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2008-5-13

ヨーロッパ・ニュース Vol.36

2008/05/13

ハンドボール男子: EHF欧州チャンピ オンズリーグ、シウダー・レアルが逆転優勝

デンマーク、チボリ公園
クロアチア、サグレブ

 欧州チャンピオンズリーグ決勝、キール対 シウダー・レアルのセカンドレグは11日ドイツのキールで行われ、初戦を27-29で落としたシウダー・レアルがキールを31-25で下し、2試合合計58-54として優勝。2006年以来2年ぶり2度目の欧州制覇を達成した。


“サプライズ”

ファーストレグでアウエーながら勝利をおさめ、絶対的な強さを誇るホームでのキールの優勝を誰もが確信していたセカンドレグ。10250人という超満員のスパルカッセン・アリーナでまさかのドラマが待っていた。エース、ルテンカをはじめ主力を怪我で欠くなどきわめて不利な状況下でのぞんだシウダー・レアルだが、この日は1週間前と打って変わったのびのびとしたプレーを見せ、キールのお株を奪うコンビネーションプレーで終始圧倒し、史上初奇跡のアウエー逆転優勝を決めた。


“試合経過”
 大観衆の前で優勝を意識したのか序盤から硬さが目立つキールに対し、シウダー・レアルは試合開始直後から1-3、3-6とリードを奪うと前半はその後もシウダー・レアルがリードし、キールが追いつくという試合展開となる。
 ファーストレグに大暴れしたキールのカラバティッチはこの日は不調。代わってマルクス・アーム、カブティクニッチらが奮闘するも、24本ものセーブを見せたGK、ステルビックの大活躍もあり、シウダー・レアルがキールの攻撃を守りきり13-15と2点のリードで前半終了。
 後半に入ってもシウダー・レアルのリズムは崩れず、合計23得点を叩き出したステファンソン、コールマンの2トップを軸にキールにリードを許さず終盤へ。逆にキールは追いつけないあせりから次第にミスを連発し、徐々に点差が離れていく。試合終了直前にはゼイッツとエンテリオスの接触プレーから両チームの選手が乱闘になり、スタンドのファンも巻き込んだ騒ぎとなった。この乱闘でシウダー・レアルの選手3人が退場となり、GKを含めてピッチ上わずか4人の選手となったシウダー・レアルだが、時すでに遅く、結局6点差の大差のままタイムアップ。シウダー・レアルが初戦の雪辱を果たし、アウエーで奇跡の優勝を遂げた。

“シウダー・レアルは今季シーズン5冠”
 シウダー・レアルは2007-2008シーズン、スペインスーパー・カップ、ASOBAL(リーグ)カップ、国王杯、リーグ、チャンピオンズの5つのタイトルを獲得。リーグ戦はまだ終了していないが、公式戦はここまで50勝4敗1分とすばらしい成績でシーズンを終えた。                               



ラグビー:プレミアシップレギュラーシーズン終了、プレーオフセミファイナル進出決定

 ラグビープレミアシップは10日に最終節が行われ、バースは首位の確定していたグロスターに6-8で敗れ、ワスプスが勝ったためワスプスが2位に浮上、バースは3位となった。残る4位の枠はレスターとシャークス、ハレクインズの3チームの争いとなったが、レスターがハリクインズに31-28で勝ち、シャークスがロンドン・アイリッシュに7-17で破れたためレスターが4位に浮上。最終節でプレーオフベスト4進出を決めた。

<プレミアシップレギュラーシーズン最終順位> ( )は勝ち点

1.グロスター・ラグビー(74)、2.ロンドン・ワスプス(70)、3.バース・ラグビー(69)、4.レスタータイガース(64) ※以上4チームがプレーオフベスト4進出

5.セール・シャークス(63)、6.ハレクインズ(63)、7.ロンドン・アイリッシュ(59)、8.サラセンス(52)、9.ブリストル・ラグビー(37)、10.ウォセスター・ウオリアーズ(36)、11.ニューキャッスル・ファルコンズ、12.リーズ・カーネギー 

 プレーオフベスト4は5月18日に、決勝は5月31日に行われる。

<ベスト4組み合わせ>

現地時間14:00 ロンドン・ワスプス(2位) vs バース・ラグビー(3位) (アダムス・パーク)

現地時間16:30 グロスター・ラグビー(1位) vs レスター・タイガース(4位) (キングスホルム)



アイスホッケー男子: ワールドチャンピオンシップ ディビジョンI

 アイスホッケーのワールドチャンピオンシップは予選ラウンドを終了し、上位12チームによるメインラウンドに入った。10日に行われた試合ではカナダが10-1でドイツに大勝しグループF4連勝で首位をキープ。同じ日、グループE首位のロシアもスウェーデンに3-2で勝ち4連勝(うち延長勝2)とした。一方ブルガリア、デンマーク、ラトビアはこのステージまだ未勝利。
 各チーム4試合を終えた時点での暫定順位は次の通り。

