ヨーロッパ・ニュース Vol.40
2008/06/10
● バレーボール男子: 北京オリンピック 世界最終予選、イタリアが最後の1枠を獲得
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男子バレーボールのオリンピック世界最終予選は8日に最終戦が行われ、アテネオリンピック銀メダリストのイタリアが、アルゼンチンをセットカウント3-2のフルセットの末下し、7戦全勝として優勝。最後の出場権を獲得した。また、アジア地区予選を兼ねた同大会でアジア出場国中最上位となった日本も、オリンピックへの切符を手にしている。
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3度の世界チャンピオンで8度のワールドリーグを制したイタリアは、1976年以降行われた全てのオリンピックに出場している。オリンピックでの成績としては、1996年アトランタ大会、2004年アテネ大会の2大会での銀メダルが最高。次いで、1984年ロサンゼルス大会、2000年シドニー大会では銅メダルを獲得している。これで北京オリンピックに出場する全12カ国が出揃った。欧州からは全体の半分の6カ国が出場する。
<世界最終予選最終順位>
1.イタリア 2.日本 3.韓国 4.アルゼンチン 5.オーストラリア 6.イラン 7.アルジェリア 8.タイ
<男子バレーボール北京オリンピック出場国>
中国(開催国)、ブラジル(W杯優勝)、ロシア(W杯準優勝)、ブルガリア(W杯3位)、エジプト(アフリカ代表)、日本(アジア代表)、セルビア(欧州代表)、アメリカ(北中米代表)、ベネズエラ(南米代表)、ドイツ(世界最終予選ドイツ大会優勝)、ポーランド(世界最終予選ポルトガル大会優勝)、イタリア(世界最終予選日本大会優勝)
● バレーボール男子: ヨーロッパ選手権2次予選、6チームがファイナルラウンドへ
2009年にトルコで行われるヨーロッパ選手権の2次予選が終了し、先にファイナルラウンド進出を決めたブルガリアとエストニアに加え、グループリーグ首位となったスロバキア、オランダ、フランス、ギリシャの、合計6チームが新たにファイナルラウンドへの進出を決めた。
● バレーボール女子: 元ポーランド代表チームのアガタ・ムロスが死去
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ヨーロッパバレーボール連盟(CEV)、およびポーランドバレーボール協会は 4日、元ポーランド代表センターのアガタ・ムロス・オルツェブスカ選手が死去したことを共同で発表し、追悼の意を表した。
191cmと長身だったムロス選手は、1982年生まれ。2003年から2006年までポーランドリーグでプレーし、ポーランドリーグ(2回)、ポーランド杯(2回)のタイトルを獲得し、2006年にはスペインの強豪ムルシア2002に移籍。移籍後はCEV杯、スペインリーグ、スペインカップのタイトルを獲得している。ポーランド代表選手としても、2003年、2005年と2大会連続で欧州選手権優勝している。
しかし、その後白血病にかかっていることが判明し、プロバレーボール選手としてのキャリアを断念。 治療をしながら、2007年には結婚、出産もしていた。
● 男子ハンドボール: 2009世界選手権クロアチア大会欧州予選、プレーオフラウンド、ファーストレグ結果
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37カ国が参加して行われている、2009世界選手権クロアチア大会 欧州予選ラウンドは大詰めを迎え、24チームによるファイナルラウンドを勝ち抜いた18チームがホーム&アウエーのプレーオフを行い、勝った9チームが本大会の出場権を手に入れる。6月7、8日にはファースレグが行われ以下の通りの結果となった。セカンドレグは6月14日に行われる。
<プレーオフファーストレグ結果>
スロベニア 33-33 スロバキア、
スペイン 32-24 ギリシャ、
ノルウェー 29-24 ウクライナ、
ベラルーシ 26-26 ロシア、
モンテネグロ 31-27 ルーマニア、
チェコ 38-33 セルビア、
