ヨーロッパ・ニュース Vol.24
2008/02/26
● 水球女子:オリンピック世界最終予選はイタリアが優勝。欧州4チームが出場権獲得
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イタリア、インペリアで行われていた水球 女子のオリンピック世界最終予選決勝が24日行われ、イタリアがロシアを10-9で下し優勝した。
3位決定戦では、アテネオリンピック銀メダルのギリシャが延長の末、11-10でハンガリーに敗れたが、共にオリンピック出場権を獲得した。
この結果、今回の最終予選の枠はすべて欧州勢が独占することになり、既に出場権を獲得しているオランダとあわせて欧州からの出場国は5チームとなった。(出場国全8カ国: オーストラリア、中国、アメリカ、オランダ、イタリア、ロシア、ハンガリー、ギリシャ)
出場8カ国によるオリンピック組み合わせ抽選会は、3月22日に北京で行われる。
<最終順位>
1位イタリア、2位ロシア、3位ハンガリー、4位ギリシャ (以上オリンピック出場)
5位カナダ、6位スペイン、7位カザフスタン、8位ドイツ、9位キューバ、10位プエルトリコ、11位ブラジル、12位チェコ
● ラグビー: 6カ国対抗 フランス、イグランドに敗れリベンジならず
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ラグビーの6カ国対抗戦は週末の23、24日に3試合が行われた。
23日の夜にはパリで注目のフランスvsイングランドが行われ、イングランドが13-24でフランスを破り、昨年行われたワールドカップ準決勝に次いで連勝、今大会好調のフランスはW杯のリベンジを果たせず
またもイングランドに苦杯をなめた。一方、イングランドが6カ国対抗戦のアウェーでフランスに勝ったのは8年ぶりとなった。
好調のウェールズはイタリアを寄せ付けず47-8で圧勝し、開幕3連勝で首位を守った。一方、スコットランドはアイルランドに13-34で敗れ、イタリアと並んで3連敗となった。
“イングランド、ウィルキンソンが活躍”
注目の一戦、フランス対イングランドは、フライハーフ(=SO)のウィルキンソンが24点中14点 (3PG、1コンバージョン、1ドロップゴール)を挙げるなど終始フランスに主導権を握らせない戦いぶりで完勝し、フランスの3連勝を防いだ。
イングランドは開始早々の4分にサッケイがトライを決め、ウィルキンソンが難なくコンバージョンも決めると、13分にもPGを決め10-0とリードを奪う。フランスは26分にキャンプテンのナレーがトライを決め10-7としたが反撃もここまで。直後にイングランドにPGを決められ突き放されると、そのまま後半へ。後半に入ってもイングランドが着実に点差を広げ、最後は11点差をつけられ 完敗した。
● ハンドボール男子: EHF欧州チャンピオンズリーグ メインラウンド第3節
ハンドボール男子欧州チャンピオンズリーグのメインラウンド第3節が各地で行われ、グループ1で2連勝中だったTHWキールが伏兵のアデマール・レオンに破れるという波乱があり、3連勝はグループ2のシウダー・レアル1チームのみとなった。
グループ1では、THWキール、アデマールUSイブリーを破ったチェホブスキー・メドゥべディの3チームが2勝1敗の勝ち点4で並び、混戦となっている。グループ2のシウダー・レアルはグループ 最大のライバル、VfLグンマーシュバッハをアウエーで27-28で下す価値ある勝利で3連勝。ベスト4入りに向け一歩抜け出した。グループ3では、好カードHSVハンブルグ対ポートランド戦が行われ、ハンブルグが32-29でポートランドに勝ち2勝1分けで単独首位に立った。グループ4は、FCバルセロナとGOCスベンボルグ・グドゥメがそれぞれ2勝目を挙げ、勝ち点で並んでいる。
“韓国のエース、ユンが大活躍”
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メインラウンド第3節で、HSVハンブルグのエースであり韓国代表でもあるユン・ギョンシュンがスペインの雄ポートランド相手に15点を挙げる大活躍で試合を決めた。ユンは、現在行われているアジア選手権を辞退してこの試合にのぞんだが、大事な試合で見事にチームの勝利に貢献した。15得点は今大会の自己最多得点だが、HSVのエースとして毎試合コンスタントに得点を重ねており、今季チャンピンズでの得点は59得点となり、得点ランキングで一気に6位に浮上した。(現在ラインキング1位はラザロフ=69点)世界トップレベルのドイツブンデスリーガで過去7度も得点王に輝いている34歳のベテランの活躍に注目だ。
● ハンドボール女子: EHF欧州チャンピオンズリーグ メインラウンド第3節
女子のチャンピオンズリーグメインラウンド第3節は、グループ1首位のギョーリがオルチンと、グループ2首位のヒポ・二ーダーオーストリッヒがズベズダと対戦。ギョーリは30-27、ヒポは33-29で勝ち、3連勝となった。ヒポのトップスコアラー、トゥース・ティミアは現在84得点で得点ランキング1位、ギョーリのアニータ・ゴルビクスが80得点で2位につけており、この2人の活躍がそれぞれチームを引っ張っている。
一方、FCニュンベルグはラダにホームで31-39と敗れ2敗1分でグループ最下位に。ホームでビボルグに12-22の大差で敗れたグループ2のスラゲルスも3連敗となり、ともにファイナル4進出の望みはほぼ絶たれた。
“ヒポに4人の韓国人選手”
