ヨーロッパ・ニュース Vol.96
2009/09/29
● 2016年オリンピック招致、マドリードがラストスパート
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2016年オリンピック開催国が決定する10月2日のコペンハーゲンでのIOC(国際オリンピック委員会)総会を前に、ヨーロッパから立候補しているマドリードで27日、オリンピックの地元開催を支持する大規模な市民集会が行われた。集会は、マドリード市の目抜き通りカステジャーナ大通りを通行止めにして行われ、マドリード五輪誘致のシンボルマークを中心にエリアごとに分かれた五輪カラーのモザイクが披露された。この集会への参加者は公式発表で50万人、主催者発表では90万人となっており、外部に一般市民のオリンピック誘致への関心の高さをアピールした。
IOC総会前の最後の週末となる26、27日には、海外へも広く配信されているサッカーのリーガ・エスパニョ-ラで、全ての試合の前にマドリード五輪誘致のシンボルマークを記した旗が登場したほか、テレビの民法ネットでも全ての番組で、各局のチャンネルと共にこのシンボルマークが表示されるなど、2日のIOC総会に向けラストスパートをかけている。
プレゼンの最終兵器は12歳の少女か
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マドリードは、オリンピック誘致をサポートする代表団として計400名を現地に送り込むが、先陣は28日から現地入りする。最終プレゼンに臨む12名のメンバーには、フアン・カルロス1世国王を筆頭に、ホセ・ルイス・サパテロ首相、アルベルト・ルイス・ガジャルドン、マドリード市長、エスペランサ・アギーレ、マドリード州知事、フアン・アントニオ・サマランチIOC名誉会長、現IOCメンバーでもある同氏の息子サリサチス氏、メルセデス・コーエン五輪招致委員長の他、3名のアスリートまたは元アスリートが加わる見込み。中でも、当日の最終プレゼンで秘密兵器と目されているのが、オリンピック招致委員長のメルセデス・コーエン女史の娘、モニカ・コーエン(12歳)だ。モニカは、5月に五輪候補地視察団がマドリードを訪問した際にも英語での見事なスピーチを披露しており、マドリード市民の代表としてIOCメンバーに招致を訴える思いを伝えるメッセンジャーとしての役割が期待されている。
<スペイン五輪招致代表団に参加する主なアスリート>
※オリンピック経験者、パラリンピック経験者、などから計16名が選抜
フェルミン・カッチョ (陸上:92年バルセロナ五輪金メダリスト、96年アトランタ五輪銀メダリスト)
ミゲル・インドゥライン(自転車:96年ンアトランタ五輪金メダリスト)
マルタ・ドミンゲス(陸上:09年ベルリン世界陸上金メダリスト)
ラウル・ゴサンレス(サッカー:レアル・マドリード現主将)
ホルヘ・ガルバホサ(バスケット:08年北京五輪銀メダリスト)
アランチャ・サンチェス(テニス: 92年バルセロナ五輪、96年アトランタ五輪メダリスト)
他の候補地についての報道
決戦投票を間近にして、欧州でも各候補地のニュースが報道されているが、シカゴ、リオ・デ・ジャネイロと比べ、東京に関するニュースは驚くほど報道されていない。東京では急遽、鳩山首相のIOC総会参加が決定したが、シカゴ支持するオバマ大統領、リオを支持する元ブラジル代表のペレなど世界的な知名度を持つ人物の擁立に成功しておらず、海外へのアピールという意味ではインパクトでやや劣る。後は最終プレゼンの内容次第ということになるだろう。
● 男子ハンドボール: アルコベンダスが初勝利、宮崎は3ゴール
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男子ハンドボールのスペイントップリーグASOBALは第4節が行われ、宮崎大輔選手が所属するアルコベンダスは26日にアウエーでオクタビオと対戦し、27-24で勝って、今季初勝利を挙げた。この結果、アルコベンダスはリーグでの対戦成績を1勝2敗1分として順位を10位まで上げた。 今週23日に行われた第3節では、アルコベンダスは欧州の強豪バルセロナと対戦し35-27の大差で敗れている。バルセロナ戦では自身も1ゴールに抑えられ力の差をみせつけられた宮崎だが、この試合では、ミロ・ペシッチとともに両サイドからアルコベンダスの攻撃を牽引。自身も3得点を挙げるなど活躍を見せ、チームの勝利に貢献した。
● 男子ハンドボール: 頂上対決はシウダー・レアルがバルセロナを破る
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今季の優勝を占う男子ハンドボールASOBALの第4節注目の一戦、バルセロナ対シウダー・レアルは、アウエーのシウダー・レアルがバルセロナを33-30で下し、スペイン・スーパーカップで敗れたリベンジを果たした。勝ったシウダー・レアルはバジャドリー、アラゴンとともに開幕から無傷の4連勝とし、首位に立っている。
● 野球: ベースボール・ワールドカップ2009、米国が連覇
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ベースボール・ワールドカップ2009は、27日にイタリアのネットゥーノで決勝戦が行われ、米国がキューバを10-6で破り、前回大会に続き2連覇を達成した。また3位決定戦では、カナダがプエルトリコを6-2で下した。欧州で始めて開催された本大会では、北中米・カリブ代表国が4位までを占める一方、アジア勢の元気がなく、欧州勢もほぼ下位に沈む結果となった。そんな中、欧州勢として唯一決勝トーナメントに進み、6位に入ったオランダの健闘が際立った。
<ベースボール・ワールドカップ順位決定戦結果>
決勝戦 米国 10-6 キューバ
3位決定戦 カナダ 6-2 プエルトリコ
5位決定戦 オーストラリア 4-1 オランダ
7位決定戦 ベネズエラ 6-3 台湾
<最終順位>
1.米国 2.キューバ 3.カナダ 4.プエルトリコ 5.オーストラリア 6.オランダ 7.ベネズエラ
8.台湾 9.韓国 10.日本 11.メキシコ 12.スペイン 13.ニカラグア 14.イタリア 15.英国
16.アンティージャス諸島 17.ドイツ 18.クロアチア 19.スウェーデン 20.チェコ 21.南アフリカ
22.中国
● 女子バレーボール: 欧州選手権、グループラウンドが終了
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25日からポーランドで行われている女子バレーボールの欧州選手権はグループラウンドの日程を終了し、2次ラウンドに進む各グループ上位3チームが決定した。プールAでは、オランダが失セット0の3戦全勝、次いでポーランドが2勝1敗で2位に入った他、プールBではイタリアが3連勝、2位にはドイツが入った。一方、プールCのロシア、プールDのセルビアはいずれも1セットも落とさずに3連勝で、強豪がいずれも順当に次ラウンドに駒を進めた。
<女子欧州選手権グループリーグ順位> ※3位までが2次ラウンドへ
プールA: 1.オランダ 2.ポーランド 3.スペイン 4.クロアチア
プールB: 1.イタリア 2.ドイツ 3.トルコ
プールC: 1.ロシア 2.ブルガリア 3.ベルギー 4.ベラルーシ
プールD: 1.セルビア 2.アゼルバイジャン 3.チェコ 4.スロバキア