ヨーロッパ・ニュース Vol.1
2007/09/04
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● サッカー: 「悲劇は再び起こった」
9月25日の試合で心臓発作で倒れその後気危篤状態が続いていたセビージャFCのアント二オ・プエルタ選手が28日息を引き取った。
プエルタ選手はまだ22歳。フル代表にも選出されたことがあり将来を期待されていた選手だけに、スペイン国内だけでなく、世界中のサッカー界、スポーツ界全体に大きな衝撃を与えることになった。数ヶ月前のメディカルチェックでは異常は見つからなかったのだが、極めて発見が難しい先天性の心臓疾患があったようだ。
先週はこの他にも3人のサッカー選手、1人のバレーボール選手が試合中、試合直後に心肺停止が原因で亡くなるなど事故が続いており、本格的な原因究明と安全対策が求められている。
● ラグビー: 「W杯に向けてエマジェンシーシフトは万全」
9月7日から10月20日まで、フランス、イングランドの全12都市で48カ国が参加して開催されるラグビーW杯に備え、開催地では万全の医療バックアップ体制が敷かれることになった。
大会のメディカルディレクターによると、今回の大会中グランドでは、通常負傷者の治療にあたるメディカルチームの他に蘇生技術を持った専門医が2名常駐する。また会場のある各都市では、整形外科、外傷、口腔外科など11の専門医によるアテンドが受けられる他、重症者、食中毒者などにも対応できる施設も完備され、試合がない日も24時間の受け入れ体制を整えているという。
● 男子バスケット: 「ユーロバスケット07開催」
バスケットの欧州No.1を決める欧州選手権『ユーロバスケット07』が、9月3日から16日までスペイン各地にて開催される。この大会では2008北京五輪の欧州代表も決定される。(スペインは2006年の世界選手権優勝で出場権獲得)
大会は16チームが4グループに分かれて一次予選を行い、各組上位3チーム、計12チームが二次予選に進む。二次予選は2グループに分かれ総当り戦を行い、各グループの上位4チーム計8チームがファイナルラウンドに進みトーナメント戦を戦う。
今回の優勝候補は、なんと言っても昨年日本で行われた世界選手権優勝で地元のスペイン。
地元開催の上、メンバーも昨年の世界選手権の時とほとんど変わらない。グリズリーズのエース、ガソル、新加入したナバーロ。ラプターズのカルデロン、ガルバホサ、ポートランドのロドリゲスなど出場チーム中最多5人のNBA選手を揃える強力な布陣。さらに大会直前の調整試合でも8戦全勝負け無しと勢いもある。死角があるとすれば決勝トーナメントに入ってからの油断か。
スペインを追従するのは前大会のディフェンディングチャンピオンのギリシャ。昨年の世界選手権決勝では米国を破りサプライズを起こしたものの決勝でスペインに敗れている。そのリベンジを果たしたいところだ。
NBAスパーズのスター、トニー・パーカー率いるフランス。ラプターズのバルグナニ、ウォリアーズのべリネリを中心とするイタリアあたりも有力候補。ウォリアーズのガード、ジャシカビシウス率いるリトアニア、マーべリックスのノビツキーを擁するドイツ、直前の調整試合で好調だったクロアチアなどもメダルを狙う。
ユーロバスケ07 一次予選組み合わせ
グループ | 試合開催都市 | チーム |
A | グラナダ | ギリシャ セルビア ロシア イスラエル |
B | セビージャ | スペイン クロアチア ポルトガル ラトビア |
C | パルマ・デ・マジョルカ | リトアニア ドイツ トルコ チェコ |
D | アリカンテ | フランス イタリア スロヴェニア ポーランド |
ユーロバスケット2007 公式サイト(英語、スペイン語):
http://www.eurobasket2007.org/en/
● 男子バスケット: 「ガルバホサ、600,000ユーロの保険でユーロバスケット出場」
負傷のため5ヶ月間公式戦に出場していなかったスペイン代表の中心選手ホルへ・ガルバホサ選手はユーロバスケットに照準を絞り調整を続けた結果、試合に出場できるまでに回復してきた。
しかし、怪我の再発を恐れる所属先のNBAトロント・ラプターズが同選手のユーロバスケットへの出場を認めず、スペイン・バスケット協会が交渉を重ねてきた結果、選手登録期限ギリギリの9月2日になってようやくラプターズとの合意に達した。
合意の条件は、ガルバホサに保険を賭け、出場した試合で万一怪我が再発した場合ラプターズに対し補償が行われるというものであったが、今後2年のチームとの契約でガルバホサに支払われるサラリー800万ユーロ(約12億4千万円)相当をカバーするため協会が保険会社に支払う保険料は600,000ユーロ(約9300万円)という大変高額なものとなった。
保険料の一部は本人が負担するという話だが、スペイン協会、ガルバホサ選手が地元開催のユーロバスケット優勝に賭ける意気込みは半端ではない。
● 女子サッカー: 「オランダ女子プレミアリーグスタート!」
8月29日オランダのエンシュで、オランダ初の女子サッカーリーグの開幕戦FCトゥエンテ対Hハーレンベーンが開催された。
同国での女子サッカーの人気は決して高くはないが、KNVB(オランダサッカー協会)会長のベラ・ポー氏は、「オランダ女子サッカーのレベルは急速に上がっている。近い将来に、米国、ドイツ、中国に匹敵するレベルになるだろう。当初はアマチュアリーグでスタートするが、将来的にはプロ化を視野に入れている。」と語っており、期待をかけており、同国マスコミもこの新しい試みに注目している。
オランダプレミアリーグの参加チームは、FCトウェンテ 、SC ハーレンベーン、AZ、FC ユトレヒト、ADO デン・ハーグ、ヴィレムIIの6チーム。
● 女子サッカー: 「ドイツ、2011年女子W杯欧州候補国に決まる」
8月27日にスイスのFIFAで行われた2011年女子W杯正式候補国の決戦投票でドイツがフランスを上回り、欧州代表として選ばれた。敗れたフランスは、直ちに2016年の男子欧州選手権への立候補を決め、女子W杯の欧州開催を目指して今後はドイツを全面的にサポートする。
これによって、各大陸からオーストラリア、カナダ、ドイツ、ペルーの4カ国がW杯開催国候補として正式に承認された。
● 男子ハンドボール: 「欧州チャンンピンズリーグ予備予選、バルサ、ビボルグ先勝」
8月29日に行われたチャンピオンズリーグの予備予選ファーストレグで、スペインのFCバルセロナがアウェーでポルトガルのACBプラガを26-28で破った。また、デンマークのビボルグは、ホームでトルコのべシクタシュに35-23で圧勝。
セカンドレグは9月5日と8日にそれぞれ行われ、2試合の結果で本選出場チームが決まる。
● ホッケー: 「欧州選手権 男子はオランダ、女子はドイツ優勝」
8月19日からマンチェスターで行われていたホッケー男女欧州選手権は8月26日の男子決勝戦で幕を閉じた。男子決勝はオランダがエース・タエケマの2得点で3-2でスペインを下し優勝。 前日行われた女子決勝ではドイツがオランダを2-0で下した。この大会で3位までに入ったチームは来年の北京五輪の出場権を獲得した。
男子結果 1.オランダ 2.スペイン 3.ベルギー 4.ドイツ
女子結果 1.ドイツ 2.オランダ 3.イングランド 4.スペイン