ポーランド 32-24 スイス、
ハンガリー 27-25 ボスニア・ヘレツゴビナ
マケドニア 34-26 アイスランド
世界選手権の欧州出場枠は14。なお、前回大会優勝のドイツ、主催国クロアチア、2008年ユーロ(欧州選手権)上位3チーム(デンマーク、フランス、スウェーデン)の5カ国は、すでに本大会への出場が決定している。
● ラグビー: スペイン、ポルトガル合同プロリーグ、『リーガ・スーペルイベリカ』が発足
全米バスケット協会(NBA)のフランチャイズシステムを模範とした、スペイン、ポルトガル合同のラグビープロリーグ、『リーガ・スーペルイベリカ』が発足した。
リーガ・スーペルイベリカは、イベリア半島全体をテリトリーとする新プロリーグ構想で、スペインから5クラブ、ポルトガルから4クラブ、英国ジブラルタルから1クラブの計10チームが参加する。
スペインにはすでにラグビートップリーグが存在するが、プロリーグではなく、今回のプロリーグ開設には、スペインラグビー協会は関与しない。
リーガ・スーペルイベリカの開催は、トップリーグ開催時と時期をずらした3月末から6月末までとなり、同リーグの規定ではクラブの登録メンバーは35名。うち10人がプロ選手として、クラブから最低年棒4500ユーロ(72万円)を保証されることが条件とされる。商業、マーケッティング部門は、イギリス系のティールマン・スポーツ社が担当することが決まっており、収益配分やテレビ放映権、スポンサー契約もほぼ確定しているという。
プロ化の構想が始まってから12年の月日を経て、ついにスペインにもラグビーのプロリーグが発足することになる。
● スペインメディアが2016年オリンピック開催候補地のライバルを分析
マドリードは、東京、シカゴ、リオと並び、2016年のオリンピック開催候補地としてオリンピック委員会(IOC)の一次選考を通過し、正式候補として名乗りを上げた。
ヨーロッパの代表として望むマドリードは、報告書による書類審査では東京に次ぐ高得点をマークしており、オリンピック招致において東京の最大のライバルとなる可能性が高い。
ここでは、スペインのメディアによるライバル都市の分析を紹介したい。
シカゴ:
マドリードメディアが最大のライバルと見ているのがシカゴだ。84年のアメリカ、ロス五輪以来、アメリカのテレビ放映権がIOCの最大の収益源となっており(収益のシェアは約50%)、今回も候補からはずれることはまずないと見られていた。ロンドンに決まった2012年のオリンピック候補地選考では、ニューヨークが最終選考に残ったが、ロンドン、パリ、マドリードの後塵を拝した。
1904年にシカゴ五輪が開催された際のメイン会場はサン・ルイスだったが、2016年ではミシガン湖周辺の4都市、4会場に分散される予定。90%以上の参加選手が会場まで15分以内で到着できる立地のよさ、巨大なキャパシティを誇る空港施設、候補地で最大の4900万ドル(51億円)の予算などがアドバンテージである。また、シカゴはアメリカ大統領選挙の有力候補である、民主党のバラク・オバマ上院議員の出身地であるが、同氏が大統領に就任した場合の宣伝効果は絶大と思われる。
東京:
シカゴに次ぐ強敵。1964年にも東京五輪を開催しておりオリンピックの経験があり、当時の施設の一部を再開発し使用する構想もある。招致予算も潤沢で、4800万ドル(約50億円)はシカゴと肩を並べる。また宿泊施設の数、地下鉄などの交通網などインフラ面でも強さを見せる。弱点は、オリンピック招致を支持している市民がわずか60%しかいない、という関心度の低さだ。
リオ・デ・ジャネイロ:
リオは、1936、2004、2012年に続く4度目の開催地立候補となる。南米初となるオリンピック開催に向けて、前回に続いてのチャンレンジだ。最大の武器は、正式な選考条件ではないものの、各大陸持ち回りで行わるべき、とのローテーションルールだ。空港からオリンピック村、各競技会場までのアクセスのよさ、およそ80%もの市民が開催を支持していることも評価されている。
一方で、宿泊施設不足や、わずか2年前の2014年にブラジルで開催されることが決まった世界最大のスポーツイベントのひとつ、サッカーワールドカップと準備期間が重複することがマイナス材料と見られている。