現在グループ1で首位を行くオーストリアのヒポ・二―ダーオーストリッヒだが、このチームには呉成玉、金且妍、明福姫、韓善煕という4人もの韓国代表選手が所属している。現在トップスコアラーのティミア、2人のブラジル人チームメイトとともにチームを支えている。
● バレーボール: Indesit欧州チャンピオンズリーグ ベスト12ラウンド結果
バレーボールの欧州チャンピオンズリーグは男女ともベスト12ラウンドのセカンドレグが終了し、ベスト6進出チームが決定した。男女ともにイタリア勢が好調な戦いぶりを見せ、男子では2チーム、女子では3チームがベスト6に残った。ベスト6ラウンドはファイナル4を賭けた最後の戦いとなる。
“男子ベスト12ラウンド総括”
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男子では、コプラ・ピアツェンツァがファーストレグ3-2、セカンドレグも3-1と同じイタリアのブレ・バンカ・クエノを2連勝で下してベスト6ラウンドに進んだほか、シスレー・トレビソもスペイン王者ドラック・パルマ相手に2連勝、失セット0のストレートで勝ちで次ラウンドへ駒を進めた。トレビソは次のラウンドで、強豪ディナモ・モスクワを退けた昨シーズンのチャンピオンVfBフリードリクシャフセンと対戦するが、ベスト6で最も注目のハイレベルな一戦となりそうだ。
<ベスト6ラウンド組み合わせ>
※ホーム&アウエーの合計の勝者がファイナル4進出
シスレー・トレビソ(イタリア) vs VfBフリードリクシャフセン(ドイツ)
パナシナイコス・アテネ(ギリシャ) vs コプラ・ピアツェンツァ(イタリア)
ディナモ・カザン(ロシア) vs ACカンヌ(フランス)
“女子ベスト12総括”
女子もイタリア勢が好調。シリロ・ペルージャはSpaテネリフェを2連勝で退け、ビニ・モンテスキアーボも優勝候補のディナモ・モスクワを2連勝で破りベスト6へ。アシステル・ノバラはアウエーのセカンドレグを3-1で落としたものの、初戦のストレート勝ちがものを言い合計セット数で勝ち抜きを決めた。ベスト6ラウンドではイタリア勢同士、シリロ・ペルージャとビニ・モンテスキアーボが対戦する。なお、井野亜季子選手がプレーするRCカンヌは惜しくも敗れベスト6入りはならなかった。
<ベスト6ラウンド組み合わせ>
※ホーム&アウエーの合計の勝者がファイナル4進出
シリロ・ペルージャ(イタリア) vs ビニ・モンテスキアーボ(イタリア)
ザレチエ・オディンツォボ(ロシア) vs デラ・マルティナス・アムステルベーン(オランダ)
アシステル・ノバラ(イタリア) vs ボレロ・チューリッヒ(スイス)
● ローレウス賞はフェデラーが4年連続受賞
スポーツ界のアカデミー賞である“ローレウスワールドスポーツ賞”の授賞式が2月18日にロシアのサンクト・ペテルスブルグで行われた。最も活躍したアスリートに送られる年間最優秀スポーツマン賞にはゴルフのタイガー・ウッズ、F1のキミ・ライコネンらがノミネートされていたが、テニスのロジャー・フェデラー(スイス)が4年連続で受賞。女子の年間最優秀スポーツウーマン賞も同じくテニスのジュスティーヌ・エナン(ベルギー)が受賞した。
年間最優秀団体賞は、昨年のワールドカップを制覇した南アフリカラグビーチームが、今後最も活躍が期待されるスポーツマン賞はF1のルイス・ハミルトン(英国)、カムバック賞は女子マラソンのポーラ・ラドクリフ(英国)がそれぞれ受賞した。
この賞は2000年に設立され、スポーツ界の42人の専門家(元選手、ジャーナリスト)からなるアカデミーメンバーによって選ばれる。42人のメンバーには、マッケンロー、ナブラチロワ、ジャック・二クラウス、セルゲイ・ブブカ、カタリーナ・ビット、アルベルト・トンバ、ナディア・コマネチ、マイケル・ジョーダン、山下泰裕氏など世界の元トップアスリート選手が含まれている。
● コソボ、単独でのオリンピックへの出場認められず
17日にセルビアからの独立宣言を行い、米国や欧州の主要国から国家として承認されたコソボだが、国連からの承認を受けていないことを理由に北京オリンピックへの出場は拒否された。
FIFAやUEFAなど国際的なスポーツ機関の多くが出場国の条件として国連からの承認を挙げているが、国際オリンピック委員会(IOC)も例外ではなかった。その一方で、卓球、ハンドボールなど一部の競技では、独立宣言前からナショナルチームの国際大会出場が認められていた。
セルビアオリンピック委員会のイバン・クルコビッチ氏が明らかにしたところによると、「IOCに確認したが、コソボとしてのオリンピック参加の可能性はないということだ。もし、大会標準記録に達するコソボの選手がオリンピックの個人種目にエントリーしたいのならば、セルビアオリンピック委員会の選手団の一員として出場するしかない。」
昨シーズン行われたEHF主催の女子の欧州ハンドボールクラブカップ戦では、セルビアのクラブチームとコソボのクラブチームが初めて対戦した。この対戦の前節にも別のセルビアのクラブチームとコソボのクラブチームとの対戦が予定されていたが、セルビアのチームはベオグラード中央政府の立場に追随してコソボのクラブとの試合を拒否。この結果、このセルビアのクラブは、EHFから経済制裁と2年間の大会出場停止処分を下されている。
しかし、現在のコソボには世界レベルで通用するアスリートはほとんどいないのが現状で、数年前にセルビアと分離独立したモンテネグロのバスケットチームや水球チームのケースと比べると、コソボの独立問題がセルビアのスポーツ界に大きな影響を与えることはないと考えられている。