ヨーロッパニュース一覧

2009-6-16

ヨーロッパ・ニュース Vol.89

2009/06/16

女子水球: FINAワールドリーグ・スーパーファイナル、優勝はアメリカ

ロシア、キリシのコンビナート

 ロシアのキリシで行われていたFINA(国際水泳連盟)主催の水球ワールドリーグ・スーパーファイナルは14日に決勝戦が行われ、昨年、惜しくも準優勝に終わったアメリカがカナダを9-6で下して優勝した。また3位決定戦では、オーストラリアがスペインを12-8で破った。昨年優勝の地元ロシアは、5位決定戦で中国に10-9で破れ、6位に終わった


<ワールドリーグ・スーパーファイナル結果>
1.カナダ 2.アメリカ 3.オーストラリア 4.スペイン 5.中国 6.ロシア 7.ギリシャ 8.イタリア



男子水球: FINAワールドリーグ・スーパーファイナル、日本も出場




 水球のFINAワールドリーグ・スーパーファイナルが16日から21日までモンテネグロのポドゴリカで開催される。世界各地の予選を勝ち抜いた8チームが世界一の座をかけて争うこの大会には、欧州から地元のモンテネグロをはじめ、イタリア、セルビア、クロアチアの4チームが参加。その他の地域からは、アメリカ、オーストラリア、日本、南アフリカの4チームが参加する。
 日本はアジア・オセアニア予選では、1位通過のオーストラリアに8-15、3-12という大差で敗れているが、世界の強豪を相手にどこまで健闘するか注目が集まる。優勝争いは、昨年のスーパーファイナル優勝のセルビア、2位の地元モンテネグロ、予選ラウンドでスペインを破ってスーパーファイナル入りしたクロアチアら東欧勢を中心に進むと思われる。



女子バスケットボール:欧州選手権決勝ラウンド進出チームが出揃う



 ラトビアで行われている女子バスケットボール(ユーロバスケット・ウーマン)はグループラウンドを終了し、決勝ラウンド進出チームが出揃った。
グループAではスペインが、グループBでは地元ラトビアが、グループCではロシアが、そしてグループDではフランスがそれぞれ3連勝を飾り、首位で決勝ラウンドへ進出した。一方、ウクライナ、ハンガリー、セルビア、イスラエルは予選ラウンド最下位となり、大会から姿を消すことになった。

引き続き行われている決勝ラウンドの組み合わせは以下のとおり。

グループE: スペイン、ラトビア、スロバキア、ギリシャ、ポーランド、チェコ
グループF: ロシア、フランス、トルコ、イタリア、ベラルーシ、リトアニア



男子バレーボール: ワールドリーグ予選ラウンド始まる


 男子バレーボールのワールドリーグは12日から予選ラウンドが始まった。プールAでは、オランダがアメリカとの初戦を3-0で下すサプライズを見せたものの、アメリカも意地を見せ、第2戦を3-2で取り返し、対戦戦績を1勝1敗とした。一方、イタリアはホームで行われた初戦で中国に3-0でストレート勝ちしたものの、2戦目を0-3で落とし、同じく1勝1敗のタイとなった。一方、プールBも各チーム、互角のスタートとなった。ホームにフランスを迎えたセルビアは初戦を0-3で落とすものの、第2戦は3-1で取り返しタイに。韓国はアルゼンチンと2試合連続フルセットを演じ、同じく1勝1敗と分けた。差がついたのはプールCだ。ロシアはアウエーで日本相手に2連勝。キューバもホームでブルガリアに2連勝して、両チームが一歩抜け出した。残るプールDは、ブラジルがポーランド相手に2連勝と幸先のよいスタートを切ったが、ベネズエラ対フィンランドは1勝1敗に終わった。予選ラウンドはホーム&アウエーの総当たり戦で7月半ばまで行われる。



