ヨーロッパ・ニュース Vol.56
2008/10/07
● 男子ハンドボール:EHF欧州チャンピオンズリーグ開幕
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ヨーロッパクラブチームナンバーを決めるEHF(欧州ハンドボール協会)主催の欧州チャンピオンズリーグ男子、グループリーグが10月2日に開幕した。第1節では、昨シーズン優勝のシウダー・レアル、準優勝のキールをはじめ、バルセロナ、ハンブルグ、ポートランドなど強豪チームはいずれも危なげない戦いで勝利を飾ったが、グループFでドイツのフレンスブルグ・ハンドビッドが、ハンガリーのベスプレムに29-28で敗れた。
● 女子ハンドボール:EHF欧州チャンピオンズリーグ予備予選終了、
本選出場チーム出揃う
女子のチャンピオンズリーグは5日に予備予選ラウンド全試合を終了し、HCポドラブカ・ベジェタ(クロアチア)、メツ・ハンドボール(フランス)、イカスト・ブランド(デンマーク)、FCKハンドボルド(デンマーク)の4チームが各グループの首位となり、チャンピオンズリーグ・グループリーグへの出場権を獲得した。この結果、本大会へ出場する16チームが出揃った。
<チャンピオンズリーグ予備予選結果>
グループ1
1.HCポドラブカ・ベジェタ(クロアチア)Q 2.HCライプチヒ(ドイツ)
3.イチャコ(スペイン) 4.オムニ・ルーパトラ(ギリシャ)
グループ2
1.メツ・ハンドボール(フランス)Q 2.ビヤーセンHE(ノルウェー)
3.HCディナモ(ロシア) 4.ミリ・ピヤンゴ(トルコ)
グループ3
1.イカスト・ブランド(デンマーク)Q 2.ルルメントイ・ブラソフ(ルーマニア)
3.SPRルビン(ポーランド) 4.SKPブラティスラバスロバキア)
グループ4
1.FCKハンドボルド(デンマーク)Q 2.ドゥンアファーNK(ハンガリー)
3.HCモトール(ウクライナ) 4.HCナイサ・ニス(スロベニア)
● マドリードが2016年オリンピック招致に向け、積極的な活動を開始
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2016年のオリンピック開催地として立候補しているスペインのマドリードは、来年行われる最終投票を前に、市長のアルベルト・ルイス・ガジャルドン氏(写真)を中心に精力的な招致活動を予定している。
マドリードは、2009年の10月2日にコペンハーゲンで行われるIOC(国際オリンピック委員会)の最終投票に向けて、リオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)、シカゴ(アメリカ)、東京(日本)とともに最終候補地として開催国を争っている。ガジャルドン氏は、先にIOCおよび各競技協会から指摘されたいくつかの改善要望の項目について、これを受け入れることを表明。これにともなって、いくつかの競技会場について、見直しおよび変更を行う意向を示した。変更が予定されているのは、柔道、テコンドー、ハンドボール、新体操、漕艇、ヨット、および水泳会場の収容人数についてとなっている。
ガジャルドン氏は今週、ラテンアメリカ、北米、カリブ諸国に対するマドリードへのオリンピック招致活動の一環として、メキシコのアカプルコを訪れる予定だ。その後も、アジア(インドネシア)、ヨーロッパ(トルコ)、アフリカ(ナイジェリア)、オセアニア(ニュージーランド)でのプロモーション活動が予定されている。
ガジャルドン氏によると、2016年のオリンピック開催に必要なインフラのうち70%はすでに完成しており、現時点で2016年での開催準備が整っていることは大きなアピールとなると考えている。マドリード市はこの誘致のために、2年前から市街地中心地、およびリバーサイド地区の開発を進めている。また、マドリード以外にも、ヨット競技の開催地としてバレンシアが候補地に挙がっているほか、サッカーの予選開催地として、コルドバ、メリダ、バルセロナ、マラガ、パルマ・デ・マジョルカらの都市での開催が検討されている。サッカーの決勝戦会場としては、サンティアゴ・ベルナベウスタジアムが有力だ。マドリードにとっては、1972年、2012年に続く3度目のオリンピック招致への挑戦となる。
