ヨーロッパ・ニュース Vol.27
2008/03/11
● ハンドボール男子: 欧州チャンピオンズリーグ
第5節FCバルセロナ、THWキールがベスト4進出をほぼ確実に
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欧州チャンピオンズリーグ、メインラウンドは第5節が行われ、グループ4の首位争いとなる直接対決でスペインのFCバルセロナがデンマークのグドゥメをホームで29-24で下し勝点を8とし、最終節を残してベスト4進出をほぼ確定した。2位のグドゥメは勝点6のままで、最終戦で勝ちバルセロナが負ければ勝点で 並ぶものの、24点の得失点差があり逆転はほぼ不可能となった。グループ1のドイツのTHWキールもフランスのUSイブリーを36-30で破り、2位のアデマールと勝点差2をキープ。得失点差で17点のアドバンテージがあり、こちらもベスト4はほぼ確実。
一方、グループ2とグループ3は最終節ですべてが決まる。グループ2は、現在勝点8のスペイン、シウダーレアルと勝点6のドイツのグンマーシュバッハとの首位の座を賭けた直接対決となるが、ホームの試合で、得失点差でも6点のアドバンテージがあるシウダーレアルが有利か。最後までどこが勝ち抜くかわからないのがグループ3。勝点7のハンブルグ(ドイツ)、6のザグレブ(クロアチア)、5のポートランド(スペイン)にチャンスがある。最終節はポートランドがホームでハンブルグを迎え撃ち、ザグレブはアウエーでフレンスブルグと対戦する。
“バルセロナ、ベスト4の原動力は42歳の「新戦力」アンドレイ・シェプキン”
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バルセロナが今年1月に42歳の大ベテラン、アンドレイ・シェプキンとの再契約を発表したとき、誰が今の活躍を予想したであろうか。かつてバルセロナのディフェンスの要だったシェプキンだが、全盛期を過ぎた今回の契約は、ベテランとして練習をサポートし、補欠選手の穴埋め的な存在としての役割を期待されてのものだった。
ところが、2月のチャンピオンズ対セルジェ戦でレギュラーとして出場すると鉄壁のディフェンスで相手の攻撃の食い止める大活躍を見せる。その後レギュラーに定着してからチームは負けなしと抜群の存在感を見せている。思わぬ活躍には本人も、「正直こんなに出場することになるとは思わなかった」と驚くほど。今年5月に43歳になる2.05cm、124kgの“帰ってきた巨人”がベスト4でどのようなプレーを見せてくれるのか楽しみである。
● ハンドボール女子: チャンピオンズリーグ、ヒポ全勝でベスト4入り。
女子のチャンピオンズ、メインラウンドは第5節が行われ、グループ1で首位のギョーリ(ハンガリー)がホームでラダ(ロシア)に33-34の1点差で敗れ、このラウンド初黒星を喫したもののギョーリは最終節を前にすでにベスト4入りを確定しており、次節ではこの日の勝利で勝点6の2位に浮上したラダと、勝点5で3位につけるRMバルセア(ルーマニア)の2位争いが注目される。グループ2では今節もヒポ(オーストリア)が勝って5連勝。2位ズベニゴロド(ロシア)も得失点差で3位に大差をつけており、この2チームのベスト4入がほぼ確定した。
● ラグビ-: 6カ国対抗、ウェールズ全勝で総合優勝に王手
ラグビーの6カ国対抗は3月8、9日の両日に第4節が行われ、ウェールズがアイルランドに16-12で勝ち、4連勝で総合優勝に大手をかけた。最終節は1敗で2位フランスとの対戦となるが、得失点差で38点の大差をつけており、ウェールズが断然有利な展開となっている。
そのフランスは25-13で危なげなくイタリアを下し1敗のまま2位を守る。イングランドは最下位スコットランドに15-9で敗れ2敗目を喫し4位に後退した。
フランスに勝てばグランドスラム達成のウェールズに対し、前回王者が意地を見せるか、または奇跡の大逆転があるのか、6カ国対抗の最終戦を飾る注目の一戦、ウェールズ対フランス戦は、 3月15日の17時よりミレニアムスタジアムで行われる。
“ウイルキンソン、最多得点記録達成”
イングランドのSOジョ二-・ウィルキンソンは8日に行われたスコットランド戦で3つのPGを決め、インターナショナルマッチでの個人最多得点記録を達成した。これまでの最多得点はウェールズのネイル・ジェンキンスの1090だったが、前の試合でこの記録に並んだウィルキンソンは、この試合で9得点を挙げ得点を1099に伸ばした。しかし、イングランドの得点はこの9点のみでスコットランドに敗れ、ウィルキンソンは記念すべき一戦を勝利で飾ることはできなかった。
“イングランドの若手の星チプリアーニ、夜遊びが発覚し欠場へ”
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先週のウェールズ戦にスタメンで出場し6カ国対抗デビューを飾ったイングランド代表の期待の星ダニー・チプリアーニが、先週末の対スコットランド戦の前夜2晩にわたってディスコで夜遊びしているところをパパラッチに撮られ、これが監督の目に触れたことから、「試合前の代表選手としてあるまじき素行」として、スコットランド戦での先発から彼をはずすことを決めた。まだ20歳のチプリアーニは英国ではウィルキンソンの後継者とも言われ今後イングランドを背負う逸材と期待されている。試合前の練習でもサイドでいい動きを見せていただけに今回の欠場は国民に失望を与えることになったが、アシュトン監督は、「今回の件はこれで終わり。この先の試合に彼を選ぶことはありうる。」とチプリアーニへの処罰は今回限りのものであることを明らかにした。
