2009/12/22

＜毎週、欧州を中心とした世界各地のボールゲームの最新ニュースをお届けします＞
先週末を最後に、欧州のチームスポーツのリーグの多くがウインターブレークに入ります。今号では、２００９年末にサッカー界で史上初となる６冠を達成し、ハンドボール、バスケットボールでも好調を維持しているバルセロナを特集します。

● 女子ハンドボール：　世界選手権はロシアが３連覇　（欧州）

中国で行われている女子ハンドボールの世界選手権は２０日に決勝戦が行われ、ロシアが２５－２２でフランスを破り、２００５年、２００７年に続く３２連覇を達成。過去８年間で４度目のタイトル獲得となる。
前々日の準決勝でともにノルウェー、スペインを破った両チームによる決勝戦は、連戦の疲れからからか、プレーにいつものようなキレが見られなかった。しかし、鉄壁のディフェンスを誇るロシアがフランスの攻撃を抑えきり、逃げ切った。 なお、同日行われた３位決定戦では、北京オリンピック金メダルのノルウェーが３１－２６でスペインを下した。上位１０チームのうち９位までが欧州勢と、今大会でも欧州の圧倒的優位が浮き彫りになった中、欧州以外の地域から唯一、６位に入った韓国の健闘が光った。
次回の世界選手権は２００１年にブラジルで開催されるが、今回優勝のロシアには自動的に出場権が与えられる。なお、予選ラウンドで敗退し、その後に行われたプレジデント杯（順位決定戦）に回った日本は、最終戦でブラジルに３１－２９の僅差で敗れ、１６位に終わった。

「
＜世界選手権ファイナルラウンド結果＞
１２/１８　準決勝　フランス　２７－２３　スペイン
　　　　　　　　　　ノルウェー　２０－２８　ロシア
１２/２０　決勝　　 フランス　２２－２５　ロシア
１２/２０　３位決定戦　スペイン　２６－３１　ノルウェー

＜最終順位＞
１．ロシア　２．フランス　３．ノルウェー　４．スペイン　５．デンマーク　６．韓国　７．ドイツ　８．ルーマニア　９．ハンガリー　１０．オーストリア　１１．アンゴラ　１２．中国　１３．スウェーデン　１４．チュニジア　１５．ブラジル　１６．日本　１７．ウクライナ　１８．コートジボアール　１９．アルゼンチン　２０．コンゴ　２１．タイ　２２．カザフスタン　２３．チリ　２４．オーストラリア　

● バルセロナ、２００９年を最高の形で締めくくる　（欧州）

２０日にＵＡＥのアブダビで行われたサッカーのクラブＷ杯決勝戦で南米代表のエストゥディアンテスを破って優勝したスペインのバルセロナだが、男子ハンドボールでも、先日、国内のリーグ杯に優勝して２連覇を達成。男子バスケットボールでも、今季ここまで国内、欧州で戦った公式戦２１試でまだ１敗しかしていないという圧倒的な強さを見せており、クラブとして２００９年を最高の形で締めくくった。

欧州で最も人気が高いスポーツであるサッカーでは、バルセロナは２００９年の１年間に、リーグ戦優勝、欧州チャンピオンズリーグ優勝、欧州スーパーカップ優勝（茶のイオンズリーグ覇者とＵＥＦＡカップ覇者が対戦）、スペイン・スーパーカップ優勝（リーグ戦覇者と国王杯覇者が対戦）、そして先日のクラブＷ杯優勝と、出場したすべての公式大会で優勝し、前人未到の６冠という偉業を達成した。また、今季のリーグ戦でも現在首位を走っている。

加えて、サッカーと並んで“欧州３大メジャーポーツ”と言われるハンドボール、バスケットでも、バルセロナは絶好調を維持している。

男子ハンドボールでは、国内リーグでは欧州チャンピオンのシウダー・レアルに次いで２位に甘んじているものの、２０日に行われたリーグ杯決勝では、その宿敵シウダー・レアルを３４－３３で下し、同大会通算６度目、２年連続の優勝を果たした。また、欧州チャンピオンズリーグでも早々とグループリーグ突破を決め、ベスト８進出を決めている。

一方、男子バスケットの方も負けず劣らず好調だ。スペイン代表の若き至宝と言われ、ＮＢＡのドラフト指名を蹴ってバルセロナ入りしたリッキー・ルビオを擁するチームは、今季のリーグ戦でここまで１２勝１敗の成績で、２位のレアル・マドリーを抑えてウインターブレーク前の前半戦を首位で折り返した。また、並行して行われているユーロリーグのレギュラーシーズンでも、全出場チーム中唯一の８連勝中と波に乗っており、順当にメインラウンド進出を決めている。

このまま後半戦も好調を保てば、今シーズン終盤にはバルセロナが欧州３大メジャースポーツのタイトルを独占するのも夢ではない。

● 男子バスケットボール：　２０１０年世界選手権の組み合わせが決定　（世界）

２０１０年の８月２８日から９月１２日までトルコで開催される男子バスケットボールの世界選手権の予選リーグ組み合わせ抽選会が１５日にイスタンブールで行われ、前２４チームのグループが以下のように決定した。なお、第１シードの４チームに覇、北京オリンピックの金メダリストである米国、欧州王者のスペインに加え、アルゼンチン、ギリシャが選ばれている。

グループＡ：
アルゼンチン、セルビア、オーストラリア、ヨルダン、ドイツ、アンゴラ

グループＢ：
米国、クロアチア、ブラジル、スロベニア、チュニジア、イラン

グループＣ：
ギリシャ、ロシア、トルコ、中国、プエルトリコ、コートジボアール

グループＤ：
スペイン、リトアニア、カナダ、フランス、ニュージーランド、レバノン

● 元陸上金メダリストのマリオン・ジョーンズ、豪プロバスケットチーム入りか　（世界）

再米国の短距離およびジャンプの陸上選手として出場した２０００年のシドニー・オリンピックで３つの金メダルを獲得した（後に薬物使用が発覚し剥奪、２００８年には逮捕、収監）米国人アスリート、マリオン・ジョーンズが、オーストラリアのプロリーグに所属するブリーン・ブーマーズで、バスケット選手として復帰する可能性があるようだ。
ジョーンズは、ノースカロライナ大学在学中はバスケットボールチームにも所属しており、新人だった１９９４年に全米大学選手権に優勝。卒業時には、ＷＮＢＡ（女子プロバスケットリーグ）のドラフト３位でフェニックス・マーキュリーに指名されたほどのキャリアを持つが、その後は、シドニー・オリンピック出場を目指し、陸上に専念した。
３４歳になる今年は心機一転、バスケットの選手としての復帰を視野に入れ、１１月からはＷＮＢＡのサン・アントニオ・シルバー・スターズの練習に参加していた。