ヨーロッパニュース一覧

2008-5-6

ヨーロッパ・ニュース Vol.35

2008/05/06

バスケット男子: ユーロリーグファイナル4ステージ 優勝はCSKAモスクワ!

デンマーク、チボリ公園
スペイン、マドリード

 バスケット欧州ナンバーワンクラブを決めるユーロリーグ・ファイナル4ステージ準決勝が5月2日、スペインマドリードで行われた。
 準決勝1試合目、イスラエルのマカビー・テルアビブはイタリアのモンテパッシ・シエナを92-85で下し決勝進出を決めた。同じく準決勝2試合目では、ロシアのCSKAモスクワがスペインのタウ・セラミカを83-79で下し、決勝はマカビー対CSKAの組み合わせとなった。


“CSKAが6回目の優勝”

 決勝戦は5月4日に13500人の観衆を集めて行われ、CSKA モスクワがマカビーに91-77で勝ち、6回目のヨーロッパチャンピオン(ユーロリーグになってからは2回目)に輝いた。(写真)
 この優勝によりCSKAは、通算優勝回数で8回優勝を誇るレアル・マドリードに次ぐ歴代2位に浮上した。また、3位決定戦ではモンテパッシ・シエナが97-93でタウ・セラミカを破った。



“試合展開”

CSKAは前半開始早々リバウンドで相手を上回るとパパルーカスが攻撃のリズムを作るが、マカビーも好ディフェンスで対抗。連続得点で一時は逆にマカビーがリードを奪うが、この日チーム最多の21得点をあげたラングドンの活躍でCSKAが再度逆転。前半は拮抗した展開となった。
 第二クオーター終了時点で42-41とCSKAがわずか1点リードで後半を迎えたが、第三クオーターに入ると、ロシア代表のアメリカ人ポイントガード、ホールデンが立て続けに3ポイントを決めるなどCSKAが徐々にリードを広げ、第四クオーターもそのまま優位を保ち、最後はCSKAがマカビーを突き放した。今大会これまで試合終盤に奇跡的な逆転劇を見せてきたマカビーだが、この日はミラクルは起こらなかった。


“大会MVPはラングドン”

ファイナル4ステージMVPには、CSKAのトュラジャン・ラングドンが選ばれた。アメリカのデューク大学在学中から3ポイントの名手として知られ「アラスカの殺し屋」と呼ばれるラングドンは、この日21得点、7リバウンドの活躍でチームの勝利に貢献。5本のうち4本の3ポイントを決めるなど精度の高い3ポイントは健在だ。                               

“メッシーナ監督は契約を延長”

かねてからFCバルセロナへの監督就任が噂されていたCSKAのメッシーナ監督だが、優勝後、クラブが公式WEBページでメッシーナ監督と1年間の契約延長に合意したことを正式に発表。引き続きCSKAの指揮を執ることが確実になった。



ハンドボール男子: EHF欧州チャンピオンズリーグ決勝ファーストレグはキールが先勝

 ハンドボール男子のチャンピオンズリーグ決勝、スペインのシウダー・レアル対ドイツのTHWキールのファーストレグは4日、シウダーレアルのホーム、キホーテ・アリーナで行われ、キールがシウダー・レアルを27-29で破る金星をあげた。
 この試合でシウダー・レアルは、メトゥリチッチとエース、ルテンカの主力選手2人を負傷で失うことになり、次戦は不安材料をかかえたまま戦うこととなった。

セカンドレグは来週日曜にスパルカッセン・アレーナで行われるが、アウエーで勝ったことで、
 ホームで圧倒的な強さを誇るキールが欧州制覇を達成する可能性が極めて高くなった。


“試合展開”

この試合では点差以上にシウダー・レアルとキールの力の差は大きかった。リードされつつもなんとか食いついていたシウダー・レアルだが、コンビネーションプレーなど多彩な攻撃を仕掛けるキールに対し、相手ディフェンスを崩せず、ステファンソン、ルテンカらの個人技に頼ったシウダー・レアルは最後まで相手の優位を崩すことができなかった。特に、この日のキールの勝利の立役者となったニコラ・カラバティッチとGKオメイヤの2人のフランス人選手の活躍は特筆に価する。
 現時点で世界ナンバーワンとの呼び声も高いカラバティッチは、攻めてはミドルからもエリア内からも強烈なシュートを放つなど9得点と大暴れ。守っても体を張っての守備で相手をブロックするなど貢献した。GKオメイヤも、勝負どころで神がかり的なセーブを連発しシウダー・レアルの反撃を許さなかった。


“カラバティッチは今季世界最高選手”

キールの23歳フランス代表サイドディフェンダーの二コラ・カラバティッチは、モンペリエでのリーグ優勝を経てキールに移籍。今季の活躍によりキールは彼との契約を2012年まで延長。それに伴い設定された契約違約金も150万ユーロ(約2.5億円)とハンドボール選手としては破格の内容となった。それでも彼の獲得を夢見る強豪チームは多く、現時点では世界一の選手であると言っても過言ではない。


