ヨーロッパニュース一覧

2008-11-18

ヨーロッパ・ニュース Vol.61

2008/11/18

ラグビー:国際テストマッチ、南半球勢の優位続く。各地で欧州勢を圧倒

欧州ラグビーの聖地トウィッケナム

 週末、欧州各地で国際テストマッチが行われたが、15日にトウィッケナムで行われた注目の一戦イングランド対オーストラリアは、オーストラリアが“聖地”で28-14とイングランドを下した。
 オーストラリアのフライハーフ(=日本ではスタンドオフ)のマット・          欧州ラグビーの聖地トウィッケナム
 ギテウは、この試合が6PGなどで20ポイントを挙げる活躍を見せ、ワラビーズの勝利に貢献した。同じ日にダブリンの
クローク・パークで行われたアイルランド対

ニュージーランドも、オールブラックスが後半地力をみせアイルランドを圧倒し、22-3で完勝した。オールブラックスは対欧州勢22戦無敗を続けている。アルゼンチンを迎えたイタリアも14-22で敗れるなど、欧州勢が相次ぎ敗れる中、現世界王者の南アフリカ相手に健闘を見せたのがスコットランドだった。エジンバラのマレーフィールドで行われた一戦は、スコットランドにとってはプレッシャーがかかる試合となった。ここで負ければ世界ランキング8位以内を確保できなくなり、2011年ワールドカップの抽選でシード権を得られなくなってしまうからだ。しかしスコットランドはそのプレッシャーをはねのけ、前半を10-0のリードで折り返すが、後半に力尽きて最後は14-10で破れ、サプライズを起こすことはできなかった。
 来週22日には、イングランド対南アフリカ、フランス対オーストラリア、そして6カ国対抗優勝のウェールズがオールブラックスに挑戦する。

<欧州テストマッチ結果>

11/15 アイルランド 3-22 ニュージーランド
11/15 イタリア 14-22 アルゼンチン
11/15 イングランド 14-28 オーストラリア
11/15 スコットランド 10-14 南アフリカ
11/15 ウェールズ 34-13 カナダ
11/15 フランス 42-17 太平洋諸島選抜




ラグビー:2011年ワールドカップ・ニュージーランド大会欧州予選

<ラグビーW杯欧州予選ラウンド結果>

11/15 スペイン 22-11 ドイツ
11/15 ブルガリア 8-11 イスラエル
11/15 リトアニア 33-0 スイス
11/15 チェコ 13-7 ポーランド





男子ハンドボール:欧州チャンピオンズリーグ第5節


 男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグ(CL)グループラウンドは第5節が行われ、残り2節となって出場16チームのうち12チームがメインラウンド進出を確定した。メインラウンドに駒を進めた12チームは、シャンベリ(フランス)、シウダー・レアル(スペイン)、MKBベスプレム(ハンガリー)、GOCスベンボリ(デンマーク)、THWキール(ドイツ)、FCバルセロナ(スペイン)、HSVハンブルグ(ドイツ)、SGフレンスブルグ(ドイツ)、アデマール(スペイン)、モンペリエ(フランス)、HCクロアチア・サグレブ(クロアチア)、レーン・ネッカー・レーベン(ドイツ)
 グループAのシャンベリ、グループBのシウダー・レアル、グループCのTHWキール、グループDのHSVハンブルグはいずれもここまで5戦全勝で予選通過を確定している。グループBの最終戦では、全勝のTHWキールが、すでにアウエーで破っているFCバルセロナをホームに迎える注目の一戦が行われるが、両チームともに予選通過が確定しているだけに消化試合となる可能性もある。最後までもつれているのがグループEだ。第5節のホームゲームでポートランドを破れば予選突破が決まったステアウア・ブカレストだったが、ポートランドが土壇場でふんばり28-29と接戦を制し、グループ2位に浮上。グループEは、現在チェフォブスキー・メドベディ、ポートランド、ステアウア・ブカレストの3チームが勝ち点6で並んでいるが、瀬戸際でしのいだポートランドは最終戦、予選敗退が確定しているRKシモス・コッパーをホームに迎える楽な組み合わせで優位に立つことになった。逆に王手をかけていたステアウアは、この敗戦により最終戦で首位のチェフブスキーにアウエーで引き分け以上の結果を求められることになり、一気に予選突破が苦しくなった。いずれにしても、来週の最終節でメインラウンドに進む残りの4チームが決まる。




● 女子ハンドボール: 欧州チャンピオンズリーグ、グループラウンド第3節

 4グループに分かれて行われている今季の女子ハンドボール欧州チャンピオンズリーグ(CL)グループラウンドは、週末に第3節が行われ、接戦が予想されたグループAで、2004-05シーズン以来のCL返り咲きとなったデンマークのイカスト・ブランデが旋風を巻き起こしている。イカストは、昨シーズンのディフェンディングチャンピオン、ズベスダ・ズベニゴルド(ロシア)、ファイナル4のギョーリ・アウディ(ハンガリー)をいずれも31-25(ホーム)、25-27(アウエー)で撃破し、3連勝でグループ首位に立つサプライズを演じている。ここまで3連勝しているもう1チームは、グループBのヒポ・ニーダーオーストリッヒ(オーストリア)。昨シーズンのような予選での圧倒的な強さは影を潜めているものの、メインラウンド出場に向けて準備は万端だ。反対に、昨シーズンファイナル4のロシアのHCラダはスタートでつまずき、現在グループCの中で1勝2敗と最下位に沈んでいる。女子のCLは、いったんここで1ヶ月半のインターバルに入り、来年の1月2日から再開する。



女子サッカー: UEFAウーマンズカップベスト8セカンドレグ



 欧州の女子クラブナンバーワンを決めるUEFAウーマンズカップのベスト8、4試合のうち3試合が行われ、ズベズダ2005(ロシア)、ウメアIK(スウェーデン)、FCR2001デュイスブルグ(ドイツ)の3チームが勝ち、来年3月末から行われるベスト4ラウンドに駒を進めた。
 デンマークのブロンビーにアウエーでゴールラッシュをあびせ2-4で勝利したズベズダは、ホームでも3-1と勝利し、2戦合計7-3でベスト4ラウンドへ。同国対戦となったフランクフルト対デュイスブルグは、昨シーズンのチャンピオン、フランクフルトに対し、今大会初出場のデュイスブルグが2連勝で女王を下し、文句なしの堂々のベスト4入り。注目の組み合わせとなったアーセナルとウメアIKは、この大会過去2回の優勝経験を持つ名門アーセナル(イングランド)がファーストレグを3-2とものにしたものの、2007年のファイナリスト、ウメアはセカンドレグで、2007年UEFA女子最優秀選手のブラジル人FWマルタが前半ハットトリックを決めるなどアーセナルを圧倒。この試合を6-0の大差で制したウメアが合計8-3でベス4へ勝ち進んだ。残り1試合、リヨン(フランス)対バルドリーノ(イタリア)は18日に行われるが、アウエーのファーストレグで0-5と完勝したリヨンの勝ちぬけが濃厚だ。

<UEFAウーマンズカップベスト8結果>  ※太字が勝ち抜けチーム 

トータルスコア ファーストレグ セカンドレグ
ブロンビー 3-7 ズベズダ2005 2-4 1-3
アーセナル 3-8 ウメアIK 3-2 0-6
フランクフルト 1-5 FCR2001デュイスブルグ 1-3 0-2
バルドリーノ オリンピック・リヨン 0-5 ※11/18

野球:イタリアが2009年ワールドカップ開催を積極PR


 イタリアは、2009年の10月10から27日まで欧州7カ国(イタリア、オランダ、チェコ、スペイン、スウェーデン、ドイツ、ロシア)をまたいで開催されるベースボール・ワールドカップのプロモーションを積極的に行っている。13日に開かれた同大会のプロモーションイベントに出席したフランコ・フラッティーニ、イタリア外務大臣は、「われわれは、このような多くの国が集まる大会を主催することができ誇りに思う。“卓球外交”同様、野球もスポーツ外交のひとつとして重要な役割を果たすものと考える。実際、野球がきっかけで、フィデル・カストロ体制下のキューバとアメリカが話し合いを持つにいたったという事例もある」と述べ、野球の重要性を強調した。
 このイベントにはフィラッティー二外相のほか、イグナシオ・ラ・ルシア防衛大臣、ステファニア・プレスティジャコモ環境大臣らも、イタリア代表チームの揃いの青いジャケットを着て出席した。
 この大会には、世界20カ国が参加して行われるが、イタリア野球協会はこのイベントを、2016年のオリンピックで公式競技へ返り咲くためのアピールの場として絶好の機会と考えている。アマチュア選手だけによるこの大会は、もともとキューバで開催されることが決定されていたが、野球が2012年のロンドン・オリンピック公式競技からはずれたことを受け、次期オリンピックへの復帰活動の一環としてヨーロッパ開催に変更された。イタリアはこの大会に向けて、ロ-マに新スタジアムを建設。MLB(アメリカメジャーリーグベースボール)の公式戦誘致も視野に入れており、今後、同国での野球人気を掘り起こす起爆剤にしたい考えだ。
 イタリアはまた、来年3月に行われるWBC(ワールドベースボールクラシック)に向けても積極的に準備を進めている。すでに、元大リーガーオールスター選手のマイク・ピアザに打撃コーチを打診しているほか、イタリア代表チームに、ロサンゼルス・エンゼルスのジャスティン・スペイアー投手およびマイク・ナポリ捕手、ミネソタ・ツインズのニック・プント遊撃手、コロラド・ロッキーズのマイク・ガジョ投手ら大リーグの選手を加入させるための交渉を行っている。
 IOC(国際オリンピック委員会)は、来年のワールドカップの後、コペンハーゲンで2016年のオリンピックでソフトボールと野球を2016年のオリンピック公式種目に選定するかどうかの最終決定を下す。