ヨーロッパ・ニュース Vol.38
2008/05/27
● バレーボール男子:北京オリンピック世界最終予選ドイツ大会、ドイツが36年 ぶりに出場圏獲得
|
||||
23日からドイツのデュッセルドルフで行われていた男子バレーボール、北京オリンピック最終予選ドイツ大会は、地元ドイツが最終戦で現ヨーロッパチャンピオンのスペインを3-2で破り、3戦全勝で36年ぶりのオリンピック出場を決めた。
ISSドームに5000人の大観衆を集めて行われた世界最終予選最終戦はドイツ対スペイン。台湾、キューバを破りここまで2連勝のドイツに対し、昨年の欧州王者スペインは、 前日苦手とするキューバに3-1で破れ1勝1敗。
もしスペインがドイツに勝てば、ポイント差で同じく1勝1敗のキューバに出場圏が転がり込む可能性が高い中、注目の一戦となった。
前日キューバを下し勢いに乗るドイツははじめの2セットをいずれも25-23のタイブレークの末連取したが、ここからスペインが意地を見せ、続く2セットを25-23、25-22で取り返すというシーソーゲームとなった。第5セットに入ると硬さからミスの目立つスペインをドイツが序盤から突き放し、最後は15-10で逃げ切りフルセットの戦いに終止符を打った。
|
||||
“36年ぶりの快挙”
ドイツが最後にオリンピックに出場したのは、東西分離時代に揃って出場した72年のミュンヘン 大会。この大会では東ドイツが銀メダルに輝き、西ドイツは11位だったが、オリンピックへの出場はそれ以来36年ぶり。東西統合後ドイツとしては初出場となる。
男子の出場枠はあと3つ残っており、5月30日から6月1日にかけてポルトガルのエスピーニョで行われる大会(ポルトガル、インドネシア、ポーランド、プエルト・リコ)、5月31日から6月8日まで東京で行われるアジア代表選考を兼ねた大会(アルジェリア、アルゼンチン、オーストラリア、イラン、イタリア、日本、韓国、タイ)ですべてのチームが出揃う。
<ドイツ大会結果>
1.ドイツ(6ポイント)、2.キューバ(5ポイント)、3.スペイン(4ポイント)、4.台湾(3ポイント)
● バレーボール女子: 北京オリンピック世界最終予選終了。 出場全チームが出揃う
|
||||
バレーボール女子の北京オリンピック最終予選は17日から25日まで行われ、アジア代表枠1を含む4つの最終出場国が決まった。最終日を終え3チームが勝ち点13ポイントで並んだが、得失点差でポーランドが1位、セルビアが2位、日本が3位となり、この上位3チームが北京オリンピックへの出場圏を獲得した。また、同時に5位ながらアジア代表枠としてカザフスタンの出場も決まった。女子はこれで出場全チームが確定した。
<世界最終予選最終順位>
1.ポーランド、2.セルビア、3.日本、4.ドミニカ、5.カザフスタン、6.韓国、7.タイ、8.プエルト・リコ
<北京オリンピック女子バレーボール出場国>
中国(開催国)、イタリア(W杯優勝)、ブラジル(W杯2位)、アメリカ(W杯3位)、アルジェリア(アフリカ地区代表)、カザフスタン(アジア地区代表)、ロシア(ヨーロッパ地区代表)、キューバ(北中米・カリブ地区代表)、ベネズエラ(南米代表)、ポーランド(最終予選1位)、セルビア(最終予選2位)、日本(最終予選3位)
※地域別の内訳は、ヨーロッパ4、アジア3、北中米・カリブ2、南米2、アフリカ1
● 女子サッカー: UEFAウーマンズカップ決勝、フランクフルトが3度目の優勝
|
||||
女子欧州クラブナンバーワンを決めるUEFAウーマンズカップ決勝のセカンドレグが25日ドイツのフランクフルトで行われ、FFCフランクフルトが3-2でスウェーデンのウメアIKを破り、2試合通算4-3で同大会3度目の優勝を決めた。
“試合経過”
