ヨーロッパニュース一覧

2009-4-7

ヨーロッパ・ニュース Vol.79

2009/04/07

男子バレーボール:チャンピオンズリーグ優勝はトレンティーノ!

チェコ、プラハ

 欧州クラブナンバーワンを決めるチャンピオンズリーグのファイナル4ラウンドは、28、29の2日にかけてイタリアのペルージャで行われ、決勝戦でイタリアのベルガモがロシアのディナモ・モスクワをフルセットの末3-2で破り、優勝した。
 試合は、第1セットを25-21でまずディナモが奪うが、第2セットをベルガモが25-22と奪い返し、互角のせめぎあいとなった。第3セットに入り相手のリズムが落ちたところをついたディナモは、このセットを25-14の大差でとり優勝に王手をかけるが、後がないベルガモは、続く第4セットに

全精力を集中し粘りを見せる。24-24のタイブレークの末、最後は大会MVPに輝いたエース、オルトラーニのスパイクが決まり26-24とこのセットを競り勝ったベルガモは、この勢いで最終セットも15-10でものにして、逆転優勝を収めた。
 鍛え抜かれた正確なレセプションからエースのオルトラーニが決めるパターンで勝ちあがってきたベルガモに対し、ディナモもガモアら高さのあるブロックを生かしたバレーで対抗したが、最後はベルガモに軍配が上がり、2シーズンぶりの欧州女王の座を手に入れた。ベルガモの荒木絵理香選手は、日本人選手として見事決勝を果たしたが、決勝戦では出番はなかった。
 なお、3位決定戦では、同じくイタリアのコルシ・シリオ・ペルージャがトルコのエスカシバシ・イスタンブールを3-1で退けた。男子バレーボールのチャンピオンズファイナル4は、4日と5日にチェコのプラハで行われ、イタリアのトレンティーノ・バレーが初優勝を果たした。
 トレンティーノは、準決勝で同胞のルーベ・バンカ・マケラッタを3-0のストレートで倒すと、決勝はギリシャのイラクリス・テッサロニキを3-1で破り、優勝を決めた。
 また、同じ日に行われた3位決定戦では、ロシアのイスクラ・オディンツォボがルーベ・バンカ・マケラッタを3-2のフルセットで破り、銅メダルを獲得した。なお、大会MVPにはトレンティーノのブルガリア代表マテイ・カジンスキが選ばれた。

<ファイナル4結果>
4/4 準決勝

オディンツォボ 3-1 テッサロニキ
トレンティーノ 3-0 マケラッタ

4/5 決勝

トレンティーノ 3-1 テッサロニキ (12-25、25-21、26-24、25-22)

4/5 3位決定戦

オディンツォボ 3-2 マケラッタ (25-23、25-23、28-30、21-25、17-15)


<大会個人賞>

MVP マテイ・カジスキ(ブルガリア/トレンティーノ)
ベストスコアラー ヨッヘン・ショップス(ドイツ/オディンツォボ)
ベストスパイカー マルティン・レブル(チェコ/マケラッタ)
ベストブロッカー ミカエル・ウィニアルスキ(ポーランド/トレンティ-ノ)
ベストリベロ アレクセイ・ベルボフ(ロシア/オディンツォボ)
ベストセッター アレクサンドル・ブッコ(ロシア/オディンツオォボ)
ベストサーバー エマヌエーレ・ビラレーリ(イタリア/トレンティーノ)
ベストレシーバー プラメン・コンスタンティノフ(ブルガリア/テッサロニキ)




男子ハンドボール:チャンピオンズリーグ、ベスト4が出揃う


 男子ハンドボールのチャンピオンズリーグは、ベスト8によるプレーオフラウンドがホーム&アウエー方式で行われ、昨年準優勝のキールを含むドイツ勢3チームと昨シーズンの王者スペイン、シウダー・レアルが準決勝に進んだ。
 初戦、クロアチア・ザグレブのホームで28-28の引き分けに終わったTHWキールは、ホームの第2戦は31-27と圧倒。昨年に続くベスト4入りを果たした。一方、昨シーズン王者のシウダー・レアルはハンガリーのベスプレム相手に苦戦。1勝1敗となったが、初戦のホームでのアドバンテージでなんとか逃げ切った。ドイツ勢同士の対戦となったフレンスブルク対HSVハンブルクも互いにホームゲームをとり合う接戦となったが、ハンブルクが2試合合計57-56の1点差で準決勝へ駒を進めた。残りの1試合、ラインネッカー・ローベン対ロシアのチェフォフスキ・メドベディはラインネッカーが2連勝し、難なくベスト4入りした。
 準決勝の組み合わせは7日の抽選会で決まる。




