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2008-3-18

ヨーロッパ・ニュース Vol.29

2008/03/18

バレーボール: FIVB、各国リーグの外国人選手数を制限する新ルールの概要を発表

スコットランド、エジンバラ
スコットランド、エジンバラ

 FIVB(国際バレーボール連盟)は、3月14日にスイスのローザンヌで行われたFIVB役員会で、来季より各国の国内リーグに外国人選手枠を導入するための新ルールの概要について合意したことを発表した。
 このルールは、近年一部の国のリーグ戦において外国人選手がチームの大半を占めるケースが増加していることから、弱小リーグからの選手流出や各国独自のバレーボール文化の弱体化、地元選手の育成の阻害を防ぐことなどを目的に検討されたものである。同ルールは今年6月に開催される国際バレーボール会議で提議され正式承認される見込み。

“新ルールの概要”
「外国人選手」の定義=リーグ開催国外の協会に属す選手
2008-2009シーズン・・・同時にプレーできる外国人選手を2名までとする
2009-2010シーズン・・・登録可能な外国人選手は4名までとする。
(同時にプレーできる外国人選手は2名まで)
2010-2011シーズン・・・登録可能な外国人選手は4名までとする。
(同時にプレーできる外国人選手は2名まで)

“EU選手は2シーズンはローカルプレーヤーと見なされる”
 EU圏内の選手については、EU国籍者の圏内での自由就労権に基づき、2008-2009、2009-2010の2シーズンについては、リーグ主催国外の協会所属選手であっても“ローカルプレーヤー”として認められ、外国人枠適用外とする。(このルールは欧州のサッカーなどでも適用されている)


“スペインのクラブチーム、協会の反応”
 FIVBの新ルール発表を受けて、リーグの大半のクラブで外国人選手が半数以上を占めているスペイン、イタリア、フランスなど欧州のバレーボール協会、各クラブ関係者は一様に困惑、反発の姿勢を見せている。
 欧州でトップレベルのチームを持つスペインのトップリーグ、スーペル・リーガには男女合わせて 24のクラブチームがあるが、現時点でスペイン人選手だけでチームを構成できるのはわずかに 2チームだけだ。柴田恭平選手が所属するウニカハ・アルメリアの会長ラモン・セデーニョ氏は、「バレーボールの振興のためには別の方法を探すべきだ。スペインのリーグでプレーする外国人は多いが、スペインは(男子は)ヨーロッパチャンピオンであり、外国人選手によって国内選手の育成が妨げられているとは言えない。我々のチームでは現在6人の外国人選手が登録しているが、これは決して例外ではない。このルールにより、我々の努力でここまで発展してきたスペインのバレーボール界は10年後退することになるだろう。スーペル・リーガの120の選手枠、さらにはリーグ2部、FEVリーグの選手枠を埋められるだけの数の国際レベルのスペイン人選手はいないのだから。」
 スペインバレ-ボール協会会長のアグスティン・マルティン・サントス氏は、「スペイン協会としては、この新ルールが国際連盟で正式に承認されれば遵守するが、当協会として賛同できるものではない。このルールがバレーボールの振興のためにベストのアイディアだとは思わない。」と困惑を隠せない。

 いずれにせよこのルールが適用されることで、“外国人選手=中南米選手”の主要受け入れ国である欧州各リ-グのチーム作りは見直しが求められ、世界中の一流選手がプレーしていることで人気を博しているイタリアやスペインのトップリーグ、欧州チャンピオンズリーグなどの大会における勢力図も今後大きく変わってくるなど、各方面に影響が出ることは必至である。また、需要が高まる国内選手のサラリー高騰や欧州へ“出稼ぎ”している多くの中南米諸国の選手たちにとっても極めて厳しい状況が予想される。

ラグビー: 6カ国対抗 ウエールズ、グランドスラム達成

 3月15日、70000人の大観衆が詰め掛けた最終戦。ミレニアムスタジアムでウエールズがフランスを 29-12の大差で圧倒し全勝で4年ぶりの優勝を飾った。
 前半はウエールズがホックのPGで先制するとそのまま両チームともノートライのまま、PGのみの9-6とウエールズリードでで折り返す。後半に入ってすぐにフランスがPGで9-9の同点に追いつき試合を振り出しに戻すが、フランスの反撃もここまで。59分にシェーン・ウイリアムスがトライを決めて突き放すと、79分にも再びウイリアムス巣がトライし試合を決定付けた。この試合2トライを決め今大会のトライ数を6トライとしたウイリアムスはウエールズ代表の通算トライ数も41トライとし、ウエールズ新記録も達成した。
 イングランドはアイルランドに33-10で圧勝し2位を確保。イタリアはスコットランドを23-20で破り、今大会初勝利を挙げた。最終順位は、1.ウエールズ、2.イングランド、3.フランス、4.アイルランド、5.スコットランド、6.イタリア