2016年オリンピック: マドリード市民の76.3%が2016年オリンピック開催を確信

 17日に締め切られる2016年オリンピック開催候補地の最終プレゼンを前に、マドリードで市民1000人を対象に行った調査が行われ、76.3%の市民が、2016年に同市でオリンピックが行われることを確信しているという報告がまとめられた。
 マドリードは、5月に行われたIOCの評価委員会による公式訪問時にも、市民の93.6%がオリンピック開催を熱望しているという圧倒的な支持率を獲得しており、市民のオリンピック誘致への期待の高さは他の3都市を大きく上回る。
 一方、オリンピックに関するロビイスト活動のサイトとして知られている『アラウンド・ザ・リングス』の最新の指標によると、マドリードは78ポイントで80ポイントのシカゴに次いで2位につけている。(東京、リオはともに77ポイント)
“アラウンド・ザ・リングス”ホームページ: http://www.aroundtherings.com/



EHLが来季から新大会“女子ユーロホッケー・クラブ・チャンピオンズ”創設

 EHL(欧州ホッケー連盟)は、来季より、欧州のクラブチャンピオンを決める女子の大会の方式を改定することを決定した。これによると、来季の大会への出場資格を持つのは、国別ランキング上位のオランダ、ドイツ、スペイン、イングランドの4カ国から各2チームと、ロシア、ウクライナ、アゼルバイジャン、スコットランドから各1チームの計12チームとなる。



男子ハンドボール: 英国代表監督にセルビア人のドラガン・ジュキッチ氏が就任


 2012年ロンドンオリンピックに向けて強化を進める英国ハンドボール協会は、2月に辞任したデンマーク人カルステン・アルブレクステン前監督の後任として、セルビア人のドラガン・ジュキッチ氏の監督就任を発表した。

 オリンピック初出場となる英国代表は、短期間でのレベルアップをはかるべく準備を進めているが、欧州や中東で多くのチームを率いた経験を持つ47歳のジュキッチの手腕を見込んで、招致に至った。

 一方、鳴り物入りで監督に就任したアルブレクステン前監督だったが、英国スポーツ協会よりハンドボールの強化費が290万ポンド(約4億7000万円)からほぼ半分の140万ポンド(約2億3000万円)に削減された直後に辞任を表明しており、金銭面での合意が成立しなかったのが原因と見られている。

 ジュキッチ氏は、過去に監督としてヨルダン代表やマケドニア代表を率いた他、スイス代表でもコーチングスタッフとして働いたことがある。


ハンドボール: デンマーク協会長がムスタファ会長再選を批判

 6月4日にカイロで行われたIHF(国際ハンドボール連盟)の総会で、エジプト人のハッサン・ムスタファ氏が再選されたが、この総会に参加したデンマークハンドボール協会のパー・ラスムッセン会長は、同総会から帰国後、同国の『ポリティケン』紙とのインタビューに応じ、IHFの総会および選挙についての詳細を説明するとともに、IHF現政権のやり方を痛烈に批判した。
 「総会は全てが無秩序状態だった。ほとんどマネージメントされておらず、民主主義的な視点などない、極めて“気味が悪い”総会だった。議事を進行する役目の議長すらいなかったのだ。会長選挙の唯一の対立候補であったカイザー氏には、十分な立候補表明の時間も与えられなかった」
 ラスムッセン会長は、カイザー氏のスピーチの際にマイクが故障し機能しなかったことについて、ムスタファ氏の妨害工作の可能性があるとも指摘している。
 「常に彼(ムスタファ会長)が気に入らないことが行われる際、何かが起こるんだ。彼が意図的にマイクのスイッチを切ったことは十分考えられる。これはまさに“マペット・ショー”(操り人形の劇)だ」
 ラスムッセン会長は、選挙の投票以前、その他にも様ざまな妨害工作が行われたことを指摘している。
 一方、115対25という大差でムスタファ氏が再選された投票結果について同会長は、「ヨーロッパには発言権がない」と憤慨の意を表し、ムスタファ氏に投票したアフリカ、アジア、南米の各国協会の態度を強く批難した。
 「アフリカ、アジア、南米の国々が下した決断は大間違いだ。ネパールのような小国の発言権を無視するつもりはないが、わずか120人の選手しか登録されていない国と、デンマーク、スウェーデン、ドイツのようなハンドボール大国が同じ扱いというのは納得できない」

ともあれ、第32回のIHF総会は幕を閉じた。会長選挙で敗れたジャン・カイザー氏は、選挙に不正があったとして公式に抗議を行う構えだという。これに対し、ムスタファ会長サイドは一切の沈黙を守っている。