ヨーロッパニュース一覧

2008-4-15

ヨーロッパ・ニュース Vol.32

2008/04/15

ハンドボール男子: EHF欧州チャンピオンズリーグ決勝はキール対シウダー・レアル

 チャンピオンズリーグの準決勝セカンドレグは11日と13日に行われ、2試合の合計でスペインのシウダー・レアルとドイツのTHWキールが決勝へ駒を進めた。

ドイツ、キール
ドイツ、キール

“ハンブルグ雪辱ならず”
 11日にハンブルグでで行われたハンブルグ対シウダー・レアルの試合は、ハンブルグがトルステン・ジャンセン、オレグ・ベリキー、ステファン・ ショルダー、マティアス・フローを怪我で欠く一方、シウダー・レアルもピーター・メテリティッチ、チェマ・ロドリゲスら相互に負傷者を抱えた中での一戦となった。
 ファーストレグで34-27と敗れているハンブルグは、13000人の地元のファンの声援を受け、初戦に34-27で敗れた雪辱を果たすべく前半から積極的に攻撃を仕掛けるが、固いディフェンスを誇るシウダー・レアルのディフェンス陣がふんばり得点を許さず、前半は選手の衝突による負傷で試合がしばしば中断するなどタフな展開となった。
 前半は14-11とハンブルグのリードで終えるが後半に入るとシウダー・レアルもエースのルテンカらの活躍で追い上げ、2、3点差のままハンブルグを追いかける。しかし終盤ハンブルグが一気に攻勢をかける。この日チームでベストパフォーマンスを見せたデンマーク代表のハンス・リンドバーグの活躍などでシウダー・レアルへのリードを6点差まで広げ、合計の得失点差があと1点となったところでシウダー・レアルのアレス・パジョビッチが退場、相手が1人少なくなる絶好のチャンスを迎える。しかしここから2分間、シウダー・レアルは必死のディフェンスで持ちこたえ、最後のシュートもキーパーステルビックがファインセーブしそのままタイムアップ。ハンブルグはわずか1点及ばず涙を飲んだ。
 もう1試合のTHWキール対バルセロナは激しい点の取り合いになり、最後はホームのバルセロナが7点差をつけ44-37で勝利するも、初戦に10点差と予想外の大差で敗れたのがひびき、THWキールが決勝へ進んだ。



バスケット男子: ユーロリーグ、ファイナル4決まる

 ユーロリーグ・プレイオフラウンドは、1勝1敗のタイとなったチーム同士に よる第3戦が行われ、スペインのタウ・セラミカ、イスラエルのマカビ・エリーテ、ロシアのCSKAモスクワが勝ち、ファイナル4入りを決めた。
結果的には、トップ16ラウンドで各グループリーグ首位となった4チームがファイナル4入りしたことになる。

<プレイオフラウンド第3戦結果>
タウ・セラミカ 85―68 パルチザン・イゴケア
マカビ・エリーテ 88-75 AXA FCバルセロナ
CSKAモスクワ 81-56 オリンピアコス  

<ファイナル4ラウンド>
ヨーロッパチャンピオンを賭けて争われるファイナル4ラウンドは5月2日から4日までスペインのマドリードで開催される。
5/2 モンテパッシ・シエナ vs マカビ・エリーテ
5/2 タウ・セラミカ vs CSKAモスクワ
5/4 決勝、3位決定戦



ホッケー男子: 北京オリンピック世界最終予選はドイツが優勝

 4月5日から13日まで各務原で行われていたホッケー男子の オリンピック世界最終予選は13日に予選上位2チームによる 決勝戦が行われ、ワールドチャンピオンのドイツが開催国の日本を4-0で破りオリンピック出場を決めた。

 予選ラウンドで5戦全勝の首位で決勝に進んだドイツは2位通過の日本に対し、ケラー(1)、ゼラー(2)、ドゥラグン(1)の ゴールで4-0と完勝した。
 ドイツが出場権を獲得したことでオリンピックの出場国12カ国すべてが出揃った。欧州からは計5カ国が出場する。

<ホッケー男子オリンピック出場国>
中国、韓国、パキスタン、南アフリカ、カナダ、オランダ、スペイン、ベルギー、オーストラリア、ニュージーランド、イングランド、ドイツ


ホッケー女子: 北京オリンピック世界最終予選始まる

 4月12日より女子のホッケーオリンピック世界最終予選がアゼルバイジャンのバクーで始まった。この大会には地元アゼルバイジャン、スペイン、ベラルーシ、ウクライナ、ケニア、チリの6カ国が参加し、優勝国にオリンピック出場権が与えられる。
 実力的にはなんといっても世界ランキング7位のスペインが一歩 抜けている。過去4回連続でオリンピックに出場しているスペインは、今回の出場国の中で唯一オリンピックを経験しており、かつて金メダルに輝いた実績もある。2006年のワールドカップではまさかの4位。昨年8月のヨーロッパ選手権でもイングランドに破れ3位に終わったが、この最後のチャンスではきっちり結果を残して5回連続出場を決めたいところだ。スペインをはばむ可能性があるとすればヨーロッパ選手権でスペインと引き分けている地元アゼルバイジャンか。
 パキスタン人コーチ、タイール・ザマンの元、この大会に備えて多くのテストマッチを組み、1月には世界ランキング1位のオランダに1点差まで詰め寄る接戦を演じるなど実力をつけてきている。
 今回のチームには韓国、中国からの帰化選手を6人も加えるなど、悲願のオリンピック初出場を目指す。


アイスホッケー男子: 2008IIFHアイスホッケー世界選手権ディビジョンIはじまる

 IIFH(国際アイスホッケー連盟)主催のアイスホッケー世界選手権ディビジョンI(2部に相当)が  4月13日から開幕し、19日の最終日まで12チームがトップディジョンへの昇格をかけて戦う。
 ディビジョンIは6チームずつ2つのグループに分かれて総当り戦で行われ、それぞれチャンピオンを決める。グループAの開催地はオーストリアのインスブルック、グループBは札幌で、各グループの優勝チームは来季よりトップディビジョンに昇格する。

グループA: オーストリア、イングランド、カザフスタン、韓国、ドイツ、ポーランド

グループB: ウクライナ、ハンガリー、日本、エストニア、リトアニア、クロアチア


“バンクーバーオリンピックへの最初の一歩”

2010年の冬季バンクーバーオリンピックには12カ国が出場できるが、世界ランキング9位までのチームは自動的に出場権を獲得する。残りの3枠は来年2月に行われる世界最終予選で決まるが、この大会には世界ランキング18位までに入れば予選免除で出場できる。一方ランキング 19位以下のチームは今年年11月のオリンピック予選を戦わなければならず、今大会で上位ランキングに入れるかどうかが非常に大きな意味を持つ。


“トップディビジョンは5月開催”

今季の世界最強チームを決定するトップディビジョンは5月2日よりカナダのケベックで開催され、以下の16カ国が参加する。

<トップディビジョン参加チーム>

ベルルーシ、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、ドイツ、イタリア、ラトビア、ノルウェー、ロシア、スロベニア、スイス、スロバキア、スウェーデン、アメリカ


サッカー: 世界最高峰のリーグでプロを目指す日本人少年は11歳

 世界最高峰のプロリーグのひとつスペインのリーガエスパニョ-ラに挑戦すべく10歳でスペインに渡り、リーガの名門クラブ、アトレティコ・マドリードで日々練習に励む日本人少年がいる。彼の名は宮川類君。
 9歳の時テレビで世界クラブ選手権決勝戦バルセロナ対インテルナショナルの試合を見た宮川君は即座に両親にある決意を伝えたという。「プロの選手になるためにスペインでサッカーをしたい」
 インターネットなどで情報を集めた宮川君はアトレティコ・マドリードの元選手がスペインで開催している少年サッカークリニックに参加したが、このクリニックでアトレティコ・マドリードの育成部門のコーチにその才能を認められ1ヵ月後には両親の元へ「正式に契約したい」とクラブからオファーが届いたのだ。宮川君はこのチャンスに母親とともにスペインへ渡ることを決め、現在はマドリードで生活しながら同世代のエリート達が集まるアトレティコ・マドリードのアレビン(10〜11歳のカテゴリー)でプロになる日を夢見て練習に励む日々を送る。やはり言葉が最大の障害だが、少しずつ話せるようになっているという。
 スペインのトップリーグ、リーガエスパニョ-ラには過去に日本から城選手、西沢選手、大久保選手らが挑戦したが、いずれも十分な活躍を見せるにはいたらず現在トップリーグでプレーしている日本人選手はいない。今後、世界で通用するプロ選手になるための環境を求めて幼いうちに海外に挑戦する宮川君のような少年が増えるかもしれない。