ヨーロッパ・ニュース Vol.63
2008/12/02
● ラグビー:2011年ラグビーW杯組み合わせ抽選速報
|
||||
12月1日、ロンドン市内に設置された“ジャイアント・ラグビー・ボール”会場にて、2011年ラグビーワールドカップ・ニュージーランド大会の組み合わせ抽選が行われた。すでに、IRB(国際ラグビー連盟)の世界ランキングによる結果から12ヶ国が同大会出場のシード権を得ており、第一グループはニュージーランド、南アフリカ、オーストラリア、アルゼンチンの南半球勢4カ国が、第二グループにはウェールズ、イングランド、フランス、アイルランドが、第三グループにはスコットランド、フィジー、イタリア、トンガがそれぞれ振り分けられていた。
<2011年ラグビーワールドカップ組み合わせ抽選結果>
グループA:
ニュージーランド、フランス、トンガ、アメリカ予選地区1位、アジア予選地区1位
グループB:
アルゼンチン、イングランド、スコットランド、ヨーロッパ地区予選1位、プレーオフ勝者
グループC:
オーストラリア、アイルランド、イタリア、ヨーロッパ地区予選2位、アメリカ地区予選2位
グループD:
南アフリカ、ウェールズ、フィジー、オセアニア地区予選1位、アフリカ地区予選1位
● ラグビー:イングランドがニュージーランドにも大敗
|
||||
ラグビーの国際テストマッチは29日、グランドスラムをかけたニュージーランドがイングランドの聖地トゥイッケナムに乗り込んだが、結果は6-32でニュージーランドの圧勝。イングランドは、
南アフリカに続き、オールブラックスにも敗退した。これによって、ニュージーランドは2005年以来3度目のグランドスラムを達成した。もう1試合は、ウェールズがミレニアムスタジアムでオーストラリアを21-18で破り、欧州勢で唯一、南半球の3強に土をつけ、3強相手の連敗を11で、対オーストラリア戦過去16試合で初めての勝利を挙げた。
この2試合で2008年度のニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの欧州ツアーは終了したが、6カ国対抗相手の戦績は10勝1敗だった。イングランドはこのシリーズ、初戦の太平洋諸島選抜にこそ勝ったものの、オーストラリア、南アフリカ、ニュージーランドに3連敗、トータルスコアは26-102と散々な結果に終わったが、将来に向けた若手育成を目的に選手起用を行うなど、大敗にもある程度の手ごたえを感じているようだ。
● 女子サッカー:ユーロ2009フィンランド大会抽選結果
来年夏8月23日から9月10日にかけて行われる女子サッカーの欧州選手権ユーロ2009フィンランド大会の抽選会がヘルシンキで行われた。注目されるのは、1995、1997、2001、2005年大会のチャンピオンのドイツと、前回大会準優勝のノルウェーが同じB組に入ったことだろう。また、スウェーデン、イングランド、ロシア、イタリアと強豪揃いのグループCも混戦が予想される。
開催国フィンランドはデンマークと開幕戦を戦う。
<2009女子ユーロ組み合わせ>
グループA: フィンランド、ウクライナ、デンマーク、オランダ
グループB: ドイツ、アイスランド、ノルウェー、フランス
グループC: スウェーデン、イングランド、ロシア、イタリア
● 男子ハンドボール:チャンピオンズリーグ、メインラウンド組み合わせ決まる
男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグ、メインラウンドの抽選会が25日、ウイーンのEHF(欧州ハンドボール協会)本部で行われた。4つのグループに分かれて争われるメインラウンドで最も厳しいグループとなったのはグループ4だ。このグループには、昨シーズンの王者シウダー・レアル、準優勝THWキールに加え、グループラウンドでもキールと同じ組だったスペインの名門FCバルセロナが入り、まさに死のグループとなった。メインラウンドは来年2月11日からスタートする。
<欧州チャンピオンズリーグメインラウンド組み合わせ>
グループ1:
HSVハンブルグ、チェホフスキ・メドゥベディ、FCKハンドボルド、ポートランド・サンアントニオ
グループ2:
レーンネッカー・レーベン、シャンベリ・サボイHB,クロアチア・サグレブ、セルジュ・ラスコー
グループ3:
レアル・アデマール、フレンスブルグ・ハンドヴイット、モンペリエHB、ベスプレム
グループ4:
シウダー・レアル、THWキール、GOGスベンボリ、FCバルセロナ
● 男子バスケットボール:2014年世界選手権開催候補はスペイン、中国、イタリアの3カ国に
FIBA(国際バスケットボール協会)の発表によると、2014年に行われる男子バスケットボール世界選手権の開催候補地として名乗りをあげていたフランスおよびデンマークが立候補を辞退したため、開催地の正式候補はスペイン、中国、イタリアの3カ国となった。3カ国の協会は、12月5日にジュネーブで正式候補としてプレゼンを行う予定だ。この後、FIBAの評価委員会が詳細を検討し、2009年5月23日にイスタンブールでメンバーによる最終投票が行われることになっている。
● ラグビー:オーストラリアのSOギタウ、フランスからのビッグオファーに揺れる
|
||||
オーストラリア代表スタンドオフ(フライハーフ)のマット・ギタウにフランスのバヨンヌから1000万オーストラリアドル(約650万ドル)というビッグマネーで移籍の打診があった。ギタウは今後2週間このオファーを検討することになるが、移籍を受ける場合には、オーストラリアラグビー協会に正式に申請を出さなければならない。
オーストラリアプレス協会によると、29日にカーディフで行われたウェールズ対オーストラリアのテストマッチ後(21-18でウェールズが勝利)、同クラブからギタウに4年契約で960〜980万オーストラリアドル(約6億円)のサラリーでのオファーがあったという。
ギタウは、「このような魅力的なオファーがあれば、どこであろうとも話し合いに応ずることを考えるだろう。われわれは何度かトライアルを行っていたが、正直そんなに真剣には考えていなかった。しかし、来週、いや次の2週間、このオファーについて真剣に考えたい」とコメントしている。
とはいえ、現在26歳のギタウは、オーストラリアナショナルチームのジョン・オニールCEOが、「2011年のW杯後までは、他の国のクラブと一時的に契約することを認めない」ことを十分理解しており、「難しい決断になる」と考えている。
ギタウは、オーストラリアに戻るか、欧州の地でこの魅力的なオファーをとるかの決断をしなければならないことになる。ギタウは、「ワラビーズのユニフォームを着ることには値段などつけられない。僕はまだワラビーズのためにプレーしたいという強い意欲にあふれているし、これからもそう思い続けるだろう。その気持ちは、デビュー戦も今夜の65試合目の試合でも変わる事はない」と述べ、オファーを受けるべきかどうか迷っていることを示唆した。
ギタウは現在、パースを基点とした“スーパー14チ-ム”により構成されるウェスタン・フォ-スでプレーしており、2009年シーズン末までの契約を残している。
● 男子バスケットボール:ロシアのクラブチーム、原油価格急落で危機
ロシアのプロバスケットリーグのうち、石油関係の会社と関わりを持ついくつかのクラブチームが最近の急激な原油価格の下落を受けて危機に面している。今年、NBAのラプターズから年棒300万ユーロ(約3億6000万円)でスペイン代表ホルヘ・ガルバホサを獲得したBCキーミーもそのうちのひとつだ。キーミーは、ガルバホサの他にもアルゼンチン代表のデルフィーノを400万ユーロ(約4億8000万円)で獲得。チームがユーロリーグの試合に遠征する時はプライベートジェットをチャーターし、選手ひとりひとりに町の一等地にあるマンションを与え、お抱え運転手をつけるなど好待遇で知られていたが、ここのところ、こうした費用の支払いに滞りがでてきているという。
デルフィーノは、先月の給与が未払いであることに抗議してプレーすることを拒否、クラブにとって大きな問題となっている。
同じような問題はキーミーだけでなく、CSKAモスクワ、ディナモ・モスクワ、トリンプ、ロコモティフ・CSK WSサマラといった他のチームでも起こっている。これらのクラブは、スポンサーとなっている石油資源会社の経済支援を受けて大物補強を実施していたが、クラブは選手とUSドルで契約しているのに対し、スポンサーとはルーブルで契約しているため、為替の変動によって選手への支払い資金の捻出が難しくなっているという。
● 男子バスケットボ-ル:ギリシャプロバスケットリーグ選手協会がストを計画
ギリシャの男子プロバスケットボールリーグ選手協会は、来年1月3日から、1部リーグおよび2部リーグに所属する選手が期限未定のストに入ると発表した。選手たちは、2部にあたるA2リーグのプロリーグ化問題が解決するまで、リーグ戦、ギリシャカップの試合をボイコットするという。
A2は、以前はプロリーグであったが、ここ数年はプロリーグと認められていない。これに選手会が反発。プロかどうかによって、怪我をした際の補償や保険などが変わってくるため、選手会は「プロ化」の復活に向けて政府のスポーツ省と話し合いを要望していたが、これに応じてもらえないことから、ストの実施を決定した。
● スペイン首相が“スポーツ省”設立を約束、2016年オリンピック誘致にむけて好材料
|
||||
スペインのホセ・ルイス・ロドエイゲス・サパテロ首相は、次の内閣改造のタイミングで新たに“スポーツ省”を設立することを公約した。先週、テニスの国別対抗戦デビス・カップでスペインが優勝するなど、ここ数年スペインスポーツ界は目覚しい成長をとげており、さらなるスポーツの発展、選手育成、スポーツに関する法整備などを目的に、スポーツに特化した独立した専門省の設立が必須との声が高まっていた。この首相の発言に、スペインのスポーツ界はこぞって歓迎の意を表しており、2016年オリンピック誘致を目指しているマドリードのガジャルドン市長も、「オリンピック招致活動に有利に働く」としてこの動きを支持することを表明している。