ヨーロッパニュース一覧

2009-2-17

ヨーロッパ・ニュース Vol.73

2009/02/17

ラグビー:6カ国対抗戦、ウェールズがイングランドを破る

カーディフ湾

 ラグビー6カ国対抗戦は14日と15日に第2節が行われ、昨年の覇者ウェールズが23-15でイングランドを破り、2連覇へはずみをつけた。
 前半、立て続けの3PGで9点をリードしたウェールズに対し、イングランドはサッケイのトライとグードゥのドロップゴールで9―8と追い上げ、後半に入る。
 しかし、43分にウェールズのハーフペニーのトライで再び突き放されたイングランドは、アーミテージのトライで追撃するものの、ピンポイントで的確にPGを決めたウェールズのジョーズンのキックの前に最後までその差を詰めることができず、トライ数では2-1と上回ったものの、8点差で敗れた。
 また、初戦でフランスを破ったアイルランドも、38-9でイタリアに圧勝。フランスはスコットランドに22-13で勝ち、対戦成績を1勝1敗とした。

<6カ国対抗戦 第2節結果>

2/14 フランス 22-13 スコットランド
2/14 ウェールズ 23-15 イングランド
2/15 イタリア 9-38 アイルランド





男子バスケットボール:ユーロリーグ・トップ16ラウンド 第3節



 ユーロリーグ・トップ16ラウンドの第3節が11、12日に行われ、グループFのレアル・マドリード(スペイン)はマカビー(イスラエル)を98-79で、グループGのパナシナイコス(ギリシャ)はロットマティカ(イタリア)を92-67でそれぞれ下し、ともにこのラウンドで3連勝を果たした。また、グループEでは強豪のTAUセラミカ(スペイン)、オリンピアコス(ギリシャ)が揃って勝ち、2勝1敗で並んだほか、グループHでもモンテパッシ(イタリア)がCSKAモスクワ(ロシア)に74-56で勝って、ともに2勝1敗とした。




女子バスケットボール:ユーロリーグ・ウーマン、ベスト8が出揃う

 ユーロリーグ・ウーマンは、トップ16プレーオフの2戦を終え、対戦成績を1勝1敗とした4つの対戦チームが第3戦を行った。その結果、新たにフランスのブールジュ、スペインのアルコン・アベニーダ、ハンガリーのMKBユーロリーシング、トルコのフェネルバフチェが勝ちぬけを決め、ベスト8プレーオフに駒を進めた。ベスト8プレーオフもホーム&アウエー方式で行われ、2戦先勝した方が、ファイナル4への切符を手にする。

<ベスト8プレーオフ組み合わせ>

ブールジュ(フランス) vs MKBユーロリーシング(ハンガリー)
アルコン・アベニーダ(スペイン) vs ミゾ・ペクス2010(ハンガリー)
UMMCエカテリンブルグ(ロシア) vs フェネルバフチェ(トルコ)
スパルタク・モスクワ(ロシア) vs ロス・カセレス(スペイン)





男子ハンドボール:欧州チャンピオンズリ―グ、メインラウンド第3節

 14日から15日にかけて欧州チャンピオンズリーグのメインラウンド第3節が行われた。
 先週、マリアン・コズマ選手がディスコで喧嘩に巻き込まれて刺殺されるという痛ましい事件があったばかりのハンガリーのベスプレムは、ホームでスペインのアデマールを28-26で破り、悲劇を乗り越えてグループ3の首位に立った。なお、試合前にパビリオンでは同選手を追悼する黙祷が捧げられ、ベスプレムのチームメート全員がコズマ選手の顔写真がプリントされたシャツを着て登場し、同選手の冥福を祈った。
 また、スペイン勢同士の対戦となったバルセロナ対シウダー・レアルの一戦は、アウエーのシウダー・レアルが31-28で勝ち、THWキールとともにグループ4で3連勝を飾った。敗れたバルセロナは3連敗となり、ファイナル8進出は厳しくなった。その他のグループでは、HSVハンブルグ(ドイツ)、シャンベリ・サボイ(フランス)がグループ1、2でそれぞれ3連勝を飾り、首位に立っている。




