ヨーロッパニュース一覧

2007-12-4

ヨーロッパ・ニュース Vol.14

2007/12/4

男子バレーボール: ワールドカップ2007、ブラジル優勝! ロシア、ブルガリアが北京五輪出場権獲得

ヨーロッパ一大きいポルトのクリスマスツリー
デュッセルドルフのクリスマス市

 男子バレーボールのワールドカップ2007は、12月2日東京で最終戦が行われ、全日程が終了した。
最終ラウンドでは、それまで全勝だったロシアがブルガリア、ブラジルに連敗するという波乱となり最後まで激しいメダル争いが繰り広げられたが、最終日を前に1敗のブラジル、2敗のブルガリアが3位以内を決め、残る1枠をめぐってロシアとアメリカが最終戦で直接対決。この対戦をフルセットの末制したロシアが北京への出場権を獲得した。
この結果、1位ブラジル、2位ロシア、3位ブルガリア、4位アメリカ、5位スペインとなり、今大会五輪出場3枠のうち2枠をヨーロッパのチームが獲得することとなった。


“MVPはジバ”
最終戦後発表されたベストプレーヤーの発表では、ブラジルのジバがMVPを受賞、その他各賞は以下の通り。
ベストスコアラー: へクトル・ソト(プエルト・リコ)
スパイク賞: ダンテ・ギマラエス(ブラジル)
ブロック賞:  ホセ・ルイス・モルトー(スペイン)
サーブ賞 : セメン・ポルタフスキー(ロシア)


女子バレーボール: Indesit 欧州チャンピオンズリーグ、ファーストレグ

 女子の欧州クラブNo.1を決めるチャンピオンズリーグのグループリーグがスタート、11月26、27日にファーストレグ10試合が行われた。プールEでは、2006-2007チャンピオンズリーグの準優勝チーム、ディナモ・モスクワがDELAマーティナス・アムステルビーンに2-3で敗れる波乱があった。プールDでは、先のワールドカップでポーランドのエースとしても活躍したグリンカが所属するスペインのムルシア2005がベストスコアラーの活躍を見せ、セルビアのポスタル064・ベオグラードに3-0の快勝。プールCでは、イタリアのアシステル・ノバラがIndisetチャンピオンズリーグ2006-2007シーズンMVPのイタリア国籍のキューバ人選手アゲロを負傷で欠いたものの、トルコのトゥルク・テレコム・アンカラにストレート勝ち。

ヨーロッパ一大きいポルトのクリスマスツリー

“欧州チャンピオンズリーグで活躍する日本人選手情報”
プールAで初戦を3-0の勝利で飾ったRCカンヌのリべロは、今季 日立佐和・リヴァーレから加入した井野亜季子選手(20)だ。RCカンヌは、フランス国内リーグで7年以上にわたり連続優勝を続けている名門チーム。チームには彼女以外にも、中国、トルコ、イタリア、ウクライナ、ブルガリアら“外国籍”選手から構成される混成チームだが、2005-2007シーズンは佐野優子選手も在籍しており、このチームのリベロの指定席は日本人選手のようだ。

井野亜季子選手ブログ http://sei.shiai.tv/profile.html

女子ハンドボール: ハンドボール女子世界選手権フランス大会 始まる

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 12月2日から16日まで、フランスで女子のハンドボール世界選手権が開催される。世界の24カ国が4チームずつ6グループに分かれて総当りで予選を戦い、各組の上位2チームが本選ラウンドに進む。本選ラウンドでは、12チームが2グループに分かれ、上位4チームが決勝トーナメントに出場する。優勝チームには次回の世界選手権出場権、来年の北京五輪への出場権のほか、副賞として賞金が授与される。
 なお、グループ予選3位、4位のチームは、その後行われるコンソレーションラウンド(プレジデントカップ)にまわる。


グループ組み合せ (赤字はヨーロッパ)
グループA : フランスクロアチア、アルゼンチン、カザフスタン
グループB : ロシア、ブラジル、マケドニア、オーストラリア
グループC : ノルウェーオーストリア、アンゴラ、ドミニカ共和国
グループD : ルーマニアポーランド、中国、チュニジア
グループE : ハンガリースペイン、日本、コンゴ共和国
グループF : ドイツ、韓国、ウクライナ、パラグアイ

“優勝チームは北京五輪出場権”
 この大会のチャンピオンになったチームには自動的に来年の北京五輪出場権が与えられる。また同時に2009年に中国で行われる世界選手権への出場権も獲得する。
 IOCによると、この大会の2位から7位までのチームは来年3月までにIHF(国際ハンドボール協会)が主催する3つのオリンピック世界最終予選大会への出場権を得ることになり、3大会の開催地はいずれもこの上位6チームから選ばれる。
またこの他、IHFより金メダルの副賞として賞金10万USドル、銀メダルは6万USドル、銅メダルは4万USドルが授与される。

“日本代表に欧州でプレーする4選手”
 本大会に日本代表に登録された選手のうち、小松選手、早船選手、金城選手(スペイン)、谷口選手(ドイツ)と、現在4人の選手が欧州で活躍しており、本大会での活躍を期待したい。

