ヨーロッパニュース一覧

2015-1-14

「男子ハンドボール」「男子バスケット」「女子バレーボール」 「男女ホッケー」「男子ラグビー」

男子ハンドポール:世界選手権を前にイラン代表のギジョーサ監督が辞任

 これまで男子ハンドボールのイラン代表を率いていたスペイン人のラファエル・ギジョーサ監督が、今月15日にカタールで開幕する世界選手権を目前に控え辞任を決意した。ギジョーサ氏は母国のメディアに対し、「わたしはイラン代表の監督として自分の望む形で仕事がさせてもらえなかった。」と怒りをにじませ、今回の辞任の背景には同国協会の理不尽な介入があったことを明らかにした。

<世界選手権を目前にイラン代表監督を辞任したギジョーサ氏> 昨年1月にバーレーンで行われたアジア選手権で3位の好成績をおさめ、イランに初の世界選手権出場の切符をもたらすなど十分な結果を残してきたギジョーサ氏だが、知らないところでスロベニア人のボルト・マセック氏が代表のテクニカル・ディレクターに就任した時期を境に同国協会に対し拭いがたい不信感を募らせ始めた。ギジョーサ氏は、相談もなく2010年に同国代表の監督をつとめていたマセック氏を代表スタッフとして呼び戻したイラン協会のやり方を「自分への許しがたい背信行為」と激しく非難すると同時に、「組織として成り立っていないひどい協会だ。わたしは少しでも改善しようと試みたが、その度に協会の会長と衝突し、状況は悪化していくばかりだった」と語り、最終的には世界選手権に向けた準備はおろか、代表を率いていける環境ではなくなってしまったことを告白した。

 なおギジョーサ氏は、イランの代表監督とともに同国のクラブチームSamen Al-Hojajの監督も兼任しているものの、今回の代表監督辞任にともない同クラブからも去る意向を示している。

 その一方で昨年のアジア選手権で4位に入りUAEを世界選手権出場へと導いた同じくスペイン出身の監督ジュリアン・ルイス氏も、思うような強化スケジュールが組めないことを理由に昨年半ばに同国代表監督を退いている。同氏は、「この国では代表を仕切るのは協会ではない」と、頻繁に政府の判断が代表の活動を左右する状況にも苦言を呈していた。事実、バーレーンとUAEはそれぞれ昨年7月と10月に、政治的理由からカタールで行われる世界選手権への参加をボイコットする意向を表明し、IHF(国際ハンドボール連盟)より10万スイスフラン(約1170万円)の罰金を科されていた。

 前回のアジア選手権では上位4チームのうち3チーム(カタール、イラン、UAE)がスペイン人監督によって率いられていたものの、その僅か一年後にはカタールのバレロ・リ ベラ氏ひとりだけとなってしまった。

<世界選手権2連覇を目指すペインは着々と準備を進める>

 2013年に行われた前回の世界選手権で地元優勝を果たし、今回2連覇を目指すスペインは目前にせまった本大会に向け着々と準備を進めている。

 オビエド(スペイン)で開かれた国際トーナメントに参加したスペインは、ハンガリー、ノルウェー、ポーランドと対戦し、いずれも27-25、38-20、33-28で勝利し、仕上がりの良さを見せつけている。

男子バスケット:ユーロリーグ、トップ16ラウンド第2節、バルセロナがパナシナイコスに逆点勝利

 男子バスケットのユーロリーグは、8日と9日にトップ16ラウンドの第2節が行われ、昨シーズンにファイナル4に残ったマッカビ・エレクトラ(イスラエル)、レアル・マドリード(スペイン)、バルセロナ(スペイン)、CSKAモスクワ(ロシア)などの優勝候補がいずれも白星を飾った。

 前節にアルバ・ベルリン(ドイツ)にアウエーで70-80と足元をすくわれ、トップ16ラウンドの初戦でいきなり黒星を喫していたグループEのバルセロナ(スペイン)は、今節のパナシナイコス(ギリシャ)戦でも序盤で2-12と10ポイントのリードを奪われるなど厳しい戦いを強いられるものの、ブラジル人のウエルタスの活躍などで80-76で逆転勝利をおさめ、何とか戦績を1勝1敗に戻した。またレアル・マドリードもガラタサライをホームで93-78で下し、同グループでは唯一2連勝を飾り単独首位に立っている。