ハンドボール男子: 欧州チャンピオンズリーグ、ベスト4はスペインとドイツ勢独占

 男子のチャンピオンズリーグメインラウンド最終節が行われ、グループ1はTHWキール(ドイツ)、グループ2はシウダー・レアル(スペイン)、グループ3はHSVハンブルグ、グループ4はFCバルセロナが準決勝進出を決めた。これによってベスト4はスペインとドイツそれぞれ2チームずつとなった。
 グループ1では、得失点差で敗れても1位は確実だったTHWキールがアデマール・レオンを32-26で下し貫録勝ち。5勝1敗で準決勝へ。グループ2では首位シウダー・レアルが、この試合に勝てば準決勝進出の可能性が残るVfLグンマーシュバッハをホームに迎え、シウダー・レアルが25-23の僅差で勝ち、5勝1敗で準決勝へ。混戦のグループ3は、最終戦の結果次第で3チームに可能性があったが、ポートランドはホームの利を生かせずHSVハンブルグと32-32で引き分け、結局3勝1敗2分のハンブルグが準決勝へ勝ち進んだ。グループ4はすでに前節で準決勝進出が決まっていたFCバルセロナが最終節はピック・セジェドに28-32で破れた。
 ベスト4の抽選会は3月17日にウイーンで行われる。



ハンドボール女子: 欧州チャンピオンズリーグ、ベスト4決定

 女子のチャンピオンズリーグも最終節が行われ、グループ1、2の上位各 2チームが準決勝進出を決めた。グループ1は4勝2敗のハンガリーの ギョーリ・アウディETOが1位通過。同じく4勝2敗のロシアのHCラダ・  トリアッティが2位で準決勝へ。グループ2は最終戦も勝ったオーストリアのヒポ・二ーダーオーストリッヒがこのラウンド6試合全勝で文句なしの首位通過。2位争いは3勝3敗でロシアのズベズダ・ズベニゴロドとデンマークのビボルグHKが並び、結局得失点差で6上回るズベズダが2位となった。 

 準決勝の組み合わせは次の通り。
ズベズダ・ズベニゴロド vs ギョーリ・アウディETO
HCラダ・トリアッティ vs ヒポ・二―ダーオーストリッヒ

“ヒポ、欧州無敗を12試合に伸ばす”
快進撃を続けるヒポは今季のチャンピオンズリーグで男女を通じて唯一の無敗を続けている。予選ラウンド6試合、メインラウンド6試合で12連勝。完全優勝も見えてきた。


バレーボール: INDESIT欧州チャンピオンズリーグファイナル4、イタリア勢躍進

 3月12、13日の両日、欧州チャンピオンズリーグ、プレーオフ6のセカンドレグが行われ、男子はイタリアのシスレー・トレビソ、コプラ・ピアツェンザ、ロシアのディナモ・カザンが、女子は イタリアのシーロ・ペルージャ、ロシアのザレチエ・オディンツォボ、イタリアのアシステル・ノバラの3チームが勝ち抜き、ファイナル4へ駒を進めた。男女とも半分の2チームをイタリア勢が占めている。
 ファイナル4の組み合わせは以下のとおり。

男子:ロッズ(ポーランド)

3/29 準決勝
ディナモ・カザン(ロシア) vs PGEスクラ・ベルチャトフ(ポーランド)
コプラ・ピアツェンザ(イタリア)vs シスレー・トレビソ(イタリア)

3/30 決勝、および3位決定戦

女子:ムルシア(スペイン)
4/5 準決勝
グルーポ2002ムルシア(スペイン)vs ザレチエ・オディンツォボ(ロシア)
シーロ・ペルージャ(イタリア)vs アシステル・ノバラ(イタリア)

4/6 決勝、および3位決定戦

女子サッカー: アルガルベカップ、アメリカ優勝

 ポルトガルのアルガルベで行われていた女子サッカーのアルガルベカップは12日に決勝戦が行われ、グループA3勝で1位のデンマークとグループB3勝で1位のアメリカが対戦。2-1でアメリカが勝ち、2003、2004、2005、2007に続く5回目の優勝を飾った。3位決定戦ではノルウェーが2-0でドイツを破った。

<アルガルベカップ最終順位>
1.アメリカ、2.デンマーク、3.ノルウェー、4.ドイツ、5.スウェーデン、6.イタリア、7.アイスランド(グループC首位)、8.フィンランド、9.中国、10.ポルトガル、11.ポーランド、12.アイルランド

アイスホッケー: NHLペンギンズ、フィンランド強豪とプレシーズンマッチ

 NHLは、ピッツバーグ・ペンギンズが、10月2日にヘルシンキで地元Sリーグの強豪ジョケリットと親善試合を行うことを発表した。ペンギンズはすでに2008-2009シーズンのNHL開幕戦をストックホルムで行うことが決定しているが、(10月4、5日対オタワ・セネターズ戦)、ペンギンズ副会長でGMのレイ・シェロ氏は、「NHLのホッケーをスウェーデンやフィンランドのようなホッケーの盛んな国でお見せできるのは楽しみなこと。この国際試合をヨーロッパすべてのアイスホッケーファンに楽しんでもらいたい。」と抱負を語っている。
 NHLは2008-2009シーズン開幕戦で、ペンギンズ戦が行われる同じ日にチェコのプラハでもNYレンジャース対タンパベイ・ライトニング戦を予定しており、欧州で2試合のNHL開幕戦が行われる。欧州でNHLのレギュラーシーズンの試合が行われるのは、2007年シーズンにロンドンで行われたアナハイム・ダックス対LAキングスに続いて2度目となる。1997年、98年、2000年には日本でもレギュラーシーズンの試合が行われている。