ヨーロッパ・ニュース Vol.54
2008/09/23
● 男子ハンドボール:欧州チャンピオンズトロフィー、シウダー・レアルが優勝
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21日にハンガリーのベスプレムで行われたEHF(欧州ハンドボール協会)主催の欧州チャンピオンズトロフィー2008決勝は、昨シーズンのチャンピオンズリーグ覇者スペインのシウダー・レアルが地元ベスプレムを32-28で下し、優勝した。
前日の準決勝は、シウダー・レアル対キールという、昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝の再現となったが、シウダー・レアルが31-24で圧勝し、キールのリベンジを阻み決勝へ。一方のベスプレムは、準決勝でEHFカップ覇者のノルドホルンと対戦し、こちらも39-30の大差で下し決勝へと駒を進めた。
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シウダー・レアルのステルビック、ベスプレスのペリッチの2人という、世界でも有数のGKを持つ両チームの対戦となった決勝戦は、その両GKが活躍。前半は13-10とベスプレム3点リードで折り返す。
後半も15分すぎまではベスプレムペースで、一時は22-17とリードを5点差まで広げるが、そこからシウダー・レアルがヨーロッパチャンピオンの意地を見せはじめる。ここまで好セーブを見せてきたペリッチが崩れ疲れが見え始めたベスプレムは、相手に連続失点を喫し、みるみる追いつかれる。
後半残り10分は、まさにシウダー・レアルの独壇場となった。シウダー・レアルは、この日のラッキーボーイとなったコールマン、ルテンカ、ステファンソンらが次々とゴールを決め逆転に成功すると、さらに差をつけて最後は余裕で勝利をものにして、優勝を決めた。
3位決定戦は、ノルドホルンとキールのドイツ勢同士の対戦となったが、36-31でキールが勝った。
● 女子バレーボール:ヨーロッパ選手権2009、組み合わせ抽選結果
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9月25日から10月4日までポーランドの4都市で行われる女子バレーボールの欧州選手権の組み合わせ抽選会が行われた。
<ヨーロッパ選手権2009組み合わせ>
プールA (ロッツ): | ポーランド | オランダ | スペイン | クロアチア |
プールB (ロクロウ): | イタリア | ドイツ | トルコ | フランス |
プールC (ビドゴスクス): | ロシア | ベルギー | ブルガリア | ベラルーシ |
プールD (カトビック): | セルビア | チェコ | スロバキア | アゼルバイジャン |
● 女子バレーボール:ワ-ルドグランプリ2009欧州予選、イタリア、セルビアが敗退
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来年7月から4週間にわたり行われるワールドグランプリ
2009予選ラウンドに出場する欧州代表3チームを決める最終予選が、ロシアのオムスクで6チームの総当り戦で行われ、オランダ、ロシア、ドイツの3チームが出場権を獲得した。一方、北京オリンピックに出場した現世界ランキング2位のイタリア、同6位のセルビアがまさかの予選敗退となった。ヨーロッパからはこの3チームに加え、ワイルドカード枠でポーランドの出場が決定している。
<ワールドグランプリ2009 欧州予選最終結果>
※上位3チームがワールドグランプリ予選ラウンド出場
1. | オランダ(4勝1敗) | 勝点9 |
2. | ロシア(4勝1敗) | 勝点9 |
3. | ドイツ(3勝2敗) | 勝点8 |
4. | イタリア(3勝2敗) | 勝点8 |
5. | セルビア(1勝4敗) | 勝点6 |
6. | フランス(0勝5敗) | 勝点5 |
● 男子バスケットボール: ユーロバスケット2009予選ラウンド終了
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ユーロバスケット(欧州選手権)2009の本大会出場権をかけた予選ラウンドが終了し、各グループで首位となったセルビア、マケドニア、トルコ、イギリスの4チームに加え、グループ2位4チームによる敗者復活戦の上位3チームラトビア、イスラエル、ブルガリアも本選へ駒を進めた。平均スコア26.8でこの大会の得点ランキング首位となったNBAスパーズのポイントガード、トニー・パーカーを擁すフランスは敗者復活戦で最下位となり、本大会出場を逃した。
2012年のロンドン五輪に向けて強化をはかるイギリスは、わずか1年前はトップリーグの1つ下のカテゴリー、ディビジョンBでプレーしていたが、NBAブルズのルオール・デンの代表入りに成功するなど強化策が功を奏し、今回の予選ではプールD1位の成績で予選を突破して本大会への切符を手に入れ、ヨーロッパのバスケットエリートの仲間入りを果たした。
なお、本大会には、前回のユーロバスケット2007大会で上位ランキング7位までに入ったシードチーム(ロシア、スペイン、リトアニア、ギリシャ、ドイツ、クロアチア、スロベニア)とホスト国のポーランドも出場する。
<ユーロバスケット予選ラウンド結果> ※太字は本大会出場
グループA:
1. | セルビア(7勝1敗) | 勝点15 |
2. | ブルガリア(4勝4敗) | 勝点12 |
3. | イタリア(4勝4敗) | 勝点12 |
4. | フィンランド(3勝5敗) | 勝点11 |
5. | ハンガリー(2勝6敗) | 勝点10 |
グループB:
1. | マケドニア(4勝2敗) | 勝点10 |
2. | ラトビア(4勝2敗) | 勝点10 |
3. | ポルトガル(3勝3敗) | 勝点9 |
4. | エストニア(2勝6敗) | 勝点7 |
グループC:
1. | トルコ(6勝0敗) | 勝点12 |
2. | フランス(3勝3敗) | 勝点9 |
3. | ベルギー(2勝4敗) | 勝点8 |
4. | ウクライナ(1勝5敗) | 勝点7 |
グループD:
1. | イギリス(4勝2敗) | 勝点10 |
2. | イスラエル(3勝3敗) | 勝点9 |
3. | ボスニア・へレツェゴビナ(3勝3敗) | 勝点9 |
4. | チェコ(2勝4敗) | 勝点8 |
● アイスホッケー:NHLが10年後の欧州進出を計画
NHL(全米プロアイスホッケーリーグ)の、ビル・デリーコミッショナーは、「われれは、数年のうちに欧州進出への動きを加速し、10年後には欧州でリーグを開催する可能性がある」と述べ、中欧、北欧での人気が高い欧州のアイスホッケービジネスに10年計画で本格的に進出するプランを検討している事を明らかにした。デリー・コミッショナーはまた、「ぜひ実現して欲しいが、あくまでまだ可能性の段階だ。実現のためにはすべての関係者が一枚岩で進めていく必要がある」と付け加え、実現に向けては、まだ多くの調整が必要であることも認めている。
NBA(全米プロバスケットボールリーグ)、MLB(全米プロベースボールリーグ)、NFL(全米プロフットボールリーグ)に次ぐ、アメリカで4番目の人気を誇るスポーツであるNHLのアイスホッケーリーグでは、多くの欧州出身のスター選手が活躍しており、マーケットをさらに広げるために欧州の市場はぜひ欲しいところだろう。