● ラグビー: FIRA/AER ヨーロッパナショナルリーグ、ファーストディビジョン結果
“ヨーロッパナショナルリーグとは”
FIRA/AER(ヨーロッパラグビー連盟)主催のヨーロッパナショナルリーグには対抗戦6カ国を除くヨーロッパの各国が参加し、シーズンを通じてリーグ戦を行う。
リーグはランキング別にトップの一部、その下に二部A・B、さらに三部A・B・C・Dまでのディビジョンに分かれており、シーズン終了後にディビジョン首位のチームがは昇格、最下位のチームが降格する入れ替え制である
“一部リーグではグルジアが首位”
先週末に一部リーグの第7節が行われ、ルーマニアが21-15でポルトガルを破り、ロシアがスペインを42-16で圧倒した。この結果6勝1敗のグルジアが首位、同じく6勝1敗のロシアが2位につけ、以下3位ルーマニア、4位ポルトガル、5位スペインと続き、最下位6位は全敗のチェコとなっている。二部Aの首位はモルドバ、二部Bの首位はポーランドとなっている。
● 野球: 北京オリンピック最終予選はじまる
3月7日から台湾でIBAF(国際野球連盟)主催の北京オリンピック世界最終予選が始まった。今回の大会には、南アフリカ、ドイツ、スペイン、韓国、台湾、カナダ、メキシコ、オーストラリアの8カ国が参加。上位3チームがオリンピック出場権を獲得できるが、ドイツ、スペインのヨーロッパ勢はアジア、アメリカの強豪の中で厳しい戦いが予想されている。2日目には早くも欧州勢同士が対戦。ドイツが1-0で投手戦を制している。
大会3日目を終えた時点で、台湾、韓国のアジア勢が3連勝で上位につけ、続いてカナダ、オーストラリア、ドイツ、スペイン、南アフリカ、メキシコという順位になっている。
● ホッケー男子: オリンピック世界最終予選サンチアゴ大会、イングランドが出場権獲得
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男子ホッケーのオリンピック世界最終予選サンチアゴ大会は9日に最終戦が行われ、大会前の予想通り、世界ランキング上位のイングランドとインドが優勝をかけて順位決定戦を行い、イングランドがインドを2-0で下して優勝。北京への切符を手に入れた。
6日に行われた総当りの予選ラウンドではイングランドが3-2で接戦を制しているが両者の力はほぼ互角。チリの真夏の太陽の下、最後の70分がはじまった。イングランドは序盤から相手陣地で優位に試合を進めると、4分にジャクソンからのスルーパスを受けたミドルトンが先制点を挙げる。中盤を支配するイングランドは10分にもマンテルがペナルティコ-ナーで追加点をあげるとその後は守りを固めてインドの攻撃を交わしそのまま逃げ切った。3位はロシア、4位はオーストラリア、5位チリ、6位メキシコ。ベストスコアラーには11点を挙げたチリのフェリペ・モンテグーだった。
● 女子サッカー: アルガルべカップ始まる
女子サッカーの強豪国が参加して行わるポルトガルのアルガルべカップが5日からはじまった。まだ2試合が行われただけでが、グループAではデンマークが大健闘。ドイツ(1-0)、スウェーデン(1-0)に連勝するというサプライズを起こしている。グループBはアメリカ、ノルウェーが順当に2連勝。アジアから唯一参加している中国はアメリカ、ノルウェ-に4-0、3-1とで2連敗を喫している。
“中国の不調はチームの内紛が原因か?”
アルガルベカップに参加中の中国女子代表チームだが、チームを率いるフランス人女性のロワゼル監督が中国サッカー協会のマネージャー張健強氏の更迭を訴え、認められなければ辞職するとの強硬な姿勢を見せている。同監督は、マネージャーによるチーム干渉、メディアへの情報操作などがチ-ムに悪い影響を与えていると主張している。
● 水球男子: 北京オリンピック世界最終予選、ドイツが優勝
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ルーマニアのオラデアで2日から9日まで開催されていた水球男子の北京オリンピック世界最終予選は最終日決勝が行われ、延長の末ドイツがイタリアを10-9で破り優勝した。本大会では、ベスト4に入ったチームへオリンピック出場権が与えられるが、ドイツ、イタリアの他、3位決定戦を戦ったギリシャとカナダの2チームも(ギリシャ13-4で勝利)北京行きが決まった。
この結果、カナダを除く3つの枠を欧州勢が独占した。オリンピックの組み合わせ抽選会は、3月22日北京で行われる。
“地元ルーマニアまさかの敗戦。勝ったカナダは84年以来のオリンピック出場”
今大会最大のサプライズは、1984年のロス五輪(東欧諸国がボイコット)以来オリンピックへ出場していなかったカナダが、ベスト8で1500人の声援を受けた地元ルーマニアを9-8で破り北京への出場権を獲得したことだろう。18歳から21歳までの選手を5人いる若手中心のチームだが、チーム一丸で団結力で出場権を手に入れた。
<最終順位>
1.ドイツ、2.イタリア、3.ギリシャ、4.カナダ、5.ルーマニア、6.ロシア、7.スロバキア、8.マケドニア、9.ブラジル、10.イラン、11.メキシコ、12.カザフスタン
水球男子北京オリンピック出場国: 全12カ国 (うち欧州8)
オーストラリア、中国、クロアチア、ハンガリー、スペイン、モンテネグロ、セルビア、アメリカ、ドイツ、イタリア、ギリシャ、カナダ