ヨーロッパ・ニュース Vol.88
2009/06/09
● 女子バスケットボール:欧州選手権始まる
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ラトビアで7日、女子バスケットボールの欧州選手権(ユーロバスケット・ウーマン2009)が始まった。
この大会には、欧州予選を勝ち抜いた16チームが参加しているが、まずは4グループに分かれて予選ラウンドが行われ、各グループの上位3チーム、計12チームが2つのグループに分かれて決勝ラウンドを行い、ベスト8を決める。
予選ラウンドは、リエパジャとバルミエラの2都市で行われるが、決勝ラウンド以降の全試合は、首都リガで行われる。優勝候補は、2007年の前回大会で優勝したFIBA世界ランキング2位のロシア、
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準優勝で同じくランキング5位のスペイン、前回大会、惜しくも4位ながら地元開催のラトビアなどにより争われると見られるが、前回大会3位のベラルーシ、フランス、スロバキアらも上位進出を狙う。
<ユーロバスケット・ウーマン予選ラウンド組み合わせ>
グループA: | スペイン、スロバキア、チェコ、ウクライナ |
グループB: | ラトビア、ギリシャ、ハンガリー、ポーランド |
グループC: | リトアニア、ロシア、トルコ、セルビア |
グループD: | フランス、ベラルーシ、イスラエル、イタリア |
● バレーボール:ヨーロッパ・リーグはじまる
5月23日から先行して女子のグループリーグがスタートした、バレーボールのヨーロッパ・リーグだが、5日からは男子のグループリーグもはじまった。今年の大会では、ロンドンオリンピックに向けチーム強化を進めており、同大会への出場は初となる英国代表の戦いぶりに注目が集まるが、トルコ、クロアチアと同グループになった男子は、5日と6日にアウエーでスペインと対戦し3-0、3-1で敗れ、2連敗のスタートとなった。一方の女子も、フランス、トルコ、ルーマニアと同グループに入ったが、ここまで6戦全敗といいところがなく、オリンピックへの道のりはまだまだ前途多難のようだ。
<ヨーロッパ・リーグ男子グループリーグ組み合わせ>
プールA: | トルコ、スペイン、英国、クロアチア |
プールB: | ドイツ、ルーマニア、ギリシャ、ベルギー |
プールC: | オーストリア、ベラルーシ、スロバキア、ポルトガル |
<ヨーロッパ・リーグ女子グループリーグ途中結果>
プールA: | 1.セルビア(5勝1敗) 2.スペイン(2勝3敗) 3.ブルガリア(2勝2敗) 4.ギリシャ(4敗) |
プールB: | 1.フランス(4勝2敗) 2.トルコ(4勝2敗) 3.ルーマニア(4勝2敗) 4.英国(6敗) |
● ハンドボール:ムスタファ氏がIHF会長に再選
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4日から7日にかけてカイロで開催されたIHF(国際ハンドボール協会)の年次総会で行われた次期会長選挙で、現会長のハッサン・ムスタファ氏(エジプト)が115対25の大差で対抗候補のジャン・カイザー氏(ルクセンブルグ)を退け、同協会の会長に再選された。ムスタファ会長は、今後4年間にわたり任期を務めることになる。
また、これと同時に、第一副会長としてスペイン人のミゲル・ロカ氏が選ばれたほか、新事務局長には、フランス人のジョエル・デルプランケ氏とクロアチア人のサンディ・ソラ氏が任命された。
● ハンドボール:来季チャンピオンズリーグの大会方式が改定
EHF(欧州ハンドボール協会)は、来季2009―10シーズンのチャンピオンズリーグの大会方式を一部改定することを決定した。
これによると、来季は参加チームが32から24チームに減るほか、従来のホーム&アウエー形式から、バスケットボール、バレーボールなどのチャンピオンズリーグで採用されている1箇所開催でのファイナル4形式を導入することになった。なお、来季の第1回目のファイナル4は、5月29日と30日にドイツのケルンで開催されることも決定した。
● ラグビー:スコットランド新監督に元イングランド監督のロビンソン氏が就任
スコットランドラグビー協会は4日、同国代表監督に元イングランド代表監督のアンディ・ロビンソン氏が就任したことを発表した。
現在45歳の同監督は、イングランド代表監督を辞した後、ここ2シーズンはクラブチームのエジンバラを率いていたが、再び代表チームを率いることになった。スコットランドは、前回の6カ国対抗戦ではわずか1勝しか挙げることができず、大会直後にフランク・ハーデン監督がこの責任をとって辞任していた。ロビンソン氏はハーデン監督の後任として、今後チームの立て直しを図る。
● 男子ハンドボール:カラバティッチがキールからモンペリエへ移籍
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現在、ハンドボール界で世界最高の選手といわれるTHWキールのフランス人センタープレーヤー、二コラ・カラバティッチが、2005年まで所属していた母国のモンペリエに移籍することが決まった。
ドイツの現チャンピオンであるキールは、チャンピオンズリーグでも、昨シーズン、今シーズンと2年連続で決勝進出を果たしており、カラバティッチは同クラブの大黒柱としてチームを牽引していたが、クラブ幹部への不信から、今季終了後にキールを退団する意向を表明していた。そにため、スペインリーグのシウダー・レアルやバルセロナらが同選手の争奪戦を繰り広げていたが、最終的には、弟のルカがプレーし、父親がGKコーチを務める母国のチャンピオンチームに復帰することになった。
カラバティッチは、まだ25歳という若さながら、フランス代表メンバーとして今年の世界選手権、昨年の北京オリンピック、2006年の欧州選手権で優勝を経験しているほか、クラブチームでも、2003年にはモンペリエで、2007年にはキールでチャンピオンズリーグのタイトルを手にし、ドイツの国内リーグではリーグタイトル4回、ドイツ杯3回、ドイツスーパーカップ2回を制し、さらに世界クラブ選手権でも優勝するなど、あらゆる大会で頂点を極めている。今回復帰が決まった古巣のモンペリエでも、かつてフランスリーグ4回、フランス杯2回、リーグカップ2回のタイトルを獲得するなど輝かしい成績を残している。また、カラバティッチは個人としても、2007年度に世界最優秀選手、ブンデスリーガ年間最優秀選手、世界選手権MVPを受賞。2008年度にも欧州最優秀選手に選ばれているほか、2007年のチャンピオンズリーグ、2008年の欧州選手権では得点王にもなっており、一選手として考えうるほぼ全ての主要タイトルを手に入れてきたといっても過言ではない。
なお、今回キールから移籍するのはカラバティッチだけでない。右サイドのスロバキア人、カブティクニッチも、同じくモンペリエへ移籍することが決まっている。キールでは、すでにこの2選手の代わりとなる選手の獲得が決まっているが、両選手の穴を埋めるのは容易ではない。
● 男子バスケットボール:欧州最高年俸選手チルドレス、ギリシャリーグからNBAに復帰か
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今シーズン前、NBAのアトランタ・ホークスから、3年契約、欧州史上最高金額の2000万ドル(約20億円)という鳴り物入りでギリシャのオリンピアコスに移籍してきたアメリカ人ウイングのジョシュー・チルドレスだが、早くも来季、NBAへの復帰を検討しているようだ。
同選手の獲得には、古巣のホークスのほかLAクリッパーズも興味を持っていると言われる。世界中の注目を集めたNBAトッププレーヤーの欧州リーグへの転身劇は、わずか1年で幕を下ろすことになるかもしれない。