“リーグ戦でも圧倒的な強さをの両チーム”

今季チャンピオンズでここまでともに13勝1敗という強さを誇る両チームだが、シウダー・レアルは今季スペインリーグ、国王杯優勝の2冠を達成。キールも14回目のドイツブンスリーガ優勝まであとわずか1ポイントと迫るなど、世界最高峰リーグと呼ばれるドイツとスペインのリーグで無敵を誇る両チームの対戦はまさに横綱同士の対戦と言え、欧州王者決定戦にふさわしい。ホームの敗戦で一気に窮地に立たされたシウダー・レアルだが、セカンドレグでスペイン王者の意地を見せることができるのか、負傷選手を抱えた中どう戦うのか、ドゥシェバエフ監督の采配にも注目される。



アイスホッケー男子: ワールドチャンピオンシップはじまる

 5月2日、アイスホッケー世界一を決めるワールドチャンピオンシップ(トップディビジョン)がカナダのケベックで開幕した。7日までグループリーグが行われるが、グループBでカナダ、アメリカが2連勝と順調に勝ち星を重ねる一方、グループDに入った ロシアは、2戦目でチェコと延長戦を戦い、辛くも勝って2連勝とした。しかしこの試合でGKエレメンコが負傷。今大会の残り試合出場が絶望的となり、控えGKがひとりしかいないロシアは今後苦しい戦いを強いられそうだ。



バレーボール男子: ロシアスーパーリーグチャンピオンはディナモ・モスクワ

 ロシアスーパーリーグ、ファイナルステージ決勝はディナモ・モスクワとイスクラ・オディンツォボの対戦となり、ディナモ・モスクワがトータル3勝1敗として、過去3シーズンで2回目となる優勝を飾った。
 今季のロシアスーパーリーグでは、ワールドリーグとオリンピックに向けての代表チームのスケジュールとの兼ね合いでプレーオフは行われず、レギュラーシーズンの上位2チームがホーム&アウエーで優勝を決める方式となった。今シーズンの最終順位は以下の通り。

1. ディナモ・モスクワ

2. イスクラ・オディンツォボ

3. ディナモ・カザン

4. ロコモティフ・ノボシビリツク



水球女子: FINA女子ワールドリーグ2008

 2008年女子ワールドリーグは、アジア・オセアニア地区(オーストラリア、日本、イラン、中国、ニュージーランド)、アメリカ地区(カナダ、アメリカ、プエルト・リコ)、ヨーロッパ地区(イタリア、ギリシャ、スペイン、ギリシャ)の12カ国が参加して行われる。

 予選ラウンドはアジア・オセアニア地区は中国の天津、アメリカ地区はアメリカのロス・アラミトス、ヨーロッパ地区はイタリアのシラクサとギリシャのアテネでそれぞれ行われる。
 各地区の予選リーグを勝ち抜いた6チ-ムによるスーパーファイナルは6月10から15日までスペイン、テネリフェ島のサンタクルスにて開催される。
 2007年のワールドリーグではアメリカが優勝、オーストラリアが準優勝という結果となったが、オリンピックの前哨戦ともなる今大会、ロシア、イタリアら欧州勢の躍進も期待される。

水球男子: FINAワールドリーグ2008

 男子のワールドリーグは、アジア・オセアニア地区(オーストラリア、日本、イラン、中国、ニュージーランド)、アメリカ地区(カナダ、メキシコ、アメリカ、プエルト・リコ)、ヨーロッパ地区(クロアチア、イタリア、ギリシャ、モンテネグロ、スペイン、セルビア、ロシア、ルーマニア)、アフリカ地区(チュニジア、エジプト、モロッコ、アルジェリア)に分かれ、過去最高の21カ国が参加して行われる。
 予選ラウンドは、アジア・オセアニア地区が東京、アメリカ地区がアメリカのサウザンド・オークス、ヨーロッパ地区がモンテネグロのブドバ、セルビアのノビ・サド、ギリシャのアテネ、スペインのポルトガレテの3箇所、アフリカ地区がモロッコのカサブランカにてそれぞれ行われ、各地の予選を通過したチームが6月12日から22日までイタリアのジェノバで行われるスーパーファイナルを戦う。

 今大会からアフリカ地区の予選が加わり、まさにワールドトーナメントにふさわしい規模の大会になる。2007年のワールドリーグ決勝はセルビア対ハンガリーの欧州対決となり、セルビアが9-6でハンガリーを破り優勝している。両チームともすでに今夏の北京オリンピック出場が決まっているが、この大会はオリンピックへの前哨戦となるだけでなく、優勝チームに10万ドル、準優勝チームに5万ドルの賞金が懸かっているだけに各チームとも全力でのぞむことが予想される。