ヨーロッパニュース一覧

2010-4-27

ヨーロッパ・ニュース Vol.117

2010/04/27


女子ホッケー: 日本がW杯出場権を獲得

<W杯出場を決め喜ぶ日本代表>

 ロシアのカザンで行われていた女子ホッケーのW杯世界最終予選の決勝が25日に行われ、日本がアゼルバイジャンを1-0の僅差で下して優勝し、今年の8月29日からアルゼンチンのロサリオで行われるW杯の出場権を手にした。
 予選ラウンドを4勝1分けの1位で通過した日本に対し、アゼルバイジャンは日本に0-2で敗れ、3勝1敗1分の2位で通過。決勝は予想通りの顔合わせとなった。

 前半は両チームともナーバスな立ち上がりを見せるが、日本が徐々にペースを掴む。日本がペナルティコーナーをはずすと、アゼルバイジャンもカウンターから何度か決定機を作り、試合は一進一退の攻防となる。日本は前半終了直前にもいい形で相手ゴール前に持ち込むが、新井麻月のパスが届かず両チーム無得点のまま試合は後半を迎える。後半、爲藤夏弥が相手DFを翻弄する動きで攻撃を牽引すると、日本は立て続けに2度のチャンスを得る。しかし、村上藍のペナルティコーナーからのショットは惜しくも相手GKに阻まれ、千葉香織がゴール前の至近距離で得たチャンスも決められず、どうしても先制点が入らない。それでも後半68分、ようやく千葉のバックハンドストロークからのシュートが決まり1点を奪うと、日本はこのリードを最後まで守りきり、W杯出場切符を手に入れた。

<W杯世界最終予選結果>
1.日本(4勝1分) 2.アゼルバイジャン(3勝1敗1分) 3.ベラルーシ(3勝2敗) 4.ロシア(1勝2敗2分) 5.イタリア(1勝4敗) 6.ウェールズ(1勝4敗)

決勝戦: 日本 1-0 アゼルバイジャン
3位決定戦: ベラルーシ 2-3 ロシア (延長)

<W杯世界最終予選 順位>
1.日本 2.アゼルバイジャン 3.ロシア 4.ベラルーシ 5.イタリア 6.ウェールズ

男子ハンドボール: チャンピオンズリーグ準々決勝 第1戦結果

 男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグは25日に準々決勝第1戦の3試合が行われ、ハンブルグ、キール、バルセロナが先勝した。HSVハンブルグはホームの利を生かし、欧州王者シウダー・レアルを26-22で破る番狂わせを起した。ドイツ勢同士の対戦となったレーン=ネッカーレーベン対THWキールは、アウエーのキールが29-28で接戦を制し、第2戦にはずみをつけた。一方、バルセロナはベスプレムを寄せ付けず33-27で快勝し、準決勝進出に王手をかけた。残るチェホフスキー・メドベディ対モンペリエの一戦は28日に行われる。



アントニオ・サマランチIOC名誉会長死去に際し、国際スポーツ協会から弔辞

 1980年から2001年までの長期に渡りIOC(国際オリンピック委員会)の会長職にあり、とりわけ商業面でオリンピックの発展に大きく貢献したIOC名誉会長のジュアン・アントニオ・サマランチ氏が、4月21日に地元バルセロナ市内の病院で89歳の生涯を終えたが、この訃報にスポーツ界の国際連盟から次々と弔辞が寄せられている。

<IOC(国際オリンピック委員会)ジャック・ロゲ会長の公式コメント>
「この悲しみに言葉が見つからない。近代オリンピックの礎を築いたこの偉大な男の死に、個人的に大きな悲しみを味わっている。彼は私に大きなインスピレーションを与えてくれたし、彼のスポーツに対する知識、教養はずばぬけたものだった。サマランチ氏は素晴らしい見識と才能で、オリンピックの基盤を強化し、より強い絆を構築した。私ができることは、スポーツに尽力してきたサマランチ氏がオリンピックを通じて築いてきた実績と財産、栄誉をこれから受け継ぎ、分配していくことだ。われわれは本当に偉大な人物を亡くした」

<FIH(国際ホッケー協会)レアンドロ・ネグレ会長の公式コメント>
「世界のスポーツ界の発展のために多大な貢献をしてきたアントニオ・サマランチ氏の死去に深い悲しみを感じている。スポーツ界は、その人生をスポーツのために捧げてきた友人を失った。サマランチ氏は、オリンピックにおいてホッケーというスポーツに大きな理解と尊重を持って接した真の友人であり、IOC会長としての彼の偉大な尽力のおかげで、ホッケーは大きな前進と発展をとげることができた。深い追悼の意を表したい」

<FIVB(国際バレーボール協会)魏記中会長の公式コメント>
「サマランチ氏の死去はオリンピック活動にとって大きな損失だ。同氏はオリンピックだけでなく、バレーボール界でもビーチバレーの認知、発展などリーダーシップを発揮し、大きな貢献をもたらした。“オリンピックの父”は創設者であるクーベルタン男爵だが、サマランチ氏はまさに“近代オリンピックの父”であった。私はFIVBの会長として、サマランチ氏から多くのことを学んだし、常に彼の生徒でもあった。FIVBは同氏のことを“スポーツ界の先導者”としていつまでも忘れないだろう」

<FIBA(国際バスケットボール協会)パトリック・バウマンGMの公式コメント>
「非常に悲しい日となった。IOCで活動してきた期間のみに限らず、サマランチ氏のスポーツ界、バスケットボール界への貢献は計り知れないものがある。彼の死を悼んでやまない。サマランチ氏とボリスラフ・スタンコビッチ前GMは、強力な連携の下、オリンピックをよりレベルアップさせ、かつ魅力的な大会にすることを目的に、プロ選手の大会参加のために大きく尽力してきた。FIBAとして、サマランチ氏のご家族、友人全員に心からお悔やみの言葉送りたい」

<IHF(国際ハンドボール協会)ハッサン・ムスタファ会長の公式コメント>
「サマランチ会長の訃報にわれわれは大変ショックを受けており、深い悲しみにつつまれている。彼はハンドボールのよき理解者だった。全てのスポーツ関係者が、オリンピックの新しい時代を築いた偉大なリーダーを失ったことを残念に思っているはずだ。IHFを代表して、IOC関係者およびすべての親族の方にお悔やみを申し上げたい」