女子バスケット:ユーロリーグ・ウーマン、スパルタク・モスクワが3連覇

 女子バスケットボールの欧州ナンバーワンクラブを決めるユーロリーグ・ウーマンのファイナル4ラウンドが3日から5日までスペインのサラマンカで行われ、決勝戦でロシアのスパルタク・モスクワが地元スペインのアルコン・アベニーダを85-70で破って、大会史上初となる3連覇を達成した。欧州の女子バスケットボールクラブチームの中では圧倒的な財力と戦力を誇るスパルタクは、WNBA(ウーマンNBA)のドラフトにもノミネートされた世界最高レベルのセンターであるシュー・バード、フォワードのディアナ・タウラージ、ガードのローレン・ジャクソンらスター選手を揃える“ドリームチーム”。一方のアルコンは初のファイナル4進出と対象的な両チームの対戦は、戦前の予想通りスパルタクの圧勝に終わった。大会MVPのタウラージはこの試合でも31ポイントを稼ぎ、シュー・バードも13ポイント、11アシストと圧倒的な個人力の差を見せ付けた。

<ユーロリーグ・ウーマン、ファイナル4結果>

4/3 準決勝

スパルタク・モスクワ 83-74 UMMCエカテリンブルグ(ロシア)
アルコン・アベニーダ 85-78 MKBユーロリーシング(ハンガリー)

4/5 決勝戦

スパルタク・モスクワ 85-70 アルコン・アベニーダ

4/5 3位決定戦

UMMCエカテリンブルグ 80-56 MKBユーロリーシング



女子サッカー:UEFAウーマンズカップ決勝はデュイスブルク対ズベズダ


 UEFAウーマンズカップ準決勝は4月5日にセカンドレグが行われ、ドイツのFCR2001デュイスブルクとロシアのズベズダ2005が決勝進出を決めた。優勝候補だったフランスのリヨンとスウェーデンのウメアIKは、いずれも準決勝で涙を飲んだ。
 リヨンで行われたファーストレグを1-1で引き分けたデュイスブルクは、ホームでのセカンドレグを3-1で圧勝。昨シーズンのチャンピオン、フランクフルトに続くドイツ勢2連覇を狙う。一方、絶対的エース、マルタがアメリカの女子プロリーグ(WPS)に移籍し大幅な戦力ダウンとなった昨シーズン準優勝のウメアは、ズベズダに初戦を2-0で先行されると、セカンドレグも2-2の引き分けに持ち込まれ、決勝進出を逃した。決勝戦は5月16日と23日にホーム&アウエーで行われる。

<UEFAウーマンズカップ準決勝結果>

ファーストレグ セカンドレグ
オリンピック・リヨン 1-1 1-3 デュイスブルク
ズベズダ 2-0 2-2 ウメア





男子バスケットボール:ユーロリーグ・プレーオフラウンド、ファイナル4進出はバルセロナかTAUか


 男子バスケットボールのユーロリーグ・プレーオフラウンドは、ファイナル4のうち3チームが決定したが、残る1枠をめぐって、スペインの2強であるTAUセラミカとリーガル・バルセロナが一歩も譲らず、勝負は最終戦となる第5戦へ持ち込まれることになった。
 先に3勝を決めたチームがファイナル4への出場権を得るプレーオフラウンドでは、すでにオリンピアコス(ギリシャ)、パナシナイコス(ギリシャ)、CSKAモスクワ(ロシア)の3チームのエントリーが確定しているが、TAUセラミカとリーガル・バルセロナは4戦を終えて2勝2敗のタイとなっており、7日に行われる最終戦で勝利した方がファイナル4への切符を手にする。

<プレーオフラウンド結果> ※太字はファイナル4進出決定チーム

オリンピアコス(ギリシャ) 3-1 レアル・マドリード(スペイン)
リーガル・バルセロナ(スペイン) 2-2 TAUセラミカ(スペイン) ※第5戦は4/7
パナシナイコス(ギリシャ) 3-1 モンテパッシ・シエナ(イタリア)
CSKAモスクワ(ロシア) 3-0 パルチザン・ベオグラード(セルビア)