女子の試合としては異例の27640の大観衆が見守る中、初戦敵地で1-1の引き分けに持ち込み有利なフランクフルトが前半7分に早くもポフラーズのゴールで先制。1-0のまま前半を終了すると、後半55分には再びポフラーズがスローインからのシュートで追加点をあげ2-0とリードを広げる。後がないウメアは68分にダルクイストがPKで1点を返すものの、その3分後にウインバースキーの見事なフリーキックが決まり、フランクフルトが3点目を挙げる。
しかし3-1とされたウメアも粘りを見せる。83分にオーストバーグがペナルティエリア外からミドルシュ-トを決め3-2。1点差となりウメアがあと1点挙げ同点に追いつけばアウエーゴール数で逆転優勝ということころまで追い詰めたものの、ロスタイムにバッチマンの放ったシュートは無情にもクロスバーに当たりゴールならず。結局試合はそのまま3-2で終了した。
“山口、日本人選手初のUEFAウーマンズカップ制覇ならず”
|
||||
この試合ミッドフィルダーとして先発出場した選手の中に日本人選手がいる。ウメアIKのミッドフィルダーとして出場した山口麻美選手だ。
アメリカのフロリダ州立大から今年1月にプロ選手としてヨーロッパの名門ウメアIKと契約した21歳の山口選手だが、ウーマンズカップでチームが勝ちあがるにつれて監督やチームメイトの信頼を勝ち取り、決勝戦の2戦ともに先発出場を果たしている。
決勝では惜しくも敗れたものの、世界最高峰のチャンピオンズリーグの決勝でファイナリストとしてプレーした唯一の日本人だけに実力は折り紙つきで、北京オリンピック日本代表入りの期待も高まる。
ウメアIKのチームメイトには、世界最優秀選手に選ばれたブラジル代表ストライカー、マルタなど各国の代表選手がひしめいており、世界トップレベルを肌で感じてプレーする山口選手は、なでしこジャパンにとっての秘密武器になるかもしれない。
● ハンドボール女子: EHF欧州チャンピオンズリーグ決勝
|
||||
ホーム&アウエーで行われるEHF欧州チャンピオンズリーグ女子決勝は、24日オーストリアのウイーンでセカンドレグが行われ、ホームでのファーストレグを25-24で制したロシアのズベズダ・ズベニゴロドが、アウエーでもオーストリアのヒポ・ニーダーオーストリッヒを31-29で破り連勝。2試合合計を56-53とし優勝した。1993-94シーズンに女子のチャンピオンズリーグが始まって以来、ロシア勢としては初優勝となった。
過去4回の優勝を誇り1999-00シーズン以来8季ぶり優勝を狙っていたヒポだが、今季チャンピオンズでは決勝までわずか1敗(13勝)と圧倒的な強さを見せていただけに、決勝のホーム&アウエーでのまさかの2敗は予想外の結果であった。
● 水球男子: ワールドリーグヨーロッパ地区予選
23日から25日まで、モンテネグロのブドゥヴァとセルビアのノビ・サドに分かれて行われた水球男子ワールドリーグヨーロッパ地区一次予選が終了した。
<ブドゥヴァ一次予選結果>
クロアチア3勝、モンテネグロ2勝1敗、ギリシャ1勝2敗、イタリア3敗
<ノビ・サド一次予選結果>
セルビア3勝、ルーマニア1勝2敗、スペイン1勝2敗、ロシア1勝2敗
● 水球女子: ワールドリーグヨーロッパ地区予選
23日から25日までイタリアのシラクサで、水球女子ワールドリーグ予選ラウンドが行われた。
<シラクサ予選ラウンド結果>
ロシア3勝、2勝1敗、イタリア1勝2敗、スペイン3敗
● ラグビー: プレミアシップ、プレーオフセミファイナル、1位グロスター敗れる
イングランドのラグビートップリーグプレミアシップは18日、レギュラーシーズンの上位4チームによるプレーオフ準決勝が行われ、レギュラーシーズン4位のレスター・タイガースが1位のグロスター・ラグビーを26-25で破る波乱があった。もう1試合は、2位のロンドン・ワスプスが3位のバースを21-10で下し決勝へ進んだ。
決勝戦レスター・タイガース対ロンドン・ワスプスは、31日15:00よりトゥイッケンナム・スタジアムで行われる。