男子・女子ホッケーがそれぞれ9月20日と22日にスタートした。優勝国に与えられる2016年のリオデジャネイロ・オリンピック出場権をかけて、男子10カ国、女子8ヶ国が7日間の熱い戦いを繰り広げる。

 まずグループAに入っている世界ランキング14位の男子ホッケー日本代表は、バングラディシュとの初戦を8-0で快勝し幸先良いスタートをきった。今後、23日の第2戦で世界ランキング8位でアジアトップの地元韓国、27日の第3戦では世界ランキング13位のマレーシアと対戦する。

 また世界ランキング10位の女子ホッケー日本代表も22日の初戦で香港に14-0で圧勝。今年6月にハーグ(オランダ)で行われたワールドカップでは4敗2分の10位という不本意な結果に終わったものの、前回のアジア競技大会では3位に入るなど、アジアの中では中国、韓国に次いで際立つ強さを見せている。今後は24日に世界ランキング9位の韓国、26日にカザフスタンと対戦する。

 なお、今大会では、男女ともにこれまで主流だった35分ハーフに代わり、15分クオーターの新フォーマットが採用されている。国内レベルで15分クオーターを採用しているリーグはあるものの、国際大会で導入されるのは今回がはじめてとなる。