ヨーロッパ・ニュース Vol.101
2009/11/03
● 男子バレーボール: FIVB世界クラブ選手権が3日から開催、新ルール「ゴールデンフォーミュラ」が採用
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男子バレーボールの世界ナンバーワンクラブチームを決定するFIVB世界クラブ選手権が、11月の3日から8日までカタールの首都ドーハで開催される。優勝賞金25万ドル(約2300万円)を懸けて行われるこの大会に参加するのは、ヨーロッパから昨季のチャンピオンズリーグ覇者のトレンティーノ(イタリア)、同大会準優勝のPGEベルカトフ(ポーランド)、CEV(欧州バレーボール協会)ランキング1位のゼニト・カザン(ロシア)、ベルカトフ(NORCECA(北中米バレーボール協会)からはコロサル(プエルトリコ)、アフリカクラブチャンピオンのザマレック(エジプト)、アジアクラブ選手権優勝のパイカン(イラン)、南米チャンピオンのシメド(ブラジル)、そして開催国カタールのアル・アラビを加えた全8チームだ。この各大陸の王者が、2グループに分かれて予選を行う。
過去の4大会では、いずれもイタリアのチームが優勝しており、今大会でトレンティーノが勝てば、イタリア勢の大会5連覇となる。また、今年のヨーロッパ選手権で優勝したポーランドから出場するベルカトフ、ロシアのゼニト・カザンの欧州勢も強力な優勝候補に挙げられる。一方、初の南米王者に輝いたブラジルのシメドが欧州勢相手にどこまでやれるかにも注目が集まる。
<FIVBクラブ選手権、グループリーグ組み合わせ>
プールA:
トレンティーノ(イタリア)、ゼニト・カザン(ロシア)、ザマレック(エジプト)、コロサル(プエルトリコ)
プールB:
PGEベルカトフ(ポーランド)、パヤカン(イラン)、アル・アラビ(カタール)、シメド(ブラジル)
今大会でもうひとつ注目されるのは、新ルール「ゴールデンフォーミュラ」が国際大会で初めて試験的に採用されることである。このルールは、ラリーがより長く続くよう、「サーブレシーブからのファーストアタックがバックアタックのみに限定される」というものだ。すでに開催国カタールの国内リーグでは採用されているというこのルールだが、今後もしこれが他の国際大会でも採用されることになれば、従来のバレーボールの戦術が大きく変わる可能性がある革命的なものになる可能性もある。
● 男子バレーボール:2010FIVB男子世界選手権イタリア大会の組み合わせ決定
2010年10月に、世界24カ国が参加して行われる男子バレーボール世界選手権イタリア大会のグループラウンド組み合わせ抽選が、2日にイタリアのローマで行われた。
この結果、世界王者のブラジルはスペイン、キューバと同じ組に入ったほか、北京オリンピック金メダルの米国はアルゼンチン、ベネズエラ、メキシコと中南米勢との対戦となった。また、今年の欧州選手権優勝のポーランドは、セルビア、ドイツという欧州勢と同組に、日本はイタリア、エジプト、イランとの同組に決まった。
<世界選手権グループリーグ組み合わせ抽選結果>
プールA: イタリア、日本、エジプト、イラン
プールB: ブラジル、スペイン、キューバ、チュニジア
プールC: ロシア、プエルトリコ、オーストラリア、カメルーン
プールD: 米国、アルゼンチン、ベネズエラ、メキシコ
プールE: ブルガリア、中国、フランス、チェコ
プールF: セルビア、ポーランド、ドイツ、カナダ
● 女子ハンドボール: チャンピオンズリーグ、グループリーグ第2節
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女子ハンドボールのチャンピオンズリーグはグループリーグの第2節が行われ、昨季ベスト4のCSオルチム・バルセア(ルーマニア)がロシアのズベズダ・ズベニゴロドゥを31-27で破り、グループC2連勝を飾った。またグループBでは、強豪ヒポ・ニーダーオーストリッヒ(オーストリア)がフランスのメス・ハンドボールと 27-27で引き分けた。一方、昨シーズンの王者ビボルグHK(デンマーク)はドイツのライプツィヒに33-23で貫録勝ちを収めた。
● 男子ハンドボール: 英国ハンドボール協会、2012年欧州選手権参加のための資金をIOCから調達
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英国ハンドボール協会は、同国の男子チームが2012年の欧州選手権にエントリーするために必要な資金として6万ポンド(約800万円)をIOC(国際オリンピック委員会)から融資されることになった。
同協会の競技委員長ロレイン・ブラウン氏は、「IOCのこの決定は、男子チームのレベルアップに大きく貢献してくれる。この資金援助が確実に行われなければ、我々の欧州選手権エントリーは厳しい状況にあったが、IOCで今後の強化計画が進められる」と述べている。世界的な経済不況のあおりを受け、ロンドンオリンピックに向けた英国スポーツ省からハンドボール協会への割り当て予算は、これまでの290万ポンド(約4億3500万円)から半額の149万ポンド(約2億2000万円)へと大幅に減額されている。
英国では、バレーボールや水球などの競技においても同様の状況に直面しており、オリンピックに向けた強化策に大きな支障が出ている。
● 女子アイスホッケー: スウェーデンがフィンランドを破る
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女子アイスホッケーの4カ国対抗戦がスゥーデンのストックホルムで行われ、開催国のスウェーデンがノルウェーを1-0で破り、優勝した。
スウェーデンはロシアに2-1、ドイツに4-1と連勝。一方、数名の主力選手を欠いたフィンランドは、ドイツに2-1、ロシアにはPKの末4-3と、いずれも接戦を制してスウェーデンとの直接対決を迎えた。宿命のライバル同士である北欧の2強の対戦はスコアレスのまま進むが、 55分にアンダーソンの決勝ゴールが決まり、スウェーデンが最少得点差で勝利を収めた。
● 男子ハンドボール: スペイン対フランスの親善試合はドロー」
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1日にマドリードで行われた男子ハンドボールの親善試合スペイン対フランス戦は、ともに譲らず23-23のドローに終わった。昨年の北京オリンピック、今年のクロアチアの世界選手権を制した世界チャンピオンのフランスに対し、スペインは強固なディフェンスで対抗。世界最優秀選手のフランスGKオメイヤ、セルビア出身ながらスペイン国籍を取得したスペインGKステルビックの両GKがともに好セーブを連発するディフェンシブな戦いとなった。