ヨーロッパ・ニュース Vol.78
2009/03/31
● 女子バレーボール:チャンピオンズリーグファイナル4、荒木選手のベルガモが優勝!
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欧州クラブナンバーワンを決めるチャンピオンズリーグのファイナル4ラウンドは、28、29の2日にかけてイタリアのペルージャで行われ、決勝戦でイタリアのベルガモがロシアのディナモ・モスクワをフルセットの末3-2で破り、優勝した。
試合は、第1セットを25-21でまずディナモが奪うが、第2セットをベルガモが25-22と奪い返し、互角のせめぎあいとなった。第3セットに入り相手のリズムが落ちたところをついたディナモは、このセットを25-14の大差でとり優勝に王手をかけるが、
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後がないベルガモは、続く第4セットに全精力を集中し粘りを見せる。24-24のタイブレークの末、最後は大会MVPに輝いたエース、オルトラーニのスパイクが決まり26-24とこのセットを競り勝ったベルガモは、この勢いで最終セットも15-10でものにして、逆転優勝を収めた。
鍛え抜かれた正確なレセプションからエースのオルトラーニが決めるパターンで勝ちあがってきたベルガモに対し、ディナモもガモアら高さのあるブロックを生かしたバレーで対抗したが、
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最後はベルガモに軍配が上がり、2シーズンぶりの欧州女王の座を手に入れた。ベルガモの荒木絵理香選手は、日本人選手として見事決勝を果たしたが、決勝戦では出番はなかった。
なお、3位決定戦では、同じくイタリアのコルシ・シリオ・ペルージャがトルコのエスカシバシ・イスタンブールを3-1で退けた。
<ファイナル4結果>
準決勝 | : | ディナモ・モスクワ | 3-0 | エスカシバシ・イスタンブール |
ベルガモ | 3-1 | コルシ・シリオ・ペルージャ | ||
決 勝 | : | ベルガモ | 3-1 | ディナモ・モスクワ |
<大会ベストプレーヤー> ※(チーム/国籍)
MVP | : | セレーナ・オルトラーニ(ベルガモ/イタリア) |
ベストスコアラー | : | エカテリーナ・ガモア(ディナモ/ロシア) |
ベストスパイカー | : | シモーナ・ジオーリ(ディナモ/イタリア) |
ベストブロッカー | : | イエブジェニア・ドゥシュキエビッチ(ペルージャ/ウクライナ) |
ベストリベロ | : | エンリカ・メルロ(ベルガモ/イタリア) |
ベストセッター | : | イリーナ・キリロワ(ディナモ/クロアチア) |
ベストサーバー | : | ルチア・クリサンティ(ペルージャ/イタリア) |
ベストレシーバー | : | キム・ウイルービー(ペルージャ/アメリカ) |
● 女子サッカー:UEFAウーマンズカップ準決勝ファーストレグ
UEFAウーマンズカップ準決勝のファーストレグが28、29日に行われ、フランスのオリンピック・リヨンは、ホームでドイツのデュイスブルグと1-1で引き分けた。 また、もう1試合はロシアのズベズダ2005がスウェーデンのウメアIKを2-0で下し、アウエーでの2戦目に向けて大きなアドバンテージを得た。セカンドレグは4月5日に行われ、2試合の合計で勝ち抜いたチームが5月16と23日にホーム&アウエーで行われる決勝戦に進出する。
● 男子バスケットボール:ユーロリーグ、プレーオフラウンド
男子バスケットボールのユーロリーグは、現在ファイナル4をかけたプレーオフラウンドが行われている。先に3勝したチームがファイナル4に進出するこのラウンドで注目は、スペイン勢同士のつぶしあいとなったリーガル・バルセロナ対TAUセラミカの対戦だ。 アウエーでの初戦を75-84で落としたバルセロナだが、ホームでの2戦目は85-62で取り返し、1勝1敗で31日の第3戦にのぞむ。また、ギリシャのパナシナイコス対イタリアのモンテパッシも1-1のタイで同じく第3戦を迎える。一方、ギリシャのオリンピアコス対スペインのレアル・マドリード、ロシアのCSKAモスクワ対セルビアのパルチザンは、オリンピアコスとCSKAがいずれも2連勝でファイナル4進出に王手をかけている。
● 男子バレーボール:スウェーデンのVCリンコピン、世界一長身のラインアップのチーム