グループE 1.ロシア 2.スイス 3.スウェーデン 4.チェコ 5.ブルガリア 6.デンマーク

グループF 1.カナダ 2.フィンランド 3.アメリカ 4.ノルウェー 5.ラトビア 6.ドイツ



バレーボール男子: イタリアセリエA優勝はトレンティーノ

 5月7日、イタリアのバレーボール男子セリエAプレーオフ決勝が行われ、イタス・ディアテック・トレンティーノが3-0のストレートでコプラ・ノルデメカニカ・ピアチェンサを破りリーグ優勝を決めた。 トレントは初優勝。ブルガリアのエースカジンスキーはスパイク決定率61%、21点をあげ勝利に貢献、プレーオフのMVPも獲得した。



水球男子: ユーロリーグファイナル4ステージ、イタリアのプロ・レコが優勝

 水球の欧州クラブナンバーワンを決めるユーロリーグの最終ステージ、ファイナル4が9日、10日の2日間スペインのバルセロナで行われ、決勝戦でイタリアのプロ・レコがクロアチアのオシグランジェ・ドゥブロブニクを13-12で破り優勝を決めた。
3位決定戦では、ハンガリーのTEVAバース・プラケット・ブダペストがクロアチアのHAVKムラドスト・サグレブを8-6で下した。

テニス: デビスカップ開催地をめぐりスペイン代表選手団が造反

 スペインのテニス界で新たなお家騒動が勃発している。9月に行われるスペインのテニス・デビスカップ(以下デ杯)準決勝代表候補である、世界ランキング2位ラファエル・ナダル、ダビッド・フェレール、トミー・ロブレド、二コラ・アルマグロ、カルロス・モヤ、フェルナンド・ベルダスコ、フェリシアーノ・ロペス、フアン・カルロス・フェレ-ロおよび、キャプテンのエミリオ・サンチェス・ビカリオは先週会見を開き、スペインテニス協会(RFET)会長ペドロ・ムニョス氏に対する不信任同意書に署名したことを発表した。この同意書はテニス協会に宛てたもので、スペインテニス協会を牛耳るペドロ・ムニョス会長の独裁によりスペインテ二ス界の利益が損なわれていること、長年によって選手は会長に欺むかれてきたことなど、会長を直接名指し批判する内容で、協会のしかるべき対応を切望するとの内容となっている。
 不信任同意書に署名した選手はいずれもスター選手だが、今後テニス協会が相応の対応をしない場合(会長が代わらない場合)、スペインテニス協会が主催するすべての公式行事、イベント、パブリシテティへの参加を拒否するとの強気の姿勢だ。

 今回の選手側の謀反の直接のきっかけとなったのは、9月にスペインで行われるデ杯準決勝対アメリカ戦の開催地選びである。最終開催候補地としてスペイン国内4箇所が候補となっていたが、コーチ、選手側が、よりスペインに有利な海抜の低い海よりの場所での開催を主張していたのに反して、最終的に海抜の最も高い首都マドリードが選ばれた。(マドリードのラス・ベンタス闘牛場)
 選手側はこの選考自体がはじめから商業的なメリットやスポンサーの意向を汲んだ出来レースだったと主張。今回の決定のみならず、これまでも選手の利益を優先的に考えたものではなく、常に協会の都合優先であったことにより選手は何度も騙されてきたと訴え、協会の改善(会長の交代)などがない限り、選手側も協会に協力しないという強気の姿勢でのぞむとしている。
 これに対しスペインテニス協会は、「会長はスペインテニス界のために最善を尽くしており、このような行動に対して回答するつもりはない」とのコメントを発表しているが、ムニョス会長が新聞記者に語ったところによると、「誰も私の去就を強制することなどできない。唯一私の去就を決めるのは協会の役員たちからの投票のみだ」と、選手の声に対応するつもりのない考えを明らかにしている。
 選手側の言い分は、「今回に限らず我々は過去に何度も騙されてきた。マドリードでプレーするのが嫌だということではなく、相手チームにとって少しでも有利な状況でプレーさせない環境を重視して欲しいということ。(はじめから出来レースということは)開催地に立候補してきた都市に対しても欺いていることになる。我々の唯一の希望は、常にスペインテニスにとってべストである条件を提供して欲しいということだけ。署名した選手はムニョス氏が会長である限り、今後スペイン協会およびスポンサーが主催する公式行事、プロモーション活動には一切参加しない。」

 デ杯準決勝への出場についてはすでに協会と同意済みで拒否はできないが、デ杯までの今後の両者の動向が注目される。