● アイスホッケー:NHLヨーロッパで開幕戦
ヨーロッパでの開幕なった今季のNHL(全米プロホッケー協会)オープニングゲームがチェコのプラハとスウェーデンのストックホルムで開催され、大勢の地元ファンが詰め掛けた。
プラハでは4日、アイスリンクに17000人のファンを集めてニューヨーク・レンジャーズとタンパベイ・ライトニングスの試合が行われ、レンジャーズが2-1で勝った。また、ストックホルムではオタワ・セネターズとピッツバーグ・ペンギンズの試合が行われ、セネターズが3-1で開幕戦を飾った。
● バスケットボール:NBAヨーロッパツアー2008、来週からはじまる
昨年に続き、今年もNBAチームによるヨーロッパツアーが来週からはじまる。昨年まではNBAチーム対欧州の地元クラブの対戦が組まれていたが、今年はいずれもNBA同士の対戦となっている。今年は、パリ、ロンドン、ベルリン、バルセロナの4都市で計4試合が行われる。
<NBAヨーロッパツアー2008日程>
10/9 ニュージャージー・ネッツ 対 マイアミ・ヒート
10/12 ニュージャージー・ネッツ 対 マイアミ・ヒート
10/14 ニューオリンズ・ホーネッツ 対 ワシントン・ウィザーズ
10/17 ニューオリンズ・ホーネッツ 対 ワシントン・ウィザーズ
● サッカー:ポーランドのユーロ(欧州選手権)
2012開催国資格剥奪の危機、直前で回避
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ウクライナとともに2012年のユーロ(欧州選手権)共同開催国に決定しているポーランドで、同国サッカー協会に不正行為があったとの理由によりスポーツ省大臣ミロスロー・ドゥレゼビスキー氏が同協会の解散、および臨時執行部の設立を命じるという非常事態が発生し、同国協会の役員との間で対立していた問題で、6日、ポーランド政府と同国サッカー協会は、FIFA(国際サッカー連盟)に対し、共同の書簡を送り、「今後、ポーランド政府が同協会に対して政治的介入を行わない」ことを約束した。これを受けて、政府が設置した臨時執行部は解散し、月末に予定されている役員選挙までの間、第三者によって組織された管理委員会が運営を代行する。
先週、この問題に対し、UEFA(欧州サッカー連盟)は声明を発表し、「(サッカーの国際統括団体である)FIFA(国際サッカー連盟)の規約には、『スポーツへのいかなる政治的介入も認められない』ことが明示されており、6日までにすみやかに事態の収拾が図られ、同国協会が正常化しない場合には、UEFAはポーランドのユーロ開催権を剥奪する可能性を検討しなければならない」と警告を発していた。またFIFAも、事態の収拾がはかられなければ、次回2010年のワールドカップからの出場権剥奪の制裁を行う可能性を示唆していたが、回答期限最終日の6日になって政府、協会双方が歩み寄る形でFIFAに回答し、制裁の危機を逃れた。
● ラグビー:2015年ラグビーワールドカップ開催国に過去最高の8カ国が立候補
IRB(国際ラグビー協会)は1日、2015年ラグビーワールドカップの開催国への正式立候補国が、過去最高の8カ国にのぼることを発表した。
開催国に立候補した8カ国は、オーストラリア、アイルランド、イタリア、日本、ロシア、スコットランド、南アフリカ、ウェールズとなっている。今回の立候補国は、同時に2019年の開催国の対象ともなる。なお、立候補を表明していたジャマイカからの申請は却下された。
IRBのベルナール・ラパセット会長は、「このように多くの国から開催の立候補があったことは過去にも例がない。ラグビーワールドカップに対し、世界的に人気が高まっていることの証だ」と述べた。また、IRBは今回はじめて2大会連続の開催国を決定するが、これは大会国に十分な準備期間を与えるための方針だという。開催国は2019年の7月に決定する。なお、次回2011年のワールドカップ開催国には当初日本が決まっていたが、2005年11月に行われた投票で取り消され、その後、1987年に同大会を開催しているニュージーランドに決定している。