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スウェーデンの『アフトンブラデット』紙によると、同国1部リーグのVCリンコピンは“世界一身長が高いラインアップを持つバレーボールチーム”だそうだ。
同紙によると、リンコピンのレギュラー平均身長は2.38メートルで、驚異的な高さで他クラブを圧倒しているという。同クラブのアンドリュー・ストラグネル監督はオーストラリア人で、チームには3人の長身オーストラリア人選手が所属しているが、彼の長年のキャリアにおいても「このようなことは経験がない」という。
同クラブのラインアップ(写真)と身長は次のとおり。グレッグ・スコチェフ(196cm)、カール・アーレマーク(197cm)、アダム・ホワイト(204cm)、マーティン・バレフォーク(207cm)、トラビス・パシアー(208cm)、トム・エドガー(211cm)。ちなみに、同チームのリベロ、マティアス・グスタフソンだけは178cmと極端に身長が低い。
● 男子ハンドボール:ハンドボール欧州プロリーグ協会がバルセロナに設立
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スペインの男子プロリーグ協会(ASOBAL)の拠点であるバルセロナ近郊サン・ジョアン・デスピに、ヨーロッパ主要プロリーグの連携団体となるEPHLA(ヨーロッパ・プロフェッショナル・ハンドボール・リーグ・アソシエーション=欧州ハンドボールプロリーグ協会)が新設された。
EPHLAは、欧州の主要プロリーグであるデンマーク、スペイン、ドイツ、フランスの4つのリーグが音頭をとり発足したもので、初代会長にはドイツ、ブンデスリーガ会長のレイネル・ウイット氏が、副会長にはスペインASOBALのハビエル・ズリアライン氏が選ばれた。同協会設立の主な目的は、ヨーロッパの大会と国内のリーグ戦のスケジュール調整および、各国代表チームにクラブチーム選手を派遣する際の人的補償、故障した選手の給与補償などについて協調し、ルール作りを進めて行くことにある。
● ハンドボール:EHF、国際大会で審判名を直前まで非公開に
欧州ハンドボール界では、ここ数週間、過去の国際大会でチーム、選手、監督を巻き込んだ審判買収、試合操作が行われていたとの疑惑が噴出しており、現在これらの問題についての調査を進めているEHF(欧州ハンドボール連盟)は、クラブサイドと審判の間で事前にコンタクトが行われないよう、今後欧州の大会において「審判名を試合直前の2時間前まで公表しない」ことを決めた。この新ルールは早速、来週行われる男子の欧州チャンピオンズリーグ、プレーオフラウンドから適応されることになる。
● ラグビー:イタリアのクラブチームがセルティック・リーグに参加へ
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イタリアのラグビーリーグ公式サイトは26日、2010-11シーズンより、イタリアのクラブチームが欧州3大リーグのひとつであるセルティック・リーグに参戦するだろうと発表した。セルティック・リーグは、 アイルランド、ウェールズ、スコットランドのトップクラブによって構成され、イングランドのギネス・プレミアシップ、フランスのトップ14と並ぶ欧州3大リーグのひとつだが、ここに新たにイタリアから2チームが参戦する形で交渉が進められているという。ちなみに、イタリアから参戦するチームの候補としては、トレビソ、ビアダーナ、カリビサーノ、ローマの名前が挙がっている。
現在、スポンサー、テレビ放映権などいくつかの条件についてのルール作りが行われているが、イタリアラグビー協会のジアンカルロ・ドンディ会長は、「もしこれが実現すれば、イタリアラグビーにとって大きなレベルアップのチャンスになる」と歓迎の意を表している。
イタリアは、先の6カ国対抗戦で全敗した上、合計で150もの失点を喫し、近年最悪の結果を残した。この結果を受け、イタリア国内ではナショナルチームの強化策の一環として、リーグ、およびクラブチームの早急なレベルアップが叫ばれている。
● ホッケー:EHF、ユーロホッケーウーマンの開催を検討
EHF(欧州ホッケー協会)の理事会は、欧州間のリーグ戦形式でクラブナンバーワンを決める男子ユーロホッケーリーグの成功を受け、女子版となる“ユーロホッケーウーマン”開催を検討することになった。今後は分会でそれぞれ詳細案が検討され、最終的な概要は6月に行われる理事会で発表される見込みだ。