ヨーロッパ・ニュース Vol.75
2009/03/03
● ラグビー:6カ国対抗戦:アイルランドがイングランドを破り3連勝
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ラグビーの6カ国対抗戦が2週間ぶりに再開され、28日に行われた試合でアイルランドがイングランドを14-13で下し、開幕3連勝で首位に立った。一方、大会2連覇を狙うウェールズはフランスに21-16で敗れ、グランドスラムの夢はついえた。
初戦でフランス、続いてイタリア、そしてイングランドにも勝って3連勝の好調アイルランドは、一気に優勝争いの最右翼に躍り出た。
大会前は、ウェールズ、イングランド、フランスの影に隠れていたアイルランドだが、この日の勝利で61年ぶりのグランドスラムも見えてきた。ウェールズは次戦で、ここまで全敗のイタリアと、アイルランドはスコットランドと対戦するが、順調に行けば、最終戦での両者の直接対決で優勝が決まる可能性が高くなってきた。一方、ウェールズを下して大会2勝目を挙げ、勢いを取り戻してきたフランスにも優勝の可能性は残るが、まずは来週トゥイッケンナムで行われるイングランド戦を乗り切らなければならない。
● 男子バレーボール:スペイン国王杯はウニカハ・アルメリアが優勝
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リーグ戦上位7チーム+開催地が参加し、トーナメント方式で行われる男子バレーボールのスペイン国王杯が2/26からアルメリアで行われ、3月1日に行われた決勝戦で地元アルメリアがCAIテルエルを3-0のストレートで破り、大会通算7回目の優勝を達成した。準決勝では、現在リーグ戦の首位を走るパルマ・バレーを倒し勢いに乗る伏兵CAIだったが、ウニカハには歯がたたなかった。ウニカハは同時に行われたユース国王杯でも優勝し、地元開催の面目を保った。
<スペイン国王杯結果>
準決勝
メディオアンビエンテ・ソリア | 0-3 | ウニカハ・アルメリア |
CAIバレー・テルエル | 3-0 | パルマ・バレー |
決勝
ウニカハ・アルメリア |
3-0 (25-21、27-25、25-12) |
CAIバレー・テルエル |
● 男子ハンドボール:チャンピオンズリーグ、メインラウンド第5節結果
男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグはメインラウンド第5節が行われ、グループ1でここまで全勝のハンブルグ(ドイツ)がポートランド(スペイン)に27-24で敗れたため、全勝はグループ4のキール(ドイツ)だけとなった。ハンブルグは4勝でグループ1の首位を守っているものの、2位チェフォブスキー・メドベディ(ロシア)と3位ポートランドが3勝2敗で続いており、最終節に大逆転が起こる可能性も秘めている。一方、グループ2のフランスのシャンベリは最終節を待たずに勝ちぬけが確定。焦点は2位争いに移った。またグループ3ではすでに、ハンガリーのベスプレムとドイツのフレンスブルグ・ハンドゥイットの2チームのファイナル8入りが確定している。グループ4でも、シウダー・レアル(スペイン)がバルセロナ(スペイン)を32-29で下し、首位キール(ドイツ)とともにファイナル8入りを決めた。
● 女子ハンドボール:チャンピオンズリーグ、メインラウンド第4節結果
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女子ハンドボールのチャンピオンズリーグは第4節が行われ、昨シーズン同様、快進撃を続けるヒポ・ニーダーオーストリッヒ(オーストリア)がビボルグ(デンマーク)との全勝対決を30-28で制し、両グループで唯一無傷の4連勝を飾っている。一方グループ2では、ハンガリーの強豪ギョーリがモンテネグロのブドゥクノストと26-26でかろうじて引き分けるなど混戦状態になっており、依然4チーム全てに準決勝進出のチャンスが残る。
● ソフトボール:五輪種目復帰活動で野球からの分離を発表
2016年のオリンピックでの公式種目復帰を目指すソフトボールが、これまで同一競技として誘致活動を行ってきた野球とは別に、今後は独自した競技として単独で誘致活動をすすめていくことを発表した。
国際ソフトボール連盟会長のドン・ポーター氏は、「我々はIOCに、ソフトボールがアンチ・ドピーングのクリーンなスポーツで、世界に普及しており、オリンピック精神に乗っとった競技であることをアピールしている。我々は独立したスポーツであり、これからも独自で普及発展させていく。これは、野球を卑下しているものではないし、野球が偉大なスポーツであることは理解している」と述べたものの、2012年のロンドンオリンピックでソフトボールと野球が排除されることが決定して以来、同協会の中では「野球の悪いイメージがソフトボールに影響を及ぼした」との意見が主流を占めており、これを受けての「独立宣言」であるのは明らかだ。
これまで男子の野球と足並みを揃えてきたソフトボールは「女子の競技」としてのみエントリーしてきたが、IOCのメンバーからの公聴会で同会長は、「今後は男子チームも参加する方向である」と伝えたもよう。一方、IBAF(国際野球連盟)のシーラー会長はこの発表を受け、「世界中の野球選手、ソフトボール選手を代表して大きな失望感を覚える」とコメントしているが、日本、欧州、アフリカなどいくつかの野球連盟はIBAFに対し、「ソフトボールと合同で誘致活動をすすめていく方法を探るべき」との要望を書面で提出しているという。
● バスケットボール:NBAがイスタンブールに事務所を開設
NBA(全米プロバスケットボール協会)がトルコのイスタンブールに事務所を開設、2月23日に事務所開設のオープニングセレモニーが行われた。NBA本部役員でNBAヨーロッパ副会長のソフィー・ゴールドシュミット氏はセレモニーのスピーチで、「NBAとトルコが手をとりあい、バスケットボールを世界ナンバーワンスポーツにしたい。現在、世界中の優秀な選手がNBAでプレーしているが、ここトルコからもオーランド・マジックでターコルー選手、ユタ・ジャズでオクール選手が活躍しており、大変誇りに思う」とスピーチした。これに対して、トルコバスケットボール協会会長のトゥルガイ・デミレル氏は、「同国協会はトルコにおけるNBAの活動を全面的にサポートする」と約束した。
● 男子バレーボール:CEVカップファイナル4開催地がアテネに決定
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CEV(欧州バレーボール協会)は、CEVカップ(チャンピオンズリーグに準ずる欧州クラブチームの大会)のファイナル4をギリシャのアテネで開催することを決定した。同大会のファイナル4開催地にはロシアのベルゴロドが強い意欲の味を示していたものの、CEVは、2008-09シーズンのファイナル4の主催クラブにパナシナイコスを選び、2004年のアテネオリンピックではバスケットボール決勝の舞台となったオリンピック・インドア・ホール(18000人収容)での同大会の開催が決まった。CEVカップファイナル4は、3月21日にロコモトフ・ベロゴロド(ロシア)対ウニカハ・アルメリア(スペイン)、オアナシナイコス対ブレ・バンカ・クエノ(イタリア)の準決勝2試合が行われ、翌22日に決勝戦が行われる。