ヨーロッパニュース一覧

2008-9-2

ヨーロッパ・ニュース Vol.52

2008/09/02

ラグビー: 「ラグビーはオリンピック 正式種目になるか」専門誌の分析

ロンドン市内

 ラグビー専門誌『スクラム5』が、 ラグビーが将来オリンピック正式種目として認可される可能性について分析した。
 「オリンピックは、ラグビーというスポーツが持つ唯一のスピリッツを世界に示す完璧なショーウインドウとなる。ラグビーを五輪正式種目に加えることで、新たな観客層の獲得や財源を獲得することができ、商業的にもメリットは大きい」このコメントは、IRB(国際ラグビー協会)のベルナルド・ラパセット会長が同協会の公式サイトに掲載した声明の一部である。IRBの目標は、「ラグビーをオリンピックの正式種目に復活させること」に他ならない。
 復活?そう、ラグビーは過去4大会でオリンピック正式種目だった。1900年のパリ五輪(フランス優勝)、1908年ロンドン五輪(オーストラリアとアジアの混成チーム優勝)、1920年アントワープ大会(アメリカ優勝)、1924年パリ大会(アメリカ優勝)の4大会だ。特筆すべきは、この4大会いずれも3チーム以上が参加して行われたことがないということだ。これが正式種目をはずされた大きな理由のひとつでもあるのだが、直接の原因は大会で起きたひとつの事件をきっかけにしている。
 1924年パリ大会の決勝戦はアメリカとフランスの対戦となり、スタジアムに40000人の大観衆を集めた注目の一戦となった。試合はアメリカが勝ったが、自国の敗戦に怒ったフランス人のサポーターが終了後ピッチになだれ込み、アメリカの選手たちを袋叩きにしたのだ。この事件をひとつの契機に、ラグビーはオリンピックの正式種目から姿を消し今にいたる。
 しかし、この事件が起きてからすでに80年以上も経過しており、IRBは、過去の汚点を忘れ、オリンピックで新しい歴史を作る必要があると主張している。ラパセット会長は現在多くの国を訪れ、加盟国を増やそうと活動している。この活動は徐々に実を結びつつあるとも言われ、先日閉幕した北京オリンピックでのIOC(国際オリンピック協会)との話し合いでも正式種目への復帰に手ごたえを感じたという。
 残念ながら2012年のロンドンオリンピックの正式種目はすでに確定済みで、新たにラグビーが正式種目に認定される可能性はない。IRBは、2016年に、シカゴ、マドリード、東京、リオのいずれかで行われる大会をターゲットにしてロビー活動を続けていくことになる。

来年10月2日にデンマークでIOCによる2016年オリンピック開催国が決定するが、その場で新たに2つの競技が正式種目として追加される。候補となるのは、ゴルフ、スクワッシュ、空手、野球、ソフトボール、モータースポーツ、そしてラグビーだ。



男子バスケットボール:北京オリンピック銀メダルのスペイン代表監督が辞任

 スペインバスケットボール協会は、オリンピックで銀メダルを獲得したスペイン男子代表のアイト・ガルシア・レネセス監督の辞任を発表した。同監督は、すでにスペイン・プロバスケットリーグ強豪のウ二カハの監督に就任することが内定している。
 レネセス監督は、スペイン代表監督を引き受ける前にすでにウ二カハとプレ契約を結んでいたが、同監督がスペイン代表監督に任命されたことで、北京オリンピック終了時まで契約時期を先延ばしにすることで合意していた。
 同監督は辞任発表に際して行われた会見で、辞任の理由について次のように語った。

「年間に監督して2ヶ月しか仕事ができないのは好ましくない。今はシーズンを通してチームを指揮したいという思いが強い」




ハンドボール:欧州ハンドボール開幕戦、チャンピオンズトロフィー2008

 チャンピオンズトロフィーは、 ヨーロッパのクラブチーム最高峰を競うチームによるトーナメントで、シーズンで最も権威ある大会のひとつである。
 かつてスーパーカップと呼ばれていた同大会だが、2007年よりチャンピオンズトロフィーと改称し、新たなフォーマットの大会にリニューアルされた。同トーナメントは男女ぞれぞれ開催され、欧州チャンピオンズリーグ優勝クラブ、EFHカップ優勝クラブ、カップ・ウイナーズ・カップ優勝クラブ、そしてワイルドカードとしてEHFにより選ばれたクラブの計4チームが参加し、2日間のトーナメント方式で優勝を争う。この大会は、欧州ハンドボールの新シーズン開幕戦とも言える。

<男子>
  2008年の男子チャンピオンズトロフィーは、9月20、21日にハンガリーのベスズプレンにて行われる。参加チームは、07-08欧州チャンピオンズリーグ優勝のシウダー・レアル(スペイン)、07-08EHFカップ優勝のHSGノルドホルン(ドイツ)、07-08カップ・ウイナーズ・カップ優勝のMKBベスプレム(ハンガリー)、そして07-08欧州チャンピオンズリーグ準優勝のTHWキール(ドイツ)がワイルドカードとして出場する。


<女子>
 2008年の女子チャンピオンズトロフィーは、9月13、14日の2日間、ロシアのチェクホフで開催される。参加チームは、07-08欧州チャンピオンズリーグ優勝のズベニゴロド・ズベズダ(ロシア)、07-08EHFカップ優勝のディナモ・ボルゴグラッド(ロシア)、07-08カップ・ウイナーズ・カップ優勝のラルビックHK(ノルウェー)、そしてワイルドカードとして、チャンピオンズリーグ準優勝のヒポ・ニーダーオーストリッヒ(オーストリア)の4チームとなっている。

男子バスケットボール:ユーロバスケット2009 予選ラウンド第2節

 ユーロバスケット2009一次予選ラウンドは、唯一5チームで争われるグループAが他グループに先行してスタート。ここまで3節を終了し、伏兵のブルガリアが3連勝で首位に立った。ブルガリアは強豪イタリアを81-80で下し、ハンガリー、フィンランドも破った。イタリアはセルビアにも64-78で敗れ、早くも2敗。一方、このグループで実力ナンバーワンと思われたセルビアがフィンランドに80-77で敗れる波乱があった。上位と回チームの差はまだわずかで、まだどのチームにも予選突破の可能性はある。グループB、C、Dの試合は、9月3日から始まる。
 この予選で各グループ2位までに入ったチームがファイナルラウンドに出場する権利を得る。

前回大会ユーロバスケット2007で7位までに入った7チーム(ロシア、スペイン、リトアニア、ギリシャ、ドイツ、クロアチア)はシードチームとして予選を免除され、ファイナルラウンドから出場する。

<ユーロバスケット2009 予選ラウンド組み合わせ>

グループA:

1.ブルガリア(3勝0敗) 2.セルビア(2勝1敗) 3.イタリア(1勝2敗)
4.フィンランド(1勝2敗) 5.ハンガリー(1勝2敗)

グループB: (9月3日から)

ラトビア ポルトガル エストニア マケドニア


グループC: (9月6日から)

トルコ フランス ベルギー ウクライナ


グループD: (9月3日から)

チェコ イスラエル イギリス ボスニア