“初戦結果”
 12月2日に行われた予選ラウンド1回戦では、開催地フランスがアルゼンチンを37-12で破ったほか、ルーマニアは中国を接戦の末31-29、ハンガリーも日本を35-31で下すなど、ヨーロッパ勢が順当に勝利を収めている。欧州勢同士の対戦では、前回優勝国のロシアがマケドニアに27-22で勝利。ドイツがウクライナを26-21で破った。

男子ハンドボール: EHFチャンピオンズリーグ、メインラウンド抽選

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 11月27日、ウイーンにてEHFチャンピオンズリーグのメインラウンドの グループ分け抽選会が行われ、一次予選ラウンドを勝ち抜いた16チームのグループ組み合わせが決まった。注目は昨年優勝のキールらドイツのブンデスリーガ勢とスペインリーグASOBAL勢の対戦だが、抽選の結果、グループ4のバルセロナはブンデスリーガのチームとの対戦がないラッキーな組み合わせになったのに対し、グループ3はスペインのポートランドとドイツのハンブルグ、フレンスブルグという強豪3チームが集まる厳しいグループとなった。
 メインラウンドは来年2月6日から3月16日までの間で、グループごとにホーム&アウエーで総当たり戦計6試合が行われ、グループ首位チームがファイナルラウンドへ進む。


メインラウンドグループ分け

グループ1: THWキール(ドイツ)、アデマール・レオン(スペイン)、チェコフスキ・メディべディ(ロシア)、イブリー(フランス)
グループ2: シウダー・レアル(スペイン)、グンマースバッハ(ドイツ)、モンペリエ(フランス)、ゴレンジェ・べレンジェ(スロベニア)
グループ3: ポートランド・サンアント二オ(スペイン)、ハンブルグ(ドイツ)、フレンスブルグ・ハンデウイット(ドイツ)、ザグレブ(クロアチア)
グループ4: バルセロナ(スペイン)、ピック・セゲド(ハンガリー)、セルジェ・ラスコー(スロベニア)、スベンボり・グドメ(デンマーク)



男子バレーボール: アコスタ会長が外国人プレーヤーの制限について発言

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 FIVB(国際バレーボール協会)のルベン・アコスタ会長は、各国のクラブリーグ、コンペティションにおける外国人選手(他国のリーグに所属する選手)の制限について、来年3月の理事会に向けて提案を固めていくとの考えを明らかにした。

アコスタ会長発言趣旨:
 「我々が外国人選手の制限を提唱する最終的な目的は、自国の若い選手たちを育成促進することにある。他国選手の流入によりその国の将来を担う若い選手がコートに立つチャンスを奪われてしまうことを憂慮しなければならない。最終的にはポルトで行われる欧州委員会において裁定が行われることになるが、我々の意図はリーグから優秀な世界的プレーヤーの活躍の場を完全に奪うということではない。ただ、その国のチームに所属できる他国籍の選手を3人までとし、同時にコートに立てる選手を2人までに制限することで、自国の若い選手がよりトップイレベルでプレーできる環境を整えていけるよう提案していきたいのだ。」

 もし、この提案が採択されると、世界トップレベルの選手しか他国リーグでプレーすることができなくなるが、これによって最も影響を受けるのは、世界中で500人以上がプレーしているというブラジル、100人以上がプレーしていると言われるアメリカと見られている。ヨーロッパでは、かつてのサッカーでのボスマン裁定によりEU圏内の選手を外国人と見なし排除することは禁止されているが、たとえばペルー女子代表チームの場合、12人の登録メンバーのうちスペインでプレーする選手が9人もいることでわけるように、各国リーグが欧州圏外の選手に頼る比率はきわめて高い。
 逆に言えば、もしこの提案が認められれば、十分な設備やプレー環境の整ったクラブチームを持たない北中米圏やアフリカ、アジアの優秀な選手たちが、よい条件でプレーできるリーグを持つ欧州でプレーするチャンスを失うことになり、バレーボール界全体のレベルダウンにつばがることになりかねない。


男子バスケットボール: ユーロリーグ 第6節

 バスケットの欧州各国上位チームによって競われるユーロリーガのグループラウンド第6節が行われ、グループA注目のロシアのCSKAモスクワとスペインのTAUバスコ二アの1戦は、85-76でCSKAが勝利した。また、ギリシャの強豪パナシナイコスは無傷の6連勝。その他、ウ二カハ、レアル・マドリード(スペイン)、オリンピアコス(ギリシャ)も勝利を上げ、それぞれグループ上位をキープしている。


男子サッカー: ユーロ2008、組み合わせ抽選

 来年6月7日から29日までの間開催される欧州最大のスポーツイベント、サッカーの“ユーロ2008”の本選抽選会が12月2日、スイスのルツェルンで行われ、16チームの組み合わせが決まった。注目は、オランダ、イタリア、フランスの強豪国が集まったグループC。連覇を狙うギリシャは、スペインと同じグループDに入った。

ユーロ2008組み合わせ
※総当り戦により各グループの上位2チームが決勝トーナメント進出
グループA :スイス(開催国)、チェコ、ポルトガル、トルコ
グループB :オーストリア(開催国)、クロアチア、ドイツ、ポーランド
グループC :オランダ、イタリア、ルーマニア、フランス
グループD :ギリシャ、スウェーデン、スペイン、ロシア