スペインにプロトップリーグ機構(仮称)が設立

 3月末、スペインのプロスポーツを統括するプロサッカーリーグ協会(LFP)、バスケットボール・クラブ協会(ACB)、ハンドボール・クラブ協会(ASOBAL)、フットサルリーグ協会(LNFS)の4つの団体が連携し、スペイン・プロトップリーグ機構(仮称)を設立することで同意した。
 同機構の本部機能はLFPの中に置かれることになり、各リーグ協会の会長が理事会の役員を兼務することになる。
 同機構設立の合意書に署名を行った4氏は共同で声明を発表。それによると、この団体は利潤を目的としたものではなく、国内プロスポーツ界の共栄共存を目的に相互の連携を強めていくもので、いかなる政治的影響力にも左右されない純粋なスポーツ団体を目指すとのことだ。また、将来的には国の主導で組織されることが期待されるスペイン・プロリーグ協会、スポーツ協会などの運営組織への統合も視野に入れているという。
 スペインで最も人気があるスポーツであるサッカーでは昨年のユーロ(欧州選手権)で優勝し、世界ランキングでも首位に立つなど、近年の躍進が目立っている。プロリーグのリーガ・エスパニョールは、現在はイングランドのプレミアリーグの後塵を拝しているものの、日本でもよく知られているバルセロナやレアル・マドリードといった強豪クラブが所属する世界ナンバー2のリーグと言われている。一方バスケットボールは、欧州選手権、北京オリンピックで準優勝を果たし、アメリカに次ぐ世界ナンバー2の実力を持っている他、プロリーグACBはスペインではサッカーに次ぐ2番目の人気プロスポーツである。ハンドボールに関しては、近年、世界大会での代表チームの成績はやや低迷しているものの、スペインリーグASOBALはドイツのブンデスリーガと並び世界一のレベルを誇るリーグである。最後にフットサルだが、4つのプロリーグの中では大会規模、予算、人気共に一番小規模ではあるが、世界ナンバーワンのリーグとして世界中からトップレベルの選手が集まる。また、日本との関係も深い。いずれも世界最高レベルのリーグだけに、相互の提携がどのように進められるか注目される。



ハンドボール:欧州ハンドボールスキャンダル最新情報 IFHムスタファ会長、世界選手権での試合操作、審判買収疑惑を否定


 国際ハンドボール協会(IHF)のムスタファ・ハッサン会長は31日に記者会見を行い、2009年クロアチア世界選手権で審判による試合操作があったとされる件について公式の場で「不正は一切なかった」と断言。この疑惑を完全否定した。
 一方、クロアチアハンドボール協会(HRS)の発表では、クロアチア世界選手権の公式夕食会の場で審判が試合の不正操作と贈賄をオファーされた疑いがあることについて、国際ハンドボール協会(IHF)から、調査の対象となったデンマーク人のペデルセン、オルセンの両審判に関する調査報告書が届き、「両審判はこの容疑を明確に否定している」と回答してきたことを明らかにした。この調査結果に対しHRSのサンディ・ソラ会長は、「IHFの報告書では、件の夕食会で不正供与のオファーはなかったと記されているが、われわれは2人のデンマーク人審判に、クロアチアメディアの前できちんとそれを証言してもらいたいと思っている。彼らはわれわれにダメージを与えたのだから、それに対して正式に謝罪すべきだ」 
 デンマーク人の2人の審判は、この大会のドイツ対ロシア戦(26-26)で不可解なジャッジをしたと見なされていたにも係わらず、決勝戦のクロアチア対フランス戦(フランス勝利)でも笛を吹いた。そのため、HRSはIHFに調査を要請。HRSは、「IFHにはマフィアがいる」とムスタファ・ハッサン会長および現体制を糾弾するなど、同協会への批判が強まっている。



欧州の16クラブがIHF提訴の構え


 欧州の男子ハンドボール主要クラブ16チームによるハンドボール・クラブ協会(GCH)は、現行のEHFチャンピオンズリーグに代わる独自のスーパーリーグを立ち上げる構想を発表し、同時にEHF(欧州ハンドボール協会)、IHF(国際ハンドボール協会)の提訴も辞さない構えを見せている。
 GCHのゲルト・ブチェック会長によると、IHFが管理する国際大会の過密日程により代表選手が年間100日以上も長い期間チームを離れることに対し何ら補償が行われないこと、クラブよりも代表チームを優先するスケジュールがまかり通っていることなどを不服として、IHFでただちに対応策が協議されない場合、EU(欧州共同体)にIHFおよびEHFを提訴する用意があることを明らかにした。また、現行のチャンピオンズリーグに代わる独自の大会を発足させるプランも検討しているという。