ヨーロッパニュース一覧

2009-6-2

ヨーロッパ・ニュース Vol.87

2009/06/02

男子ハンドボール:欧州チャンピオンズリーグ、スペインのシウダー・レアルが2連覇

スペイン、シウダー・レアル

 欧州チャンピオンズリーグ決勝戦は、昨年に続く大逆転劇で幕を閉じた。
 ホームでの第1戦で39-34と5点差をつけ先勝し優勝に王手をかけたドイツのTHWキールだったが、アウエーで行われた第2戦でディフェンディングチャンピオンのシウダー・レアルに33-27で敗れ、昨年に続き2年連続の大逆転負けを喫した。
 シウダー・レアルは奇跡の大逆転で昨年に続く同大会2連覇を達成し、土壇場での粘り強さを見せ付けた。
 今季のチャンピオンズリーグではベスト4に3チームを送り込んだドイツ勢だったが、またしても最後はスペインのクラブに欧州ナンバーワンのタイトルを奪われた。
 この試合、アウエーのキールは39分の時点でシウダー・レアルに20-16の大差をつけリードしていた。誰もがキールの優勝を疑わなかったが、ここから突如、試合の流れが変わる。

 シウダー・レアルのGKオンブラードスがスーパーセーブを連発しキールの攻撃の流れを止めると、ここからシウダー・レアルが反撃を開始。8分間に4連続ゴールを挙げて20-20の同点に追いついたシウダー・レアルは、22-21と一気に逆転。勢いに乗ったシウダー・レアルはGKステルビックの好守もあり、徐々に点差を広げる。キールの選手たちの頭には、昨年のホームでの第2戦の逆転負けが頭をよぎったに違いない。終盤、シウダー・レアルが32-27として第1戦での5点差のハンディを帳消しにすると、ドン・キホーテアレーナの大観衆の声援に後押しされたシウダー・レアルは、試合終了48秒前にステファンソンが優勝を決めるゴールを決め、そのまま逃げ切った。シウダー・レアルは、今季もスペインリーグとチャンピオンズリーグの2冠を達成し、パーフェクトなシーズンを締めくくった。



男子ハンドボール:宮崎選手がスペインのアルコベンダスに入団内定


 この春、日本リーグの大崎電気を退団し、欧州リーグへの挑戦を表明していた宮崎大輔選手が、スペイン1部リーグ(ASOBAL)のアルコベンダスに入団することがほぼ確実となった。
 欧州でもトップリーグのASOBALで日本人がプレーするのは初めてのことだけに、宮崎選手のニュースは地元スペインの新聞でも“アジアナンバーワン選手の挑戦”として紹介されている。
 宮崎選手はジュニア時代の5年前にも、カタルーニャ・ハンドボール協会と日本ハンドボール協会の協定により、他の5人の日本人選手とともにスペインの2部リーグのチームでプレーしていたことがあり、スペインでプレーするのは今回が2度目となる。現地ではASOBALのトップクラブ、FCバルセロナでトレーニングをした後、グラノジェーレスのテストも受けたが、残念ながら不合格だった。アルコベンダスのコーチ陣は、同選手のスピードとパワフルで低い位置からのシュートに注目したという。アルコベンダスは首都マドリードの郊外にある中堅クラブ。今季はリーグ戦の成績が7勝22敗1分とふるわずシーズンを通じて降格の危機にさらされていたが、最後は16チーム中14位で終え、かろうじて1部リーグ残留を決めた。宮崎選手がチームの救世主になるか、いろいろな意味で同選手の挑戦に注目が集まりそうだ。



男子ホッケー:ユーロホッケーリーグファイナル4、ブローメンダールが優勝



 男子ホッケーのユーロホッケーリーグは、5月30、31日にオランダのロッテルダムでファイナル4トーナメントが行われ、決勝戦でオランダのHCブローメンダールがドイツのUHCハンブルクを5-4で下し、優勝を決めた。なお3位決定戦では、オランダのHCロッテルダムがベルギーのKHCルーベンを8-1の大差で破っている。

<ユーロホッケーリーグファイナル4結果>
5/30 準決勝

UHCハンブルク 3-2 KHCルーベン
HCブローメンダール 4-3 HCロッテルダム

5/31 決勝

HCブローメンダール 5-4 UHCハンブルク

5/31 3位決定戦

HCロッテルダム 8-1 KHCルーベン



男子バレーボール:英国代表、代表選手強化のためスペイントップリーグに選手を派遣


 スペインの男子バレーボールのトップリーグ、スーペル・リーガに、来季、英国代表の5選手が参加することが決まった。2012年ロンドン・オリンピックに向けて急速にチーム強化を図る英国代表だが、この度、英国バレーボール協会がスペイントップリーグのアローサ・テネリフェ・スルと合意に達し、来シーズン、同チームで5人の英国代表選手をプレーさせることになった。英国は多くのボールゲームで統一の代表チームを持っておらず、自国開催のオリンピックに備えて、各協会ともハイペースで代表チームの整備および強化を進めている。同国の男子バレーボール強化に関しては、まず監督にオランダ人のハリー・ブルッキング氏を迎え、短期間で効果的な強化をはかるため欧州のハイレベルなリーグへ同国代表選手を派遣することを検討。この動きに対し、今季リーグ戦6位のアローサが受け入れ先として手を挙げた。一方代表チームとしても、間もなく始まるヨーロッパ・リーグへの参戦が決まっている。
 こうした努力のかいあって、イングランド代表の強化策は徐々にではあるが功を奏し始めているようだ。31日に行われた親善試合の対オーストラリア戦では、アジア・オセアニアの強豪オーストラリアを相手に惜敗したものの、フルセット(21-25、25-17、25-23、16-25、12-15)の接戦を演じた。
 一方、英国代表としてのチーム作りが難航しているのが男子サッカーだ。英国オリンピック委員会は、ロンドン五輪に統一の“英国代表チーム”として出場することを宣言しているが、これに対して先日、FIFA(国際サッカー連盟)から独立した協会として承認されているウェールズ、スコットランド、北アイルランドの3つの協会が連名でロンドン五輪への参加辞退を正式に表明した。もしこれが認められれば、英国代表は実質イングランド代表選手のみによって構成されることになる。



ハンドボール:IHF会長選挙はムスタファ氏が圧勝の予想



 AP通信によると、6月4日に予定されているIHF(国際ハンドボール連盟)の会長選挙で、現職のハッサン・ムスタファ会長が3選を果たす可能性が高いことがわかった。これによると、157のIHFメンバーの大部分がムスタファ氏を支持しているという。
 4日から7日までエジプトのカイロで開催されるIHF総会で同氏が再選を決めた場合、新たに今後4年間の任期を務めることになる。この選挙には、当初同氏を含め3人の候補者が出馬していたが、グドゥムンダー・イングバーソン氏(アイスランド)が出馬辞退を表明したため、ムスタファ氏とジャン・カイザー氏(ルクセンブルグ)の一騎打ちとなる。
 ムスタファ氏はこれまで、北京オリンピックでの審判買収スキャンダルやアンチドーピングテストへの不正介入への関与が指摘されており、50年近くに渡りIHFの事務局の運営に携わってきた事務局長のペーター・ミュールマター氏およびクリスター・アル氏は、こうしたムスタファ氏の不透明な方針に反旗を翻し、同氏の退任を要求して会長選挙を要求していた。
 一方ムスタファ氏は、一貫して自身の潔白を主張。「私の仕事が全てのハンドボールファミリーにとって明朗になるよう、選挙を行うことについては常に歓迎する」と余裕を見せている。