 一方グループFでは、CSKAモスクワ、オリンピアコス(ギリシャ)、エフェス・ピルゼン(トルコ)がそれぞれ2連勝し、同率首位に立っている。

女子バレーボール:レアル・マドリードのハメス・ロドリゲスの妻ダニエラ・オスピナがスペインでバレーボールデビュー

<VPマドリードの一員としてスペインデビューを果たしたダニエラ選手> 今シーズンからレアル・マドリードでプレーするコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスの妻ダニエラ・オスピナさんが10日、VPマドリードの一員としてスペインでバレーボールデビューを果たした。

 背番号10を着けたオスピナさんは、大きな声援を受けてコートに姿を現したものの、チームはフルセットの末に敗れ、デビューを白星で飾ることはできなかった。

 母国コロンビアでプロのバレーボール選手をしていた経歴を持つオスピナさんは、夫のハメス選手がモナコでプレーしていた当時も現地のプロバレーボールチームでプレーしており、今回同選手のレアル・マドリード移籍に伴い、スペイン2部リーグに所属するバレーボールクラブ『VPマドリード』と契約していた。

男子・女子ホッケー:2016年のリオ・オリンピックに向けた技術委員会が結成

 FIH(国際ホッケー連盟)は8日、2016年にブラジルのリオデジャネイロで開催される夏季オリンピックに向けた技術委員会の結成を発表し、男子と女子それぞれの責任者としてニュージーランド出身のジョンソン・ マクラッケン氏と南アフリカ出身のシェリア・ブラウン氏が選ばれた。

<リオ・オリンピックに向け、技術委員会を率いることとなったジョンソン氏(左)とシェリア氏(右)> ジェイソン氏は、「最高の大会となるように全力をつくしたい」と、南米で開催される始めてのオリンピックでの成功にむけ意気込みをのぞかせている。なお同氏は、2012年のロンドン・オリンピックでも技術委員会のスタッフとして参加している他、2010年と2012年のチャンピオンズ・トロフィーと2014年のワールドカップで審判をつとめた経験も持ち合わせている。

 一方、ジェイソン氏同様に前回のオリンピックで技術委員会の一員だったシェリア氏は、2010年と2014年のワールドカップでテクニカル・ディレクターを務めていた。

男子ラグビー:日本代表のエディー・ジョーンズ監督、バイエルン・ミュンヘンのグアルディオラ監督を訪問

<バイエルン・ミュンヘンのグアルディオラ監督> 日本代表のエディー・ジョーンズ監督は先月初め、「現在のサッカー界で世界最高の指揮官」と評価するバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)のペップ・グアルディオラ監督を訪問し、今年9月にイングランドで行われるラグビー・ワールドカップで日本に史上初の初戦白星をもたらすべくアドバイスを求めた。

 エディー監督は『スカイ・スポーツ』に対し、「ここまでの戦いを通してわれわれはもっと戦術的に柔軟になる必要があることを学んだ。それはつまり、ピッチの中で状況に適した戦い方を常に選択していくということを意味する。ただ走るだけでなく、戦術やテクニックなどすべての面を同時にプレーの中で鍛えることで実践に備えていく。サッカーでは『戦術的ピリオダイゼーション』と呼ばれている強化理論だ。バイエルンの練習を見学させてもらい、監督ともとても興味深い話ができた。その分野で最高と言われている人物から学べることはいつでもたくさんある」と述べ、今回の訪問が日本代表のレベルアップにつばがる可能性に期待を寄せた。

 またエディー監督は、「ラグビーもサッカーも、スペースのあるところにボールを動かす点で共通している。そしてグアルディオラ監督は、バルセロナとバイエルンにおいてパスサッカーを芸術の域にまで高めることに成功した。ラグビーもサッカーも、『いかに効果的にスペースを作り出すか?』という本質は全く同じだ。」と述べ、ラグビーとサッカーの共通点についても自身の見解を示した。