ヨーロッパニュース一覧

2009-2-10

ヨーロッパ・ニュース Vol.72

2009/02/10

男子ハンドボール:ルーマニア代表ピボットのコスメ選手が殺害される

世界選手権でのコスメ選手

 ルーマニアのメディアによると、同国代表ピボットのひとりで、ハンガリーのベスプレムでプレーするマリアン・コスメ選手(26)が8日未明、ベスプレム市内のディスコの前で刺され、その後移送された病院で死亡が確認された。
 同選手は、チームメートらとともに市内のディスコに祝杯をあげに出かけたが、店内で約30人の男たちとけんかになり、男のうちのひとりが刃物で同選手の胸を一突きしたという。また、事件当時コスメ選手とともにおり、けんかを止めるため仲裁に入ろうとした同僚のクロアチア代表イバン・ペシッチ選手、セルビア人のザルコ・セスモン選手も重傷を負い、病院へ運ばれた。ペシッチ選手は腹を刃物で刺され、肝臓摘出の手術を受けたほか、セスモン選手も頭部を強く蹴られ、頭蓋骨にひびが入る大けがを負ったが、幸い両選手とも危険な状態からは脱した模様。
 コスメ選手は、ディナモ・ブカレストからハンガリーチャンピオンのベスプレムへ移籍。2002年からはルーマニア代表入りしており、先日まで行われていたクロアチアの世界選手権にも出場していた。この訃報を受け、ルーマニアハンドボール協会のクリスティアン・ガトゥー会長は直ちに声明を発表し、殺害されたことへの遺憾の意と、家族に対する弔意を表明するとともに、今後、協会として残された家族をサポートしていくことを検討していくと発表した。
 一方、隣国のオーストリア警察は9日、オーストリアへ続くハイウエーでこの事件の容疑者と見られるハンガリー人の男2人、女1人を拘束したという。容疑者は近々ハンガリー警察へ移送される。




男子バレーボール:コッパ・イタリアファイナル8、優勝はマチェラッタ


 セリエAのチームによるコッパ・イタリア(イタリア杯)男子の最終ラウンド、ファイナル8が1月28日からフォルリで開催され、2月1日に行われた決勝戦では、ディフェンディングチャンピオンのルーベ・バンカ・マチェラッタがブレ・バンカ・クネオを3-1で破り、2連連続で同大会を制した。
 最初のセットを25-21で奪ったマチェラッタは、波の激しいバレーで第2セットを15-25で落としてしまう。しかし、その後は25-20、25-23で2セットを連取し、8100人の観衆から祝福を受けた。


<イタリア杯ファイナル8結果>
=準々決勝=

ルーベ・バンカ・マチェラッタ 3-0 トンノ・カリッポ・バレンティア
コプラ・ピアツェンサ 3-0 アックア・パラディソ・モンティチアーリ
イタス・トレンティーノ 2-3 シスレー・トレビソ
ブレ・バンカ・クネオ 3-1 マルミ・ベローナ


=準決勝=

ルーベ・バンカ・マチェラッタ 3-1 コプラ・ピアツェンサ
シスレー・トレビソ 2-3 ブレ・バンカ・クネオ


=決勝=

ルーベ・バンカ・マチェラッタ 3-1 ブレ・バンカ・クネオ





バレーボール:Vリーグ梅野会長が欧州視察


 1月30日から2月6日にかけて、Vリーグの梅野会長、梅北事務局長がイタリアとスペインを視察した。昨年就任した梅野会長にとってはVリーグ会長としてのはじめての海外視察となるが、会長自ら現地に足を運び、視察することで、海外のリーグ運営や現地事情に対する見聞を広め、優れたシステムを日本で導入するなど、今後のVリーグ運営で生かしたいと考えている。

<イタリア:コッパ・イタリア視察>
 
イタリアでは、フォルリで行われたセリエA男子コッパ・イタリアのファイナル8の準決勝、決勝戦を観戦。同時に行われたファン向けのイベント“バレーランド”の視察も行った。ファイナル8では、かつて東レアローズでプレーしていたニコロフ選手が所属するクネオが決勝戦に進出したが、惜しくも決勝で敗れた。またその間、イタリア・セリエAのディエゴ・モスナ会長とも会談したほか、その後、現在セリエA女子ベルガモに所属する荒木絵里香選手の激励にも訪れた。

<スペイン:ウニカハ・アルメリア訪問>

 一行はその後スペインのアルメリアへ渡り、スペイン・スーペルリーガ男子の名門クラブ、ウニカハ・アルメリアを訪問し、同クラブより熱烈な歓迎を受けた。同クラブには、2007年に日本人選手として唯一スペイントップリーグでプレーした東レアローズの柴田恭平選手が所属していたこともある。また、かつてラファエル・パスカル選手が、パナソニックパンサーズでプレーする前に同クラブに在籍していたこともあり、日本への興味は強い。
 アルメリア滞在中、一行は同クラブ会長のラモン・セデーニョ氏、スペインバレーボール協会のハビエル・エンカルナシオンGMらと密度の濃いミーティングを行い、両国リーグのシステム、大会運営など多くの話題について積極的な意見交換を行った。アルメリア訪問の最終日には、ウニカハ主催の歓迎パーティが行われ、アンダルシア州スポーツ局の議員やアルメリア県のスポーツ局長など地元スポーツ界の重鎮が顔を揃え、日本のバレーボール関係者、Vリーグへの関心の高さを伺わせた。今後は、両国のバレーボール界、リーグ間の関係発展のための交流や協力関係など、継続的な関係が続いていくことが期待されている。




ラグビー:6カ国対抗戦、初戦でフランスがアイルランドに敗れるサプライズ

 ヨーロッパ最大のラグビーイベント、6カ国対抗戦が7日からはじまり、1回戦3試合が行われた。
 7日に行われたアイルランド対フランス戦では、フランスが21-30でアイルランドに敗れる波乱の幕開けとなった。アイルランドがフランスに勝ったのは2003年3月以来、7戦ぶりのこととなる。また、昨シーズンに続いて2連覇を目指すウェールズは、アウエーで26-13とスコットランドを退け、順調なスタートを切った。

<6カ国対抗戦 1回戦結果>

2/7 イングランド 36-11 イタリア
2/7 アイルランド 30-21 フランス
2/8 スコットランド 13-26 ウェールズ





ソフトボール:国際ソフトボール協会が欧州に初の拠点を開設


 国際ソフトボール協会は6日、ヨーロッパに初めてとなる拠点を開設し、オリンピック公式競技種目への復帰を目指して第一歩を踏み出した。同協会の欧州支部は、IOC(国際オリンピック委員会)をはじめ、世界のスポーツ協会、団体の本拠地がひしめくスイスのローザンヌに開設された。
 同協会の本部機能は今後も引き続きアメリカのフロリダに置かれるが、欧州内ではすでに、イタリアとロシアに地方練習センターが設置されている。
 ソフトボールと野球は、2012年のロンドンオリンピックでは公式種目から除外されており、同協会は2016年のオリンピックでの復活に向け、積極的なロビー活動を進めていきたい考えだ。しかし、同一競技として共に公式種目入りを目指す野球では、相次ぐ(米国での)ドーピング問題や、トップ選手が出場しない国があるなど、ソフトボールの足を引っ張りかねない不祥事やマイナス要因も多く、オリンピック種目復活への見通しは必ずしも明るいものとはいえない。




男子バレーボール:ブラジル人スター、ジバがロシアからブラジルリーグへ移籍か

 男子バレーボールのブラジル代表主将ジバは6日、現在所属するロシアリーグのイスクラ・オディンツォボからブラジルのクラブチーム移籍に向けて交渉が行われていることを認めた。
 2004年のアテネオリンピック、2008年の北京オリンピックでブラジル代表に2大会連続の金メダルをもたらしたスターは、来季からブラジル南部サンタ・カタリーナ州にあるフロリアナポリスでプレーする可能性を探っている。ジバは自身の公式ブログの中で、「今年、間違いなく移籍交渉は進んでいくだろう。ロシアのチームとの契約はまだあと1年残っており、まだ公式には何も決まっていないが、ブラジルへ戻してプレーする可能性はきわめて高い」とコメントしている。ジバは、もともと今季2008-09シーズンからフロリアナポリスでプレーすることで同クラブと合意していたが、オディンツォボとの間で交わしている現在の契約を破棄することにより違約金が発生することから、移籍を断念し、残留を決めた経緯がある。ヨーロッパから活躍の場を母国に求める代表選手はジバだけではない。今季すでに、センタープレーヤーのアンドレ・エレール、スパイカーのアンドレ・ナシメントがヨーロッパを離れ、母国のトップリーグでプレーしている。