ヨーロッパニュース一覧

2009-3-24

ヨーロッパ・ニュース Vol.77

2009/03/24

ラグビー:6カ国対抗戦、アイルランドが61年ぶりのグランドスラムで優勝

アイルランド、ダブリン

 ラグビーの6カ国対抗戦は21日に最終戦が行われ、ここまで全勝のアイルランドがウェールズを17-15で下し、同大会で24年ぶりの優勝を果たすと共に、同国として2度目となる61年ぶりのグランドスラムを達成した。
 グランドスラムのかかった大一番の相手は、ここまで1敗で、勝てば優勝の望みが残るウェールズ。予想通り試合は白熱し、終盤残り5分でドロップゴールの応酬となる手に汗握る接戦となった。
 前半を6-0で折り返したウェールズに対しアイルランドは後半追い上げを見せ、試合はシーソーゲームなるが、試合終了5分前にジョーンズがドロップゴールを決めウェールズが1点リードした時点でアイルランドのグランドスラムの夢はついえたかに見えた。しかしその直後、アイルランドのオガーラがドロップゴールを決め、17-15と土壇場で逆転。試合はそのままタイムアップとなる劇的な展開となった。
 またこの他の試合では、イングラドがスコットランドを26-12で破り2位に入り、フランスはイタリアに50-6で圧勝した。

<2009年6カ国対抗戦結果>

1. アイルランド 5勝
2. イングランド 3勝2敗
3. フランス 3勝2敗
4. ウェールズ 3勝2敗
5. スコットランド 1勝4敗
6. イタリア 5敗





バレーボール:CEVカップファイナル4、優勝はロコモティフ・ベオグラード


 男子バレーボールのCEVカップは、21、22日にギリシャのアテネでファイナル4ラウンドが行われ、ロコモティフ・ベオグラード(セルビア)が3-1(25-19、17-25、25-20、25-29)で地元パナシナイコスを破り、優勝した。また、3位決定戦では、イタリアのブレ・バンカ・クエノがスペインのウニカハ・アルメリアを3-1で下した。




女子ハンドボール:チャンピオンズリーグ、ファイナル4進出チームが決定

 女子のハンドボールのチャンピオンズリーグはメインラウンド最終節が行われ、ファイナル4進出チームが出揃った。グループ1では、すでにファイナル4入りを決めている2チームの直接対決となったが、デンマークのビボルグHKが、今大会ここまで全勝のオーストリアのヒポ・ニーダーオーストリッヒを33-31で破り、首位通過を決めた。一方グループ2では、ハンガリーのギョーリ・アウディがルーマニアのオルチム・バルセアを30-28で下し、4勝1分1敗でファイナル4へ。敗れたバルセアも2位でメイラウンドを通過した。この結果、4月12日と19日にホーム&アウエーで争われるファイナル4の組み合わせは次のとおりとなった。

オルチム・バレスカ
(ルーマニア)
vs ビボルグHK
(デンマーク)
ヒポ・ニーダーオーストリッヒ
(オーストリア)
vs ギョーリ・アウディ
(ハンガリー)



ハンドボール:IHFがドイツハンドボールスキャンダルの本格調査に乗り出す


 IHF(国際ハンドボール協会)のハサン・ムスタファ会長は20日、ドイツ国内で大きく報じられている“試合が不正に操作された”との疑惑について調査委員会を設けることを発表した。同会長は、「まだ疑惑が本当かどうかは証明されていないが、われわれのスポーツに関する重大な犯罪である可能性がある」とコメントし、「IHFはこの件で何ら罰則を科すことはないが、事実の究明を行う」と付け加えた。
 IHFが調査に乗り出すのは、2006年の男子カップ・ウイナーズカップ決勝戦、チェフォフスキ・メドベディ(ロシア)対BMバジャドリード(スペイン)戦および、他2試合ついて。この決勝戦では、2試合合計わずか1点差でメドベディが優勝している。
 これに先んじて、ドイツハンドボール協会のフランク・ボーマンGMは、「過去最大の収賄スキャンダルの可能性がある」との声明を発表している。
 この決勝戦の笛を吹いたフランク・レーム、ベルント・ウルリッチの両審判はいずれもドイツ人。ドイツメディアによると、ロシアでの試合の後、両審判が出国のため空港の通関でチェックを受けた際、所持していたバッグから50000ユーロの紙幣が見つかったという。両審判は、「どのようにかはわからないが、自分たちが知らない間に何者かによってアタッシュケースに大金がしこまれた。われわれはいかなる不正もしていない」と容疑を否認したが、同件が明るみ出て以来、資格を停止されている。
 ムスタファ会長は、審判委員会のトップであるクリスター・アル氏に「同件で不正が行われたかどうかを調査する第三者委員会を立ち上げるよう指示した」と言う。
 これを受けてEHF(欧州ハンドボール協会)は、この試合および他の2試合について、3人の審議官による調査を行うと発表。ちなみに他の2試合は、2008年6月に行われた、2009年世界選手権欧州予選でのルーマニア対モンテネグロ戦および2006年の1月にロシアのトリアッティで行われた女子チャンピオンズリーグのトグリアティ対デンマークのスラーエルセDT戦。ドイツメディアによると、後者の試合を担当した2人のドイツ人審判のうちのひとり、ユルゲン・リーバー氏は、ロシアチームに有利な笛を吹くことで、試合前に前金として10000ユーロ、試合後に残りの20000ユーロの賄賂をオファーされたという。同氏によると、このオファーは紙に書かれたもので、トイレで渡されたという。なお同氏は、「この件については試合の際にEHFに公式に報告しており、不正などは全く行っていない」と主張している。ドイツでは少し前にも、チャンピオンズリーグの試合で、現チャンピオンのTHWキールが試合操作を行ったとの疑惑が報じられ、現在、地元検察により調査が行われている。