ヨーロッパニュース一覧

2008-4-22

ヨーロッパ・ニュース Vol.33

2008/04/22

ホッケー女子: 北京オリンピック世界最終予選

優勝したスペイン女子
優勝したスペイン女子

 4月12日からアゼルバイジャンのバクーで行われていたホッケー女子のオリンピック世界最終予選は20日に決勝戦が行われ、スペインが地元アゼルバイジャンを3-2で下して5大会連続でオリンピック出場を決めた。
 予選リーグでの対戦ではスペインが自力を見せ4-0で圧勝したが、決勝戦は接戦となった。前半3分にシルビア・ムニョスのゴールで早々と先制したスペインだったが、カザフスタンも31分にミザリヤワのゴールで追いつき、1-1で前半を終了。後半に入りスペインがペナルティコーナーで再びリードを奪うが、ミザリヤワがこの日2点目を挙げ追いすがり、試合は2-2のまま残り2分を迎える。ここでスペインがペナルティコーナーのチャンスを得るとシルビア・ムニョスが落ち着いてこれを決め決着をつけた。


“アウエーでの妨害工作?に苦しんだスペイン代表”

 大会出場国の中では圧倒的な実力を誇るスペインだが、バクーでは不可解なトラブルに見舞われアウエーで戦うことの厳しさを実感することとなった。予選ケニア戦の前夜には、ホテルの換気扇からガス漏れで流出したガスを含んだ空気が部屋に入り数名の選手が軽いガス中毒でめまいや吐き気などを訴えた。また、決勝の前夜には深夜選手の部屋に2、3時間おきに無言電話がかかり続け就寝を妨げられるなど、「目に見えない嫌がらせ」と感じさせるような出来事が続発。結果的にはピッチでのプレーには影響はなかったものの、こうした妨害工作ともとれるような出来事は今大会に限ったことではなく、他のスポーツでも同様なことを多々耳にするだけに、アウエーで戦う国にとっては常に覚悟してのぞまなければならないと言える。

<バクー世界最終予選結果>

1.スペイン 2.カザフスタン 3.チリ 4.ウクライナ 5.ベルルーシ 6.ケニア

ロシア、カザン
ロシア、カザン

“19日からは世界最終予選カザン大会が開幕”
 4月19日からはロシアのカザンでもオリンピック出場を賭けた世界最終予選がはじまった。出場国はアメリカ、フランス、ベルギー、ロシア、インド、オランダ領アンチリーズ諸島の6カ国。優勝チームはオリンピック出場の最後の1枠を獲得する。
 世界ランキング11位のアメリカを筆頭にランキング13位のインドが続くが、各チームとも実力に大きな差はなくどのチームにも優勝のチャンスはある。




アイスホッケー: 2008IIFHアイスホッケー世界選手権ディビジョン1

ロシア、カザン
ロシア、カザン

 アイスホッケーの世界選手権ディビジョン1はグループA(インスブルック)、グループB(札幌)ともに全日程が終了し、グループAでは地元オーストリアが5戦全勝で優勝し1年ぶりにトップディビジョンに復帰。グループBではハンガリーが優勝し70年ぶりにトップディビジョンに復帰した。

“ハンガリー70年ぶり悲願のトップディビジョン復帰”
グループB全勝で来年2009年スイス大会でのトップディビジョン復帰を果たしたハンガリーは2002年、2007年の2回ディビジョン1で2位になったことがあるものの、トップディビジョン出場は第二次世界大戦前最後の大会となった1939年スイス大会以来70年ぶりとなる。
 当時はディビジョンはひとつだけですべての出場希望国が参加することができたのだが、1939年大会には14カ国が参加しハンガリーは7位の成績を残している。国際大会でも1964年のインスブルック冬季五輪で16位になったのを最後に長らく目立った成績を残していなかっただけに同国のアイスホッケー関係者には嬉しいニュースとなった。まずは2009年大会でトップディビジョンに残留することがハンガリーの次の課題となる。

<グループA最終順位>               
1.オーストリア(5勝) 2.カザフスタン(4勝1敗) 3.ポーランド(3勝2敗) 4.イングランド(2勝3敗) 5.オランダ(1勝4敗) 6.韓国(5敗)

<グループB最終順位>
1.ハンガリー(5勝) 2.ウクライナ(4勝1敗) 3.日本(3勝2敗) 4.リトアニア(2勝3敗)   5.クロアチア(1勝4敗) 6.エストニア(5敗)



アイスホッケー男子: ユーロホッケーツアー(EHT)2007-2008最終戦

 4月17日から20日までヨーロッパの強国4カ国間で非公式のヨーロッパチャンピオンを決めるユーロホッケーツアーの最終戦、チェスカ・ポジストブナカップが行われロシアが3戦全勝でこの大会優勝し、過去3つの大会と合わせて4つのトーナメントすべてで優勝を果たし総合順位一位を確定。2位のフィンランドとゴールドメダルゲームを行い非公式のヨーロッパチャンピオンを賭けて戦う。

ユーロホッケーツアーは毎年チェコ、フィンランド、ロシア、スウェーデンの4カ国が、チェスカ・ポジストブナカップ(チェコ)、カルチャラ・トーナメント(フィンランド)、チャンネル・ワンカップ(ロシア)、LGホッケーゲームス(スウェーデン)の4つのトーナメントを行い各トーナメントの優勝者を決めるほか、4つのトーナメントの総合順位で上位2チームが2試合のEHTゴールドメダルゲームを行い、ヨーロッパの非公式チャンピオンを決定する。
各トーナメントの優勝国には賞金12万ユーロ(約2000万円)が与えられ、さらにゴールドメダルゲーム勝者は別途12万ユーロを獲得する。


ハンドボール男子: スペイン国王杯、優勝はシウダー・レアル

 ハンドボールのスペイン国王杯決勝は21日に決勝が行われ、シウダー・レアルがFCバルセロナに31-30で勝ち、2年連続3回目の優勝を決めた。
 2008年度の国王杯は現在リーグ優勝争いで1、2位につけ(首位シウダー・レアル、2位バルセロナ)チャンピンズリーグベスト4にも残った2強による予想通りの顔合わせとなった。
 チャンピオンズ準決勝ではキールに敗れ、リーグ戦も現在2位と、なんとしてもタイトルが欲しいバルセロナは、国王杯準決勝でスペイン3強のひとつポートランドに勝ち勢いに乗って決勝にのぞんだが、序盤からリードしたのはシウダー・レアルだった。一時は5点差をつけるなど前半はバルセロナにつけいる隙を与えなかったが、後半に入ると試合の流れが変わる。
 立て続けにゴールを決めるバルセロナに対し後半開始9分でわずか1ゴールしか決められないシウダー・レアルは点差を徐々に点差を詰められると、ついに21-21の同点に持ち込まれる。バルセロナはさらに1点を追加し21-22と逆転。しかしここから互いに一歩も譲らず、23-23、27-27と試合は互角のまま終盤を迎える。シウダー・レアルは先に連続得点を決め30-28とするが、バルセロナのエース、ロメロが2点を取り返し再び30-30のタイスコアに。残りわずか4秒となりあわや延長かと思われたところでシウダー・レアルが相手の反則からフリースローを獲得。ここでスウェーデンのエース、カルマンが相手の壁越しに冷静にシュートを決め、劇的な幕切れとなった。シウダー・レアルは国王杯の優勝で、今季チャンピオンズ、リーグ戦との3冠達成の夢を
つないだ。


ハンドボール男子: ユーロ2010組み合わせ決まる

 4月17日、オーストリアのウイーンで2010年ユーロオーストリア大会予選組み合わせ抽選が行われた。予選参加国は38カ国。うち本大会に出場できるのは16カ国だけという厳しい戦いとなる。予選は7グループに分かれて行われ、各グループ上位2チーム+プレイオフに勝ち抜いた2チームが本選出場権を得る。

<ユーロ2010予選リーグ組み合わせ>
グループ1 グルジア トルコ モンテネグロ ルーマニア スウェ-デン ポーランド
グループ2 フェロー諸島 イタリア ボスニア スイス セルビア ロシア
グループ3 ベルギー エストニア マケドニア ノルウェー アイスランド モルドバ
グループ4 フィンランド ギリシャ スロバキア ハンガリー クロアチア 
グループ5 ブルガリア イスラエル ベルルーシ スロベニア ドイツ
グループ6 ルクセンブルグ ラトビア ポルトガル チェコ フランス
グループ7 キプロス オランダ リトアニア ウクライナ スペイン


ラグビー: イングランド代表ヘッドコーチにマーティン・ジョンソン

 先の6カ国対抗後退任したブライアン・アストンコーチに代わるイングランド新コーチとして元イングランドキャプテンのマーティン・ジョンソンが任命されたことがイングランドラグビー協会から発表された。正式な就任は今年7月からで契約は2011年まで。

ラグビー: W杯メインスポンサーのVISAがスポンサー撤退

 IRB(国際ラグビー委員会)は、1995年の南アフリカ大会からラグビーのW杯のメインスポンサーとしてサポートしてきたVISAが次回大会のスポンサーから撤退することを16日正式に発表した。
 IRBによると、「撤退の通知は突然行われた。VISAとはラグビーの国際大会を通じてよい関係を築いてきたが、今後は他の大きなイベントに注力していきたいということだった」と撤退の理由についてコメントしている。VISAはサッカーのW杯、オリンピックのオフィシャルスポンサーとしても知られているが、今後これらのイベントから撤退する予定はないとのこと。
 IRBからはラグビーW杯におけるVISAからのスポンサー額は公表されていないが、関係者筋によれば数10億ドルにのぼるとのことで、これまで何の兆しもなく突然の通知でスポンサーを失うことになったことに少なからず衝撃を受けているようだ。
 これを受けて、今月29日に次回2011年ニュージーランドW杯に関するIRBの初会合が行われることも発表された。