女子ハンドボール:欧州チャンピオンズリーグ、メインラウンド第2節

 女子の欧州チャンピオンズリーグは、13日と14日にメインラウンド第2節が行われ、グループ1ではデンマークのビボルグHKがクロアチアのHKポドゥラフカ・ベゲタを32-26で、オーストリアのヒポ・ニーダーオーストリッヒがデンマークのイカスト・ブランデを32-24でそれぞれ下し、それぞれ同ラウンドでの成績を2戦2勝とした。グループ2ではハンガリーのギョーリ・アウディがモンテネグロのブドゥクノストTモバイルを31-27で退けて2連勝を飾ったほか、ルーマニアのオルトチン・バルセアがスロバキアのRKクリム・メルカトールを36-30で破り、対戦成績を1勝1敗とした。




2016年オリンピック招致:マドリードがIOCに立候補ファイルを提出、「エコと安全」を強調


 2016年のオリンピック開催候補地のひとつスペインのマドリードは、12日にローザンヌのIOC(国際オリンピック委員会)に立候補ファイルを提出した。ファイルは17のテーマに分かれており、計600ページにわたる膨大な資料となっている。このファイル提出手続き後、5月5日から8日にかけて行われるIOCメンバーによる現地視察を経て、10月2日にコペンハーゲンにて2016年オリンピック開催地が正式決定される。
 マドリードはこのオリンピックで、「グリーン(エコ)と幸福」、「安全と平和」の2つのテーマを掲げている。前者では、環境にやさしい“ノーカー(車ゼロ)”プランを描き、選手の移動に車を必要としないよう、スタジアムの周辺500m以内に選手村を作る計画だ。また、競技観戦用チケットの価格に公共交通機関の料金を含め、チケット保有者の公共交通機関での移動を無料かつ容易にする案なども盛り込まれている。マドリード五輪招致委員会は、“史上最もコンパクトにまとまった大会”を目指すという。
 また後者では、スペイン政府の全面的なバックアップの下にテロなどへの安全対策を講じる。ファイルの中では、「スペインは他のいかなる国とも同等の安全面でのリスクがある」としながらも、警察、治安部隊がこれまで培ってきた豊富な経験を生かし、テロなどへの事前対策を強化することで「リスクを大幅に縮小することが出来る」と強調している。スペインは、地理上アフリカとヨーロッパの間に位置することから、アフリカ系移民も多く、各種のテロ組織の隠れ家として使われることも多い。また、バスク地方の独立を主張するETAによる国内にテロも未だに続いており、五輪招致活動ではこの点がウイークポイントのひとつとなる可能性もあることから、ファイルではとりわけ安全面についての保証が強調されているものと見られる。
 一方これを受けて、スペイン人唯一のIOCメンバーであるジュアン・アントニオ・サマランチIOC名誉会長は、2016年オリンピック開催地決定プロセスにおいて、「このファイルは、マドリードがオリンピック開催にふさわしい都市であることを証明するだろう」とコメントした。
 また、候補地決定プロセスの中で最も重要となるIOCメンバーによる投票については、次のように述べている。「オリンピックというイベントは、いかなる外的要因にも影響されない独立した存在であるべきで、個人の投票内容は完全なコンフィデンシャルとして守られる。とはいえ、各自の決断には、感情、その土地での滞在の印象、過去のイメージ、歴史など多くの要素が多大な影響を及ぼすことも事実だ」



2012年ロンドンオリンピック:イギリス政府が競技における「男女平等化」実現に動く


 イギリス政府は、2012年のロンドンオリンピックで「性の平等の実現」を目指す意向を発表し、そのために一部の競技での競技規定の見直し、改定を求めていくという。たとえば、ボクシングのヘビー級は現在では男子にしか認められていない。
 ロンドンオリンピック委員会のテッサ・ジョウエル委員長は、現在のオリンピックおよびパラリンピックの競技規定には「多くの間違いが存在する」としており、男子164競技に対し、女子が40競技少ない124競技しかないことを「男女間の不平等」であると認識していることを明らかにした。同委員長は、「女子の競技レベルは格段に進歩しているというのに、女性が男性と同じ競技に参加できないというのは不公平としかいいようがない。オリンピックにおいても“男女平等”の機会が提供される時がやってきた」と述べている。その一方でジョウエル委員長は、“逆の不平等”のケースについても言及し、現在は女子にしか設けられていないシンクロや新体操への男子の参加についても可能性を協議していくことを示唆した。
 同委員長および同国スポーツ局のゲリー・サットクリフ局長は、すでに英国の各スポーツ競技連盟に対し、「競技における男女格